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ダイダラのうえにダイダラをのせて
最初の神は作った。作った。
走りきったはじめてのわたしの機械達
油の流れる身体のすみずみまで
その線形に織りなす世界とそこにひろが った 岩 コケ 非
....
消灯した病院の屋上に苗を植えました
コンクリートの上に植えましたそれは
新月にもかかわらず囁き始めていて
考えていることが夜に溶け出すのは
ずるずると引き摺る昔日の想い ....
誰かが誰かを愛するように
わたしはあなたを愛さない
あまりにも空が青いから
あなたは人を殺し
わたしは誰かを愛した
歩いていく道に 道しるべがある
上り坂 下り坂 暗いトンネル
歩いていく道に 岐路がある
道しるべは 自分でつける
自分だけの道しるべ
一人 一人に その人だけの道しるべ ....
生まれ変わる前にセーブしておく
ミツビシに勤めているのに みつひしと云う父が
三つ菱形があるから、三菱
そんなことを教えてくれたのは、やっぱり
みつひしだったからなんだな
カッターナイフを ぽきん
「これが ひしがた ....
無造作な闇に木霊する歪んだ梟の声の中に誰にも聞かせられない言葉を埋め込んで、亡骸を模倣しているみたいな午前零時の挙句、泥土の思考回路は生温い卵を産み落とす、祝福されない産卵、祝 ....
美しい花は咲き始めるにあたって
他の花々と契約を交わした
それぞれの孤独を干渉し合わない契約を
美は純粋であることから生まれ
自らの美の形成は自らの唯一の中心性に基づく
だがやがて花 ....
ほんとうの話を 書こうか書くまいか
かくまうのはやめて お書きなさいな
夜空に 月ひとつ
鱗雲に埋もれつつ 虹彩を放つ
大地を踏みしめて
月と私は空を挟んで共にある
驟雨の ....
席を譲りあううちに終点
片づけておいてね、って 言った
私の責任だとしても
鞄という鞄の ファスナーもホックも全部
ジッパーは下ろされ パックリと口を開けて
私を 逆さまに覗いて笑っていた
自分では見 ....
妖怪
都会の妖怪は
昼間に出るらしい
夜は明るくて
隠れる場所が無いから
たとえば
人の途絶えた午後
ビルの屋上に出るドアの
前に佇む影
あるいは
休日の事務室に ....
四、
という数字は
光線に貼付きやすいのかもしれない
高架橋のナンバープレート群が何故か
西洋の婦人画をおもわせる夜、
わたしの精神はまたひとつ
緑色の ....
握りこぶしが茹でられてしまった
蝉しぐれのたらたら坂を
真っ赤な両手を引きずって上っていくと
向かいにやってくるのは
はたして豆腐小僧
「そんな」
「そんな腕で来た」
とは早口の詰り ....
雑木林の木々に囲まれた湿った寂しい道を登ると
不意に緑の沼に射すくめられる。
ホテイアオイがゆっくりと揺れ ボーボーとウシガエルが鳴いていた。
あの年 この沼にまるまる肥った川エビがわいた。
....
柿の木が衰えと実りとを同時に示し始めた。枯れ落ちていく葉と熟していく実、そして樹幹を這い登っていき鮮やかに紅葉する蔦。台風がしばしばやって来ては大気をどんどん冬に近づけていき、台風に触発さ ....
あかん!
そんなうるんだ目でみんといて
かんにん、もう降参や!
蝿よ
そんなに酒が飲みたかったのか
その小さな体で
グラスの焼酎を
飲めるとでも思ったのか
かつて君が人間だった頃のように
蝿よ
君はもう人間ではなかった
そんなこ ....
砂時計の砂が
上から下へとこぼれ落ちるように
時はただ流れ落ちてゆく
というのは嘘で
病室で 痩せた老いた手を
そっと握りしめた時
弱い力で 固く優しく握り返した祖母は
何度も何度も ....
かつてキッチン(というよりは台所)は裸電球で照らされた寒い島だった
幼い私は台所のことを「だいどこ」と呼んで入り浸っていた
窓からは川へ下る坂道と隣家
(といっても音なんか聞こえないくらいには離 ....
ひやりとした北向きの一室で
意識はぼんやりにがい
明日はめんどうだから
月がもう一度登ればいいと思う
水道から
ちゃぴちゃぴ微かに漏れでる
わたしの自尊心
とんでもなく腹立 ....
行く手を遮る人のように
不安の影がたちこめる
追い払うために
小川のほとりに立つ
苔が敷き詰められた庭の清流
岩の向うに竹林の藪
たたずめば
火に群れる虫のように
影たちがどこから ....
季節という言葉が好きである。時間の移ろいを、例えば計画の進捗状況のように人間中心的に考えず、あくまで自然を中心に考えているからだ。人間は計画の達成に余念がないが、そのような人工的な時間の移 ....
しょくぶつといえば みどりとはかぎらないけれどカノジョの部屋はみどりにみちあふれていてカノジョのためいきをすいとりうつくしい朝をさしだしてくれる
テラリウムはきらいといい ....
5回に2回しか考えていることを言葉に出さない そういう私の上澄みを皆が好いてくれていた 淡白であとを濁さない演技で 私なりに道を極めていた 対話を悲しみでもみ消す以外の表現をまだ知らなかった 時には ....
またひとつ一瞬が結晶化する。また1つ。それは、速度が潤うにつれ揺蕩う一瞬となり、群れから剥がれ落ちるように、また1つの一瞬となり結晶化する。点滅するこの世界の、瞬く一手一手は、奥に潜そんだ不可視の秒針 ....
半刻ほど前から
組んでいた指をほどいて
あなたが落とす銀箔に似た笑み
ガソリンじみた水溜まりにひとつ、
爛れたショパンがしゅんと跳ねた
意味あり気にゆっくり沈む
巨大で感傷的なひかり
あれは詩ですか?
いいえ、
夕暮れです
毎日違う角度で訪れる夕暮れです。
公園の隅で地面に寝ている
赤や黄色
あれは詩ですか?
い ....
*太郎を眠らせ、太郎の上に雪降り積む
*次郎を眠らせ、次郎の上に
冷たく白い かなしみは堆く
白く 叢枯れ果てた夢の室の下
冷たく ....
あたし、夜の街が好き
あたしの知らない街の飲み屋で
みんな あたしの噂話をしているから
(オヤジ、靴下は脱がさないけど、下着は下まで下ろしたがるの)
スカートの中身を楽しむ ゲイシャ ....
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