くちばしで穴をあけ幹に棲みます私そのように君に棲みます



熱病に抗えぬまま君に手をのばす殉職への序章(プレリュード)



なにひとつ約束はない 安定の利いたシャツを剥ぎからまる逢 ....
また春の風が
額を過ぎた
ふっと
潮の匂いがした
ような気がする


{引用=なつかしい声}

振り向くと
海がそこまで迫る
海は光る
反射して鏡のように


指を浸すと ....
 人や物を分類し整理する。そして種類ごとに区分けし箱詰めして、市場に出荷する。人は様々な異なるものたちであふれるこの猥雑な世界を、そうやって分類してきた。そうしないと、世界を捉えることが出来ない。人が .... 耕うん機の音がします
つくしんぼうの声がします
土が目を覚まします


春は大きな朝みたいです
田畑を耕す音は
早起きするための
目覚まし時計です







{引用 ....
しめやかな午前 /

温まらないエンジン
背負い込んで
缶コーヒー中毒者の
重い足取り

煮え切らないナビ
ぶら下げて
揮発しそうな生活者の
白い排気ガス

走れ
せめて ....
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
投げ捨てた果実の種が
ことごとく芽吹いて巨樹となり
大地を引き裂いて
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
はらわた ....
 

目の見えない猫に
少年が絵本を
読み聞かせている

まだ字はわからないけれど
絵から想像した言葉で
ただたどしく
読み聞かせている
 
猫は黙って
耳を傾けている
少年 ....
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく

あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
 
 
なんちゃってグミかんで
なんちゃって空ながめてる
俺の手は乾いた床を拭いているから
床のかたまりを拭いているから
俺から離れようとしない
困ったもんだぜ
俺はすっかり歯槽膿漏で ....
 
 
生き方の不器用な父がひとりヴァージンロードを駆け抜けていく
 
 
ベッドで遭難などしないように君のいびきを道しるべにする
 
 
ウソツキとキツツキの違いを述べよ、この戦争が ....
 
自分に疑問を生んだ時
 
遠い記憶の波が
涙をさらっていく
なつかしむように
 
 現在
 
の私を被せて
頭の中はひたすら
ちく たく
 
白い霧をすすむ
 
 
 ....
指先に載るほどの大きさの過去を
テーブルの上に置いて目を
閉じたら 重い
液体の粒が眼窩と眼球の隙間に
散乱した
そのとき夢で見た雪深い森の中を
毛の長い野良犬が歩いているのではないかと
 ....
川上未映子さんが受賞した今年の中原中也賞の候補だった
小川三郎さんの詩集、『流砂による終身刑』の詩を読むと、自分の理解している世界の見え方に、りんごの切り口のような割れ目が見つかります。

短い ....
 詩が、思いから生まれること、その思いがことばとしてあるところに、詩というものがあることをもう一度考えたい。

 思いとは、広い意味での、人の内面と捉えておきたい。偶然、手にちからがこもった、と ....
 
妻の笑い声で目が覚めた
夢の中でも笑いたかったのか
夢の中でしか笑えなかったのか
出会った頃のように
無邪気な声だった
揺すっても起きる気配もなく
いずれにせよ
生まれ育った故郷か ....
 
母とふたり
二両編成の列車に乗った
並んで座った
心地よい揺れに眠くなったところで
降りるように促された
小さな駅舎を出ると
一面のキリン畑だった
みな太陽の方を向いて
長い ....
 
まだ顔を知らない
姉からの手紙が届く
意識だけの

わたしはまだ
返事が書けない
体を持たないから

真夜中
母に触れたがる
父を感じる
わたしの命のはじまり

いくつ ....
濡れる、まぶたにおいては
10年前のささやかな嘘だって
すこやかに息づいているのだ

腫れている、のどの奥のほうでは
君に贈りそこねてた嘘が
あばれて、あばれて、夜も眠れません

指輪 ....
 
 
エレベーターが
捨てられていた
たくさんの
手向けの花を積んで
 
吹いている風には
少年の掌のように
静かな水分が含まれている
 
花を一輪
もらって帰り
小瓶に活 ....
従事する仕事をかみしめる
とても落とされそうな現実だった けれど
指にされそうな夜の中 
明日を まさぐる瞳に探している 

なぞる指のラインを流れ
自分自身となり 他人を切ると
ベルリ ....
繋がって
また
諦めた
歯がゆさで
ワンマン電車が走っていく

わたしの
肯定を知りたい

たくさんの競争心を
おぼえたふりをしていたらしい
甘やかされている時間にはふと
だれ ....
知っている
自分のことは知っている
自分のことは知っている知っている誰も
知らないがドアに知っている
誰も知らない皿に箸に
自分のことは知っている知っている
誰にも知っているテレビのこ ....
物語を失ったとあなたがいい

足を組んだ瞬間に春色のスカートの裾が膝のうえまで捲くれ
気づくまでの17分間

『夜のシャボン玉をすべて打ち落とすには
鳩が3万羽必要よ、きっと

あなた ....
沈丁花の、
高音域の匂いがした

夜半から降り出した雨に
気づくものはなく
ひたひたと地面に染み
羊水となって桜を産む

  きっと
  そこには寂しい幽霊がいる

咲いてしまっ ....
  静か。



  過去、いくつもの過去が来て
  未来、いくつもの未来が来て
  いまきみに重なる。



  ぼくは息をのむ。



  西日に映えて、
  ....
トンネルを行く蝶もあり 坂の春

夏の蝶を映さぬ流れ 石を放る

蝶乾く 風来る街の曲がり角

闇の形 動かぬ冬の蝶を食らう
 
 
象といっしょに
列車を待ってる
朝からの温かな風が
服の繊維をすり抜けて
僕のところにも届く
こうして春になっていくんだね
明日はまた寒くなって
雪が降るそうだ

昔、象 ....
 
 
掌で階段を育てた
せっかく育てているのだから上ろうとすると
いつもそれは下り階段になってしまって
悲しい人のように下の方を見ていた
その隣を弟は快活に上っていって
一番上まで行く ....
  まぶしい日が終わると
  遠くの唄はきこえない



  窓を閉じて
  あの悲しみから距離をおく
  ゆるされた時はどれほどの厚みだろう



  どうか今日は
 ....
がれきのしゃしん は いつみても いい
しょうせつみたい に はしからはしまで よまなくても 
いっしゅんのうち に あらすじ が わかる
わかってしまいたくはない のに
め を はなすことが ....
望月 ゆきさんのおすすめリスト(3220)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ヒート- 石畑由紀 ...短歌5*09-4-2
海へ- 石瀬琳々自由詩19*09-4-2
分類される、箱詰めされる、そして僕等の元に届く。- 岡部淳太 ...散文(批評 ...1109-3-31
春の機械- 小原あき自由詩8*09-3-30
AM_/_PM- nonya自由詩17*09-3-28
星型の住宅- 片野晃司自由詩26*09-3-28
絵本- たもつ自由詩3009-3-25
春乱- 佐野権太自由詩25*09-3-20
なんちゃって- たもつ自由詩909-3-19
うそつきでいいから- たもつ短歌709-3-18
迷った先に- 琥霙ふう ...自由詩1*09-3-18
思い出- noman自由詩609-3-18
自分を見つけてしまう色分けされた世界_書評『流砂による終身刑 ...- イダヅカ ...散文(批評 ...8*09-3-18
そのまんまのことば- 白井明大散文(批評 ...5*09-3-17
朝方- たもつ自由詩909-3-17
水の記憶- たもつ自由詩1609-3-16
意識の手紙- 小川 葉自由詩509-3-14
瑞々しい嘘- なつ自由詩409-3-14
瑞々しい嘘- たもつ自由詩8*09-3-12
農村で気化され- K.SATO自由詩2*09-3-10
黒潮鉄道- 伊月りさ自由詩35*09-3-9
へや- K.SATO自由詩109-3-9
(無題)- キキ自由詩709-3-8
さびしい幽霊- 銀猫自由詩24*09-3-5
夕凪- 草野春心自由詩409-3-5
蝶_四題- オイタル俳句1*09-3-4
はるまち- たもつ自由詩2709-3-3
冷え性- たもつ自由詩809-3-2
明かり- 草野春心自由詩209-3-2
がれきの工作_Ⅱ- 《81》 ...自由詩13*09-3-1

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