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人が笑っている
人も笑っている
空は何もしない
近所の人が歩いている
犬を連れている
性別は男とオス
海は遠い
(午前6:53 · 2021年2月3日·)
椅子が眠っている ....
二〇一五年七月一日 「I made it。」
あ
かるい
ステップで
歩こう
あ
かるい
ステップで
歩くんだ
もう参考書なんか
いらない
問題集も
捨てて ....
私たちが雪原におちた明い椿を
やわらかなときに戻した時に
「あゝ 儚くも春の息吹」
生まれてしまった意義も値打ちも きっと
流された視界の端で 出逢うことであった。
かの君や さの ....
ながい沈黙が饒舌をはらみ
言葉を産みおとすとき
海がきこえる。
海をついばむのは
歌を忘れて後ろの山にすてられた途端
歌いはじめたあの金糸雀でなければならない。
瞬間という永遠が ....
天空に浮かぶ
たっぷりと水蒸気を吸った雲が
雪ん子坊やたちのお母さん
その灰色の
スポンジのような子宮のなか
寒気の栄養で
すくすくと育つ雪ん子坊やたちは
やがて成長 ....
青空に白球が高く高く沈み
二度と落ちてこないような気がしていた
外野手は優しく恋人に触れるように
右手をフェンスにそっと添えて
これから起こる無常を背中で伝えている
ぼくはといえ ....
観葉植物を真似るクリームソーダが
夕焼けに溶けていく
散々
カフェインに浸れた
町角で
段々
赤い花を咲かせた
砂漠の
あるいは密林の植物がひけらかす
肉厚な葉のように
ク ....
二〇一五年六月一日 「こころに明かりが灯る」
以前、付き合ってた子が遊びにきてくれて、二人でDVD見たり、音楽聴いたりしてた。世界いち、かわいい顔だと、きょうも言った。「きっと、一週間 ....
{引用=まどろみ}
種子は雷鳴を聞いた
意識の発芽前その核が
ひたすら芯へと引き寄せる
死に疑似した時間の中
最初に震動があった
そうして微かな熱
やがて忍び寄る水の気配
たった今 ....
さびしい場所はきっとお互い似合わないよ
端っこに腰掛けたふたりは口を開けない
不幸せに倒れ込んだ先
マッチを擦る音がして振り向いた
傷をかばってできた傷がここにはあるんだぜ
いやしい光が ....
朝
起きたらコーヒーを飲み 死ぬ
昼
頬を撫でる風を感じ 世を憂う
夜
星空に自分を映しながら ビルの屋上から
身を投げてどうした
憂いたのはこの言葉の評価
死 ....
夜の街に女性を買いにいった
それは悪じゃなくて
必要な悪
もちろん真っ当に恋愛して
両性の合意に基づいてお互いの性を共有できるなら
何の問題も発生しない
かも知れない
だけど現実 ....
その日は休日
市内の公園でフリーマーケット開かれてたから妻と二人で出掛けた
だけど売ってたのはガラクタばかり
購買意欲はわかなかった
元々何かを買いに来たわけじゃなくてただの暇つぶし
早 ....
靴の甲のあたりの高さにもなれない、小さく目立たない花が板塀の脚に沿って群生している、昨夜遅くの雨でそいつらはテレビコマーシャルのように粒の小さい光を跳ねている、板塀はところどころ破れていて、それは ....
昼も夜もない屋敷に独りの老人が住んでいる。
彼は日めくりカレンダーと唯一の会話をする。
愛くるしい動物や癒しの風景が語りかけてくる。
そんな彼が穏やかに息絶えていた。
今日見つかった時はもう腐 ....
僕の空腹はぼくのものだ
ときどきカップ麺を要求するけど
必要は最良の教官ではあるが
不必要はより甘美な憩いなのかもしれない
罵り言葉でもないが
地獄に行こうぜ
僕みたいな人間の ....
二〇一五年五月一日 「HとI」
アルファベットの順番に感心する。Hの横にIがあるのだ。90度回転させただけじゃないか。エッチの横に愛があるとも読める。もちろん、Iの横にHがあるとも、愛の横 ....
{引用=ふしあわせという名の猫がいる 寺山修司}
印象という名の椅子
音楽という名のハンモック
概念という名の少年
恐怖という名のカクテル
経済学と ....
土を飼っている
従順で賢く我が強い
麦を好みパンも嗜む
時節をよく見極め常に冷静
時に激しく自己否定する場面も見受けられる
芸術に造詣が深く音楽や絵画はよく語るが
文芸は理解するに及ばず
....
雪のある山に雪がないような時は
もう一度川のせせらぎを聞いたほうがいい
どうしようもなく足元が不安な時には
遠くで鳴く犬の声を探すほうがいい
一晩で
家をすっぽりと
覆いつくしてしまう
恐ろしい豪雪
豪雪のことを
白い悪魔と呼ぶらしい
悪魔は人と太陽を
欺くため
無垢な白という色をまとい
よくみると
....
町並みに森の匂いがした。
公園を三つ。階段を二つ。知っているパン屋の匂い。スーパー。雑貨屋。ともだちの家。
学校を見下ろす長い坂道を下った。
社を通り過ぎて、実家を通り過ぎて、足は、足を、通り過 ....
きみは遠い世界の春を抱いて、シャンソンに合わせて身体を揺らせている、昼間は夏のように暖かかったけれど、夜は北極のように凍りついている、電気ストーブよりもいくつもの薪をくべた暖炉が欲しくなる、そんな ....
1.春霞
まだ見ぬ窓は
美しいだけで意味を含まない
詩集のようでした
干からびた紅茶のつじつまが合うころ
存在はただ
うすぼんやりとした夕暮れをむかえ
ときに遠ざけたいほど臭かっ ....
ごく薄い光が、土を透過していく。
草原の体が揺れ、水が、根や枝を広げている。
街はなにか約束を結んだ後のように沈黙している。
明るい方角を向くと、線路の北側は水圏。
草原の向こう、渓谷 ....
この服を脱ぎたい
そうしたら
気のいい単語と
すこしの助詞や助動詞たちを連れ
ピクニックにいくんだ
パラソルの下で
サンドイッチを食べる
貝殻を覗いて
蟹を見つけたり
珊瑚や不思 ....
{引用=「すべての月曜日は青い」}
Cerurean Blue Monday
{引用=セルリアンブルーの月曜日}
Cobalt Blue Monday
{引用=コバルトブルーの月曜日} ....
裏路地にもう何十年も転がってる自転車の
茶褐色に錆びた車輪が真夜中に一度だけ軋んだ
生き過ぎた鳥のため息のような音
その時、俺の知り合いがそこに居れば
俺がひとりで何事か話していると思ったかも ....
此処は何処よりも静かで
憎んだら自分が駄目になる
森の奥、新緑のラグーンが囁く
「もういいんだよ」
その声は耳に届かなかった
届いても降りて来なかった
自由という名の劇場
戦いはまだ ....
やさしさだけがあるひとのなかに
太陽(コロナ)がおちて
夕焼けがおわった。
冬の空より退屈なひとね
水がいった。
そういう水も
そうとうに退屈なかおをしていて
おおきなあくびをしてい ....
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