恋をするのはめんどくさい
語らったり
理解したり
どのみち理解など
できるはずもなく
中途半端に抱きあったりして
そうして
さみしさを希釈する
カルピスで ....
スミレの花の砂糖漬けを一つ口に
舌先で触れる
とろりと甘い
真っ暗な静寂の世界で孤独な二人が音を作る
私の嘘が
針千本 飲むくらいで
許されるなら
朝になれば羽が体に滑り込み軽くなる
見えない羽が元気をくれる
誰でも持ってるふわふわの羽
眠ると白い獏が届けてくれるよ
朝、色とりどりの見えない羽が舞う駅のホーム
夜、千切れた羽が星空に吸い ....
あちこちに光を反射する海と
緩やかに登っていく山の斜面とに
張り付くような町を
通り過ぎる
ざあざあと
長い波間を
滑り込むようにして
通り過ぎる
穏やかと
それ以外に言いよ ....
雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない
....
赤
夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく風景に溶ける
橙
”ちかみちはこっ ....
きゃらめる 10
あめ
1
ひとつぶの
しずくは
すなにとけて
あとかたもなく
きえてしまう
かぞえきれない
....
「チャンスはいつも平等に」
急行の止まらない駅でチャーリーはいつもつぶやく
いくつもの携帯電話の着信音が鳴り響く遺失物届所には、
いつまでも使われない傘と
これからも役に立た ....
報道ステーションを見ていたら、イラクで誘拐監禁された三人のうち二人が記者会見に応じていた。という書き出しだとニューススレに書けこのやろーと言われるかもしれないが、私はニュースの話をしたいわけではない。 ....
桜の花びらの
ひとつひとつに
名前をつけて
しばらく会っていない
もしかしたらもう会えない人達を
眺めていたら
君を思い出せないうちに
最後の一枚が散った
....
激しい雨の中
坂道で倒れた俺は
服も手も泥だらけで
顔は擦り傷ができていた
傘を
放り投げて
俺を助け起こしてくれた
あなたは
天使でも女神でもなく
....
綺麗に半分になった月を見た
見上げながら彼にメールを打った
「半月が綺麗、
まっぷたつ、って感じ」
暫くして彼から返信
『その半分ね
食べちゃった♪
ホットケーキの味だ ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません
花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
★ ライオン砂漠
あまりの暑さにたてがみを
くるりと脱いでネコになる
そりゃないぜライオン君
★ iシシャモ(しかも子持ち)
スケルトンな
....
校庭の使い方を忘れてしまった
忙しさにかまけ
タバコをふかし
子供たちの嬌声に耳を傾け
止むことを知らない霧雨のなか
彼女の寝顔
彼女のやさしさ
彼女のフルネーム
それがなんだか忘れて ....
一本
二本
三本
指が沈んでる
あなたに触れようとしたら
全部
落ちてしまった
水槽で泳ぐ
さみしそうな指に
ゆらゆらと
水草がからみつく
しょうがないので
エ ....
14:34発
皐月のシャツ着た
ゆふいんの森5号
水平線を描く
電線を
斜め下から
追ってゆく
風景も
ゆったりと
融けて
車窓の後ろへと
帯びてゆく
電車の中は
か ....
さいきんなぁんもかんもわすれていきよるち
おかあちゃんがいいよった
なーなー、おかあちゃん
ぼくんことも
いつかはわすれてしまうん?
こーえん
ゆうやけこやけのあかとんぼ
うしろのし ....
種のようなものを拾った
地面に埋めて水をやった
芽のようなものが出て
葉のようなものになって
つぼみのようなものがついて
花のようなものが咲いた
僕のような人がそれを見ている
何か言 ....
みんながちゃんと
よけて歩くような穴に
簡単に
落ちてしまう
気をつけて
歩いているはずなのに
でも
やはり
落ちてしまう
穴の中で
「ここはどこだろう」
「暖かいか」
....
沈黙の雪をふみしめて
おしゃべりな日々をあるこう
ポケットにしまった色んなかたちを
そのときどきで見せてあげる
ぽんと弾けた、
紙ふぶきをのっけた空の向こうで
いまごろ君は泣いているかな
....
ああ今日も夜がふけていくよ
風がびょうびょう吹いて
トタン屋根に映る雲がごうごう流れて
乗りそこなった月の船は地平線の向こうです
星のない空は
なんだかとっても寂しくって
電信柱を伝わ ....
傾きかけた夕日に
静かに染められていく放課後の教室
たわむれあそぶ影法師たち
その風景からひとりひとりを
輪郭にそって丁寧にきりとり
ノートに貼り付けていく
ふるえる手で
間隔が
....
僕はあなたのことは好きだけれど
他の最近出会った、誰のことも好きじゃない
僕が悪いとは思わないけれど
まわりの人間が悪いというわけではない
合わないだけ
本当に小さかった頃の僕は、
....
ビルの非常階段の裏に
人影がみえた
また
ぶっそうなことかと見ると
青い瞳の
美しいサイボーグが
瞬きもせず
捨てられていた
俺は
白いシーツを彼 ....
生きて帰った者はいないと
時折
こころをよぎる声
森はしずか
ずいぶん昔に
からまった命綱
捨てられないねと
君が笑う
さざめく木の葉のすき間から
漏れ落 ....
頭に小さな針で穴をあけると
容易くゼリー状の意識が入りこむ
意味を下さいって
当たり前の様に垂れ流される
ネオンサインの空
夜をごまかすのは
眠りたくないからじゃなく
オルゴ ....
あした
また あした
雲 流れて
あの空は春の中
風 流れて
波立つ 森の音
風はあるけど
帆をたたもう
船出の朝は
まだ遠い
あした
また あした
そら 一番星
はるか
遠くから落ちてくる
手袋の記憶を
あなたが
持っていたとしても
それは
あなたの
責任では
ありません
あなたが
ベルギー産の
山羊の肉をとてもとても
好きだっ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108