昨日は
君も僕も休みだった
二人で買い物にいって
お茶碗と箸を買ったね
僕が藍
君が紅
藍いお茶碗と箸
紅のお茶碗と箸
おそろいで兎の模様に ....
思い出す
最後の呼吸
は
吸っていた
良かった
まだ生きている
灯油ファンヒーターが音立てて
なっている
6時前の朝
どこかから風がもれてのだろうか
寒い まだカーテンは締め切きったままだ
からすがとおく ....
あなたは正しいことが好きですか
わたしは
キスの向こうにある風景をぼんやり知っている
それはやわらかで
さみしい
わたしはいつも探している
わたしは時々メールを打つ
返事がくれ ....
夜のレモン。
堤防の上で君と、レモンと
夜のレモン。
夜のレモンを齧る、少し寒くなってきた。
夜のレモン、なぜこんなにも、ごつごつと、緑色で、
死体のまぶたのような、ぶ厚い皮でおおわ ....
たぶんきみたぶんきみだと思うんだマリーゴールドみたいな空だ
ハート型に切り抜かれてるきみのむね猟銃くわえる真似をしてみる
きみのため蛍光灯を次々とつけてゆくからどんどん消しな
....
あなたからLCVEというものをもらった
なんですか
ときくと
かけちゃった
とあなたはにがわらいした
よくみるとそれはLOVEのOがかけているものだった
どおりであなたがさいきんかえり ....
カーブの仕方や
止り方が判らなければ
轍の上を転がっているほうがいい
自由とは自らを律する事
と言いながらも
また勢いよくひとつのワッカが
あらぬ方向に転がり出していくのを
羨望して ....
〔3月の風〕
風上に向い口を開ける
口の中を短い鼓動で回流する風は
粘膜を乾かすことをやめようとしない
〔幼少の頃、〕
「この子は他の子より唾液が多いみたいで」
母は決まっ ....
冬空の始まりは
少し疲れた
白い横顔
鳥にも雲にも光にも
他人行儀なそぶりで
けれど其処には
秋の最後の雨と
昇ったいくらかの
私も居るのだろう
その頬はふいと
....
覚悟が
さざめく朝陽のまえの胸のシメツケから
僕の喉元に
つきあげている
愛している
コンビニの尽きること無い、
子供の頃には
なかった
変な灯り
愛している
歩く ....
巨大な象に踏まれた早朝のグラウンドで
石灰で描かれた白いラインを挟んで
きみとぼく こんなに遠い
舞い上がる砂埃につつまれて
ほどけてゆく朝陽が
冷酷なやわらかさで広がってゆく
ここにきみ ....
少年は貧しかった
少年は淋しかった
少年は孤独だった
父も母もエイズだった
少年に稼ぎはなかった
食べるものも
着るものもなかった
少年に運命などとい ....
もともと何もないところへ
いれものを置いても
いれるものはないので
からっぽのまま
でもせめていれものを置こうと
必死に壁を破り
ドアをこじ開け
トンネルを掘る
そこになにかがあるのだ ....
きみにまた会ってしまったので
電線に止まった小鳥たちが見守る午後
長い髪に停止する空気たち
声はもちろん言葉みたいだけど
やぁやぁ、鋭い距離でぼくらスルー、そしてスルー、スルースルース ....
空は曇りだ
無名なロックを聴きながら
寝ぼけ眼で いちおうきょうの予定を立ててみる
天気予報が決め手になるのだ
ぼくは写真を撮りバイクにのるようになって ....
プリーズ Mr.ポストメン
運んでよ
春風みたいに
やさしいニュース
遠い北の牧場で
牛の奇病を看破した
若い獣医が命を絶った
彼女を
殺したのは 誰?
自分よりか弱きものが ....
祭りのごとく花を蒔き
塩を蒔き
くうとなき空飛ぶ鳥に
豆を蒔き米を蒔き
菓子を蒔き食うや食わずの
子らには餅を蒔き
子らは走りきて掴みあい
奪いあい
わらうか
視子は
....
溶け始める体
水にふやけたパルプの弱弱しさ
地に一番近い場所から
飲み込まれていくように
悲しみは解き放たれず
ペディキュアももう剥げてしまった
ひとつ、思い出 ....
娘よ
すまない
おまえが初めて空気を吸った時も
おまえが冷えた
つま先抱えて
泣いていた時も
25年間
父さん
おまえにとって
死んでいたのだろう
混んだデパートで ....
聞こえるでしょう?
海が泣いてる
朝が泣いてる
見えるでしょう?
木々が震えてる
夜が震えてる
うれしいのよ
ほら
こんなにも うれしい。
あなたが生まれて
みんな ....
楽し歌に狂いラッパをそえる
公園で
あなたわたし、
すれちがい、
やあひさしぶりと
云うには、北風に追われてわたしの信
折れようとする
もろい
もろい
ハーメルンの笛吹
....
たまに、
一番聞きたい事が
一番聞けない事だったりする。
たまに、
一番したい事が
一番出来ない事だったりする。
たまに、
一番大切な事が、
一番足りない物だったりする。
....
本当は誰もがアタシのコトなんかに興味がないこと位知ってる
どうでもいいんだ
本当は、誰のことも
たにんだから
ミニスカートにもぐり込んだ指とか
ブーツにかけた指とか
着信拒否した番 ....
寝逃げたい寝逃がして
寝て起きたら死んでて
海を見に来た
レモンイエローが眩しい
無数の砂に混ざる一つの割れた貝殻を海が抱く
破片となった貝殻も
またこの地球上のどこかで冒険を
波の音は小さいほうがいい
汗無き対話で安定を望 ....
交差点で白いす・うどんに呪いをかけている
たくさんのうどん屋の店主
ただひたすらに紙を排出する事務機器の前
笑いすぎて釣り合いがとれなくなった僕の右と左側は
吸い込まれていく 具の ....
私の小指は、
外側にすこし反れている。
あなたの小指は、
内側にすこし反れている。
くっつけると
ピタッとはまる。
私たちは
照れて笑う。
それぞれの じんせいには
そのとき きもちにさいた はなを
そだてて ゆくときが あるのだろう
ひつぜんでも ぐうぜんでも
ただ そこにある かんどうが
ぼくらを つきうごかして ....
こうこう みお とぎり
かけ め まゆ しぶき
こくうり くち つむり
ほされる ゆび のさき
きりなみ ほほ さすり
もえいる くさ わだち
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