目がさめると
世界は半透明だった


そうか、ゆうべ 
基地をつくったのだ
求めていた体温に
ほどちかいぬるさと
液体でも固体でもない感覚の
その場所で
眠ることは
ひどく ここ ....
朝になると
静かにそれを繰り返す屋根の波を
勝手に世界と呼んでいた
語る言葉はどこかに置き忘れて
少し笑う背中で世界に潜り込んでいく

息を吸えば吸うほど
体は軽くなっていくはずで
両 ....
    女


愛しいあなたを抱きたくて
透明から青
青から碧へ
変色する
この静かな淀みの池で
禊(ミソギ) する


今夜の月は丸いから
お前、美しい女になるのでしょう ....
他人に優しいって事は
自分にも優しいって事かな
君に優しい顔を見せるたびに
僕は自ら犯した罪を
古いものから順に消し込む



過去に犯した罪を贖う為に
君の気侭な振る舞いにも優しさ ....
みじめなツラの皮を 風が愛撫する
杉木立を大きく揺り動かし
飛び去る風


信じられない、でしょう
昔と違うでしょう
だれも私を私と気づかないほど
年月を重ね
まぶしくなんて 笑えな ....
折れてはじけた針の先
小さく鋭い小さな痛み


難しい言葉なんてほしくない


せめて 恋の証として
ただ一つ残された瞬間の
君の末梢を

いつでも
思い出せるように
「たぶん、もうすぐ雨が降る。」/ かおり


 たぶん。
 たぶん、もうすぐ雨が降る。
 重たいグレイの空
 湿った空気
 ぼやけて見える隣の町の赤色灯。

 煙草の煙も
 な ....
ほつれ湧き出る緑の影
ふいに生まれ溺れるもの
双つの空と迷いの木々
巡りかがやく枝と枝
無数の緑のなかの一葉


空に立つ空
こがねの樹
波打ちながら遠去かる陽
金は緑 ....
あなたに手紙を書こうとして
ペンにインクが無いのです
グルグルしても
何も出て来ないのです
まるで
私たちのように
グルグル回って何も見えないのです

私の手のひらにあるこの金属のカタ ....
咲き残る
幾重もの紅き花片は
誰人かに
散ることを留め置かれた

木枯らしに晒されて
「私はもう疲れたの」と

通りすがる男達に
哀しい微笑を投げかける
死んだネコを抱いてまちを歩いた

ひっく

具合の悪いかげたちがのびたりちぢんだりを繰り返している


ひっく

おりの中のサルたちとその腕が地面から離れていく

水槽の中のイソ ....
宵の衣の澄む空に
水を含んだ
  月浮かぶ
果てを映したせせらぎに
火照る裸体を浸します
夢に染まった
  つめたさが
しずかに狂って微笑した
(すわ)
終りにそなえて 花が咲く
日が昇って
息を延長してとどきそうな空は
その端を薄ピンク色にふるわせ
面倒を散らかしたまま押しやってしまう

力の限り力を抜いて
今日だか明日だかわからない日の午後から ....
こぼれる 刃
渡った眼 閉じる
光の ぬかるみに

紡いで 望む両手
つかえる やぐら
踏み 登りつめ

土鬼の から腹
澄んだ 眩暈
刈り取られる風

香り
塞いだ灯の 
 ....
夢みたものは 何でしょう

呼びかけたのは 私だ と?
いいえそれは きっと気のせい

知らない小路に
迷い込んだの?

あやしい影が見えかくれしています
怖いのなら
ついて来ては ....
月は満ちる
音もなく

この光に
この暖かな光に
何度君を思い返し
何度願っただろう


月が欠ける
忍び寄る闇に覆われていく

その闇に
この暗い闇に
何度絶望を知り
 ....
そのひとは
ひっそりと
木漏れ日の中にいた

何かおこりそうな空だこと。
そういえば、このあいだの鳥は、
どうしたかしら。
陽にひらめいて、
虹を食べて、
七色になって、
空へと消 ....
アルマジロは存外、臆病です。

こっちが遠くにいると

やけにたくましいふりをして

立ち上がったりするくせに

こっちが近づくと

慌てて丸まって

固い背中ばかり目立ちます ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく

私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
最後の赤を脱ぎ捨てた
紅葉の合間から冬の声が届くと

過ぎた年月は
あどけない写真に
痛々しく画鋲の痕をつけながら
かなしみを、ときめきを、
なつかしさのオブラートに包み込む


 ....
お尻から生えてた
あげたてのコロッケみたいないろの
太いしっぽを
あわてて隠しました。

あのひとが明日来るってさ。

油断して
わたし
ババシャツで毎晩寝てました。

かみの毛 ....
ゆうるりと朝が来る
顔の群れは消えてゆく
ゆうるりがゆうるりと
いくつかのゆうるりを摘み取って吸い
ゆうるりと朝に満ちてゆく


波の光を背にして座り
髪は音にひたされてゆ ....
黒髪の視線が伸びてゆき


瞳が羽化をすれば


艶やかに空を含み


風と交わる
擦り切れたブランケットを放せない子供みたいね 君依存症


ねぇわたし、あの娘がしているマフラーが欲しいの。はやく盗ってちょうだい


陽だまりのように私をなだめてよ パールなんか ....
朝の
冬の
わたしだけの酸素分子が
冷たく、サラサラと
肺に触れてくれわたしは
震えました


少しの日のぬくさにも圧され
再び惰眠の目つきで
食卓に傾斜してゆく
 ....
風の筆で残す暗号は
地図のため息と
おたがいの足跡をかくして
いつも同じかたちに戻ろうとします

その度に行方は
なぎさに吹き寄せられて
波に、雨に、さらに細かく
見失ってしまい

 ....
つめたい予兆
つきぬけた青
零落した透明がふきぬけて
静寂の時が閃いた

冴えた旋律ふりそそぎ
ふるえる細胞 光を放つ

はてしない星の覚醒
あたたかい血の記憶
染まるための レッ ....
彩るうたを{ルビ口遊=くちずさ}む

こんな命があるかしら
{ルビ水=み}の{ルビ面=も}に蝶が浮いている
ちらともせずに浮いている

こんな命があるかしら
あすを知りえず浮いている
 ....
ピュウピュウ北風吹けば
寒くて唇が乾くので
つい唇を舐めてしまう
舐めるうちにカサカサになって
赤く腫れ上がった
僕のたらこ


リップクリームを塗ったら
気にしないのが一番
だけ ....
流浪と流離いの間に 続き行く路の果て  呼び覚ました記憶  遠い目で辿れば
果てしなく届く想い 何処へと誘うのか  憧れの空高く    遥か彼方の旅路
すれ違い行く人々は 流れ着く場所を求め 今日 ....
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