大潮の夜に
ふたり酔って
ふらふらと歩きながら
月を見れば

俺は笑う月と、
あなたは兎の耳と、
反比例の相関を示し

提示した相関係数マイナスRの
数値が0コンマいくつになるか
 ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
八月の午後 スケルトン
体に満ちてくる蜜をすくって舐めると
遠い日の蝉時雨 蝉時雨
ましてや雷【いかずち】の音 雷の音

意識の続かない二十三秒間
陰陽繰り返して雨を待ったことを
思い出 ....
そして、土から緑が涸れてゆく
わたしは、思わず肌に手をやる


光源を振りかざして追い立てていたのは誰? 何?
垂直に垂直に萌え切った向日葵が
黒焦げになってまで凝 ....
忘れないで と
わたしに
言う

流れゆく雲が
信号の点滅が

風の匂いが
あなたが

忘れないで と
わたしに
言う

わたしも
ずっと思ってる  ....
3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます

ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
まずは輪郭線を消すことから始めよう
となりの色にぐっと近寄って
どこまでが目で
どこまでが鼻で
どこまでが口か
わからなくなってきたら
どこまでが自分で
どこまでがあなたか
わ ....
あの日も
この日も
眠たくて
午前三時になりますと
まんまるい
おやつの氷が溶けるので
風呂桶に蓋をして隠れます

水を入れられ逃げ出すと
薄目を開けたお日さまが
よっこらしょ ....





一際の赤

雲の陰さえ見えない
闇を
照らし切り裂き

妖艶


混濁する熱気
腐食する生気


終末の朱
懐中時計がチクタク
どこから来たのか
金剛石のクツワムシ
ガチャガチャと喧しい
ガラスのお城を建てた

お腹が空いたと
建てたばかりの
お城を囓る
ガチャガチャ囓って
あっという間 ....
三月から
止まったままの針さきを
ゆっくりとまわして合わせた
雨の朝に目を覚ませば
あなたは 
まだ


白くあわたつ
菫のような朝
からだにおさまらない もじ
柔らかな葉が ....
口紅がはがれた後のりんご飴 確信犯のうつくしいきみ


こんなにも渇いていたと知らされる 始めのひとくち貪る夕べ


日に焼かれ濃縮された僕達を還元しては味見する海


やわらか ....
クラッシュアイスが
しゃらしゃらと音立て
ストローとしばしの戯れ



タイムカードから解放された
一本目のタバコは息継ぎ



白い灰皿に
二本目の吸い殻を押しつけるころ ....
せみ時雨夏の心は風誘い
    剥き出しの肩陽に揺らぎゆく


通い合う心模様を重ねれば
    枕に添えるタオル直して


向日葵の風の音遥か陽に遊ぶ
    日 ....
過去からも未来からも見捨てられた記憶を
棚の何処にしまおうか迷って夢にする

どこからだろうと
どこまでだろうと
真っ青な背景で僕は君の夢を見る


それはしあわせで しあわせで しあ ....
あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
例えば、ゆるゆる喉を下る
ぬるい水、ひとかたまり
心臓を掠めそうで掠めない
何処にも、何も、満ちない


真昼を怠りたくて怠る身体では
空ろまで無気力な
ほら、 ....
まだ幻になるには早すぎる夏

したたる汗を拭きながら
影を引きずってみる

昼下がり
気がつけば青信号は点滅し
横断歩道は白くアスファルトを削っている

そしてゆらりと
行き過ぎる ....
君が隣にいなくなった 

という事で
分かりやすく
こころの真ん中に開いた穴

わたしの不器用な小指が
簡単に出入りするくらいの
せつない喪失感

まぶしい季節を
思い出せば ....
夕立が無色透明装って世界の色を塗りかえていく


夏草で作りし花冠捧げればいろどり添える幼い香り


真夏にしか開かない扉見つけ出す触角のばせ跳ねる子供ら


縁側で午睡のさなか風鈴 ....
言葉を交わせば交わすほど好きになっていく。 濃いブルーに浸食される
暗い水面に身を投げだすように
ひと呼吸おくれて
驚く
おいはぎにあう錯覚
むきだしになった敏感な部分に
そのブルーはささやく
睦言のよう

一筋の航跡は
雲 ....
あいつらの
最後のライブのDVDを
いまだに観ることができない

封も切らないまま
CDといっしょに
ラックに並んでいる

もう
とっくに終わってるってことは
知ってるけど

 ....
月が月こぶ月の憑き月浸かれ点きし月の輪突刺す月の眼



酒と詩と歌う口からごあいさつ草の上にも眠れ夜の獏



探すのかさすらうのかはこの樹にもたどる葉脈花弁の夏日
 ....
さようなら月の猫


あなたは猫が好きだった


猫のぬいぐるみ

猫のTシャツ

猫のマグネット

今でも大事にしてしているよ


あなたは今どうしているだろう

 ....
夢のように美しく 哀しい

きらめく空中ブランコ
この手に掴めたもの
掴めなかったもの

きらめく空中ブランコ
この春と夏とを彩った
ときめきを見送る

きらめく 宙を舞う肢体
 ....
いつだって取り分け用事はない手紙暑い夏ですお元気ですか


熱き息傍らに聞き盆送り今日の日の人毎日の君


にわか雨染み入る砂浜のごとくのどかに揺るる稲穂のごとく


便箋の印に沿い ....
最終日 あなたが好きと ひといきに 絶えず
変化しつづける
球の上を歩いている
感じ
大事だ

毎日
サンダルはかない
スニーカー
ニューバランス

バランスはとらない
揺れるままにしておく
今ご飯を食べていな ....
洗い場には
石鹸の代わりに豆腐があった
かじると
石鹸の味がした

食卓には
冷奴の代わりに石鹸があった
かじると
やはり石鹸の味がした

豆腐はすべて食べてしまったの
と言 ....
望月 ゆきさんのおすすめリスト(3220)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
笑う月と兎の耳の相関関係- 草野大悟自由詩5*05-8-21
すいか- たもつ自由詩20*05-8-21
八月の午後_スケルトン- 半知半能自由詩205-8-21
露骨な移ろい- A道化自由詩405-8-20
リミテッド- umineko自由詩6*05-8-20
ねじ式- クリ自由詩10*05-8-20
5限目は美術の時間- 牧村 空 ...自由詩5*05-8-20
眠る夏- あおば自由詩5*05-8-20
週末の星なき夜に- 紫音自由詩2*05-8-19
懐中時計- あおば自由詩405-8-19
三月の時計- はな 自由詩12*05-8-19
夏わずらい- ソマリ短歌13*05-8-19
ピアニシモ- 銀猫自由詩9*05-8-19
返歌集- 恋月 ぴ ...短歌6*05-8-19
夢違- 自由詩305-8-19
あまがえる- 白糸雅樹自由詩10*05-8-19
- A道化自由詩1205-8-19
陽炎- ベンジャ ...自由詩13*05-8-18
輪切り- なつ自由詩4*05-8-18
夏を濯ぐ- ソマリ短歌9*05-8-18
背中の熱- むくげ携帯写真+ ...405-8-18
青空と子宮- 大海自由詩205-8-18
LAST_DANCE- 大覚アキ ...自由詩405-8-18
過夏_掬いの水口- 漁夫の利短歌405-8-17
@8_月の猫- 貴水 水 ...自由詩305-8-17
サーカス- 塔野夏子自由詩11*05-8-17
消息の文- ヤギ短歌9*05-8-17
夏期講座で恋しました。- 小鳥遊儚俳句405-8-17
球の上を- 石川和広自由詩5*05-8-17
絹ごし- たもつ自由詩15+05-8-17

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