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 始めから、カップは空だったのだ。
 ゆらゆらと天井から吊らされた裸電球にまとわりつく湯気は
 確かにそこにあったけれど。
 暗い部屋、何度も叫び、黙る、その、錯乱。
 底なしに、女である ....
 がりがりに痩せたはかない猫が、その鋭い目で、僕を狙っている。

 僕は、食べられたくて食べられたくて、その指を出した。

 そんなにはおいしくないさ、だけど、ほら

 猫は、指をかじ ....
 逆さまなだけでただ長い言葉が
 ずっと居座って渋滞をつくる。
 僕は何もできないので、何もしないでいた。

 となりの席で寝ている花瓶は
 今までに貯めこんだ愛を吐き出し、やがて枯れる ....
乾 加津也さんのOhatuさんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
逃避における錯乱- Ohatu自由詩412-2-6
がりがり- Ohatu自由詩312-1-28
むごん- Ohatu自由詩311-1-15

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