紫の灯りめがけて飛ぶ虫を 笑うあなたと笑えない吾と

 
そんな字がやさしさにだって欲しかった 高圧電流さわるな注意


君はいう 川面に映る街は幻 私はつぶやく 恋もいっしょだ
 
 ....
紙の船 砂に
海を ひらいて 進め
ためらうな そうしなければ
みえない ものばかりを
愛したからには
しっとりと伏せられ、そのまま
こと切れたあとの、薄青い、薄暗い
目蓋のような擦り硝子を前に
決して、そこから
目蓋なんぞ連想しないと思い直す、おんなの
見下ろす、白百合の ....
ブルー問ふ京の都の古家ぬけ落ち込むぼくに空指しながら


麗しき姿であれどきみに問ふ如何なる意図や人魚の胸像


高速の指の運びに混ぜられてゆく鍵盤ももはや灰色


「色たちが心中し ....
いつもより少し日が暮れるのが早い気がして
つたの絡まった郵便受けをのぞくと
少し錆びた箱の中には、もう秋が来ていた

慌てた僕は、街を見下ろす公園に行き
ペットボトルのロケットにラブレターを ....
流しのはじっこで
トマトにかぶりつく

切って 盛り付ける前
誰もみてない 朝

どっからくるんだろう
この 破りたい
悲しみは

形よく そろえて
行儀よく いただいて
終わ ....
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた


同じころ

父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた

隣の部屋の夫 ....
今日が終わる
その少し手前で

ひとつ足りないことに気づく

いつものように
君を送りとどけた駅で

「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない

ひとつ ....
透明な夜空は
脳がものをみることを
なまけてしまった人が見ると
満点の星空なんて映し出す
本当は何もない
ただ地球は孤独なんだということを嘲笑う
真っ黒がそこにあるだけだ
そ ....
荒野では道がわかりません
ヒースの丘にのぼっても
海はみえません けれど
匂いたつ まぼろしをたどって
かならず行きます きみの家に
いつものように顔を洗って
出直してこいよなんて言われなくても
そんなことくらいわからないわけないんだよ
わかっててやってるんだから
君に会えなくなっても
君の夢くらい見たっていいじゃない ....
夏が欠けていきます

溌剌とした空の滴りを
濃厚な季節が吸い尽し
あとはさらさらと乾きゆくだけです

さっきりと出た月の高さも
いつの間にか伸びて
変わりゆく時は
青葉さえ少しずつ朽 ....
細胞の輪郭は
発熱に適した形なの ね
あなたの音源との距離感は
可笑しくて悲しいけれど
あなたの感覚器の滑稽な分離も
可笑しくて悲しいけれど
さらに 伝導にも適した形なの 
 ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う

疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール

ねえ
毒って、甘いんだってね


   *


追いかけられるの ....
ほんとうに欲しいと思ったんだ
あの夜

だから
ここにいるだけで
しあわせ

夏が終っても
君が胸を泳ぐから
 

クロール


息つぎをせずに
どこ ....
あれはいつのことだったか、間違いなく浮いていて、空。に、月の代わりに。ぼくらの夜はつややかな緑に照らされ、建物には鮮やかな縞模様の影ができる。アスファルトから植物が生えているようだった。自分がやさし .... 排気ガスの向こうに
こころだけを投げ出せば
いつだって僕は風になれる
鳥にだってなれる


部屋に戻れば
やわらかい布団と
あたたかなシャワー



守りが約束されているの ....
わたしがいなくなって5分後の世界
相変わらず

交差点は混んでいて
ストップランプは
シンクロしてて

大型ビジョンが
めまぐるしく 変わって
新作モードは
ガラス ....
光りが消えた後では、記憶と幻覚が新しい宇宙を
符号的に再構築してくれるのだろうか。

ミミズは夜の地表に顔を出したときに
なにを感じるのだろうか。









 ....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた

わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから

ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
今日の日付が浮かぶたび涙じわりと

眠れずにつけたラジオから
あの人と似た声ざらりと
笑ってしまおう
目を細めたら泣けてきた

一生懸命でした

今日の日付が浮かぶたび涙じわりと
 ....
いつものとおり楽園じゃないところに帰る
多分それは明日も同じで
多分それは君も同じで

晴れているのに雨が降る
君が死にたいといったアスファルトを黒くする午後

楽園は彼方
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった

ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている

道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた

陰った景色は
 ....
一冊の絵本のような生涯
浮遊するひとかけらの海
あれは君なんだろうか

思想のない森と夜の魚
そんな絵本だとしたら

月がちょうど半分 あとは少しの湿度
そんな海だとしたな ....
線が
小さな点の集まりだと知ったのは
まだ恋なんて知らない
幼い頃のことでした

とぎれとぎれに
一つ一つの出会いがあるように思えても

振り返ればなぜか
すべてがつながっているよう ....
じんべえって
まるで人の名前みたいだ

こんな夏の日に
すっかり涼しい顔をして
遊びに行こうって言っている



(ほら、じんべえ
 祭りばやしがきこえるよ)



ふわっ ....
胸の奥につないだ
遠い思い出の時間は
時折
甘美なひとときを
わたしの中に
もたらしてくれるけれど

つなぎめが
とても痛くて
ささえきれなくて

今にも
ぷつんとちぎれて
 ....
満月は
あしたから
だんだん萎んでいきます


わたしの満月は
いつだったんでしょう


月は
また膨らみますが
わたしは
もう膨らみません


子どもじゃあるまいし
 ....
母さん。


初めてぼくが笑ったのは、いつですか。


母さん。


ぼくに初めて友達が出来た日を、覚えてますか。
初めてぼくが熱を出した時、大変だったでしょう。
母さんのお粥は ....
望月 ゆきさんのおすすめリスト(3220)
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