酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
のりしろを見つけました。

観察しても、
どちらがのりで、
どちらがしろなのか、
わかりませんでしたが。

とりあえず。
貼り合わせてみましょう。

のり( ....
世界で一番悲しい人が笑った
花のようだった
花の名前と同じ速度で
列車は走った
良い陽が入るね
そう話す乗客たちの袖口は
等しく汚れていた
窓の外にはいつも窓の外がある
という ....
数える、シグナル
着信履歴

数える、車窓の鉄柱
サボテンの棘

数える、つたえたいことば
読んでいない背表紙

数える、もらったさやしさ
星のまばたき

数える、蝉の脱け殻
 ....
ねこや青空や荒野を
ねこや青空や荒野と
なづけたひとにあなたのなまえを
なづけなおしてもらいにゆくのなら
てぶらで部屋を出て
ふいにバスをとちゅうで降りる
もう二度と帰らない旅行へ出かける ....
皮膚を、
へだてているのは同じではないか、その
頂へ
ゆっくりと
のぼりつめるさま
あるいは
交わってなにひとつ溶け合わない、交わりは
交わりのまま皮膚の
上にしんしんと塗布
さ ....
スパイスきょうじゅ
スパイクはいた
スパイクはいて
スパイスのんだ
いちめん ひろがる 
じゃがいもばたけ
おくさんうめたの
だれでしょう

*

あさ うたたねをしていたら ....
夕焼けが差し込むような窓を見る 背中に回るのは反則と思う


くちびるが声を発することをやめ ただ感触が伝わるだけの


指を組むようにあなたの腕を脚を 隙間なく組み近くへもっと


 ....
空の底
空気圧
破裂してしまいそうな
煙のように混ざり合ってしまいそうな


ねえ
そこで泳いで
きみの背中は
一時間だけのため息が根を張るように
そこでひっそりと、目を閉じていく ....
惚れるひとつ。
溺れるふたつ。

ここにひとつ影。
ふたつ追憶に溺れる。

果てる波みっつ。
鱗粉を撒く蝶々を姉が追い
便りもとうに絶え果てて、二月

珈琲の苦さも世界のおしまいも二月の書棚に封印されて

死してなほ国歌と定めし
{ルビ売女=ばいた}をば二月の空に弔う君が代

 ....
国道を利根川の河川敷にむかって歩いた
あそこで彼女と連れションして葉っぱでふいたりしたことを
いま
しみじみとおもいだしている

腕の中には死んだタヌキ
わたしたちは
それを埋めたかった ....
パレード、通り過ぎる、そんな頭上の光を
楽しいという感情を置き忘れた日の夕闇
彼はそのために全てを考えるということをして
流れていくひとりぼっち、常日頃想うようにすること
ステップ、音楽を歌う ....
ひろければひろいほど
わたしはひとりで
つまり

ひろければひろいほど
あなたも
ひとり


あの日
真っ白なゲレンデで
わたしは
ひとつになりたいと強く願った
ゆるやかにカ ....
 月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 .... 青空の手に触れはにかむ冬の顔



描きなぐる雪のはざまを埋める景



ひとつにも無数にも降る雪の問い



ころびゆく我が横に空たちあがる

 ....
さよなら
とんがった優しさが
ふっている


まぶしいと言う
ブラインドの角度をさだめて
すきまから泳ぎだす朝
深く愛したものなど まだ
なかったけれど
よごれた壁の上に
 ....
行方もない風たちを
帆にはらませて
もう帰らない船の
船笛の消えていく先
短い呪文
アストロラーべ

二人の旅路を
羊皮紙に書き出しても
深海の底に
沈む姿があって
透明な海藻に ....
南町二丁目電話ボックスでさらってくれる人を待ってる



ガキ大将なんて嬉しいものじゃない道具で殺せるジャイアンのこと


死ぬ星が一番光る 遠吠えを聞いた僕らのつく嘘みたく


 ....
白っぽい二階建てアパートの部屋で
あなたと
バニラブルーを食べた

窓を開けると
川の音が聞こえた

目を閉じて
耳を澄ますと
まるでわたしたちの下を
川が流れているみたいだった
 ....
その人が、燃えていった
毎日よりも人は集まっていた
いなくなったというよりも
手放した、と言いたかった
彼らは笑う声で
透明な空を細い道にして
順番に順番に、昇っていった
花が、咲いてい ....
なれてしまうこと
わすれてしまうこと
わすれつづければ
けっして なれてしまうことはなく

かぎりなくむせきにんで
なんどでもくりかえします
しあわせなことを
かなしいことを

そ ....
すきなひとができて

くちをきくことがこわくなった





とても あたまのよいひとだから






そのひとの おおきなせなかにもたれると

わたしの「すき」や ....
青いアメリカ
きみはいま風邪を曳いていると
信じたい

少し前はきみを讃えるのに
僕は ではなくて 僕らは と言っていたよ

少ないお金を出しあい
きみのもとへ出したボートが
沈み
 ....
焼き払われて
焦土と化した故郷の村に還ってきた
いちめんの砂地に転がる骨のオブジェたち

あたしの家のあった場所に
炊煙があがったような気がして
駆けよってみると
テントのまぼろしの ....
白線の内側におさがりください
融けかかった身体が通過して行きます
主成分は耳とし耳けるもの
声のいくつか
危険ではありませんが
触れると昔を思い出して
いささかに寂しい
窓とし窓 ....
夕暮れの空にはむくどりが群れて
毎日あんなことしてて
むくどりは飽きないのだろうかと思う私も
飽きもせず夕飯をつくる
いや飽きてるんだけど
夕飯に飽きても
生きてるのに飽きても
生きてな ....
(伸ばされていたのは僕らではなく、日の光だよ)

そう、
つぶやいていたのは誰の横顔だっただろう
同じ服装の顔と顔とが集まっていく、丸顔の時計の下は
いつも降り積もるばかりだった
きょうし ....
銀色の髪

明るい瞳は緑

ささやく指先は桃色

つま先はあるの?

ライラ

君はしかめっ面で花という花をみんな摘んでしまい
眩しい朝が広がるに任せる

深い深い森で
夜 ....
忘れないことだけが
私にできること

なぜ
詩を書くのかって
みんな話しているけれど

なぜ
ヨーグルトが好きなのか、とか
なぜ
背伸びをするのだろう、とか

私には
あまり ....
望月 ゆきさんのおすすめリスト(3220)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不透明な_ものたち- 落合朱美自由詩2106-2-5
「_のりしろ。_」- PULL.自由詩10*06-2-5
春の裁ちかた- たもつ自由詩1406-2-5
かぞえて- たりぽん ...自由詩706-2-4
無数の。- なを自由詩1506-2-3
体温- 石畑由紀 ...自由詩1506-2-1
ファザー・グース(2)- たもつ自由詩11*06-1-31
宇宙に_咲いた- umineko短歌11*06-1-31
そらのさかな- 霜天自由詩406-1-31
「_ひとつふたつ。_」- PULL.自由詩13*06-1-30
「MIX&REMIX」__二月のうた- 山田せば ...短歌706-1-30
ワンダー- モリマサ ...自由詩6*06-1-30
世界は漂泊する彼らのための- 霜天自由詩606-1-30
本日モ晴天なり- umineko自由詩13*06-1-29
- 葉leaf自由詩13*06-1-29
冬と色- 木立 悟俳句706-1-28
ひこうき雲- はな 未詩・独白1406-1-28
とりたちの星座盤をまわして- たりぽん ...自由詩14*06-1-28
短歌を書くときは書くことの十倍の文字を考えている- ピッピ短歌1306-1-27
バニラブルーの午後- チアーヌ自由詩606-1-27
昇華- 霜天自由詩906-1-27
なみうちぎわのカニのよう- 日朗歩野自由詩606-1-26
裏庭の宿り木- コトリ自由詩6*06-1-26
アメリカ- 便乗鴎自由詩2*06-1-26
ある帰郷(マリーノ超特急)- 角田寿星自由詩10*06-1-25
わわく_ろらん- たもつ自由詩15*06-1-25
鍋が煮え立つまでの即興- 佐々宝砂自由詩12+*06-1-25
ただいま、という名前の人に- 霜天自由詩606-1-24
ライラ/夜という名の蕾たち- ふるる自由詩10*06-1-24
忘れないことだけが- umineko未詩・独白5*06-1-23

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