いちばんふしあわせで
かなしい場所を知っているかい
それは穢れも痛みもない
世界だよとあなた
岩清水のようにうつくしく笑った


透明の
ほかには
なにもない世界
てりつく光が
 ....
待合室には
女の子を連れた母親と
少し離れたところに
人の良さそうなおばあさんが
座っていた

熱のせいでボゥッとなった私の目も耳も
何も見ようとも聞こうともしていなかった

「お子 ....
そら
 そう
  ほら
   みて
  ここ
 そこ
むこう
 ぜんぶ
  ぼくに
   とって
    ふかく
  やさ ....
  あなた、アオウミガメの背中を
  匂ったことはあって?



少女は
さして、答えを求めるふうでもなく
空と海の継ぎめを見つめたまま
潮風にふくらんだ髪を
そっと抑える


 ....
虫は
しゃくとり虫は
進もうとする頭部と
残されてしまう尾部とを
しっかりと引き連れて進んでいく

木の生長よりも早く
葉脈の先にたどり着いたあとに
なお宙空に伸びようとしたが
 ....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
そりゃあきれいでサラサラのボウズさ
プールからあがって
シャワーを浴びたばかりの

音も殺して近づくんだもの
それで顔にティッシュ乗っけて逃げてくから

なんともはや、

すごいでか ....
ギラギラの太陽と茹だるような暑さのもと
癇癪を起こしたような蝉の声を聞きながら
ホワイトクリスマスの事を考えるのは無理があるかも
波をけたててトナカイの代わりにサーフィンに乗って
アロハのサン ....
濡れている地面を
数を数えながら一歩ずつはじいていく
はじくたびに足の裏がわから波紋がでてくる
地上という大きなかがみの湖にどこまでもひろがっていくどこまでも


やるかやられるかみたいな ....
海という隙間で息も絶えだえに
船がただひとつ進めない方角があり
羅針盤の鏡にこうして映すと
宇宙も空も無くなる時間なのに鏡は
越えられない境界線を示すだけなのです

宇宙に似た深い暗闇を
 ....
水面にゆがむ月よ
滑らかならぬ蒼白い顔は
私を待っていたのでしょうか
それとも見送ってくれるのでしょうか

足を止めると
あなたはきらりと
涙を放ったように見えましたが
驕りだったよう ....
眠れぬ夜が
大きな口をあけ
数珠繋ぎの言霊を
ひとつ食み
またひとつ食み
私をおいて
月の光ばかりが蒼白く
           強くなる

溢れた涙を
瞳に返せはしないけれど ....
三日月を食べた夜は
騒騒と 潮騒が耳鳴りのようで
蹲る僕を灰色の目が見ていた

薄暗い闇の中で浅い海を畏れていた

三日月を呑み込んだまま
灯台の灯りを見続けていたけど
胃の中で、光が ....
雲しうみへ
おそいひるのひ
おちていくかけ
ひと
めしあげないで



干しのさなかに
えりのひかりに
しすた
えんじん
むし、き



命めくこと
ろめんにかせ ....
夜を乗り越える呪文
古いノートの落書きから思い出す
詠み方を忘れた大人には
雑踏に落ちている足音に似て
あどけなく残酷な

季節を乗り越える呪文
変色した写真の束から探し出す
今日しか ....
密集した小さな穴々から、予覚された円柱へと、いくつもの湯の筋が地の粗い曲線を描きこむ。湯の筋に閉じ込められた空間は火のゆらぎをきざしているが、私の体によって、様々な輝度から破壊される。この瞬間にも、時 .... 「こんばんは、お久しぶりね」
聞き覚えのある声に振り返ると
おんながひとり乗っている
「今日ぐらい早く帰ってきてね」と
妻にせがまれたのに残業を強いられた
可愛いひとり娘の誕生日だっていうの ....
ガソリンが 値上がりし続け
保険の お得な前納システムにさえ
不安で 躊躇してしまう
変動したら 上乗せして払うのか

道路工事で 渋滞の通勤道路
わずか数十メートルの道を整えるため
 ....
夏の
体の
着衣のまわりくどさを
一枚、一枚、可愛がるように
指でしか剥ぎ取れぬ熱を
一枚ずつ剥ぎ取ってきました


あ、
そういえば、
非常階 ....
彼は混ぜるな危険と言う注意書きを無視して
オレンジジュースと牛乳を混ぜた結果
真夜中にオオアリクイがやってきて
耳の穴から脳みそブチュルブチュルされて
あっと言う間に死んじゃいました

粉 ....
(でっかいのが、死んだ。)

風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
やがて
夕闇に閉ざされる海の
光る航跡を追いかけて

白い波間に漂う一人ぼっち
私の貝殻は声もなく
最近、雨が降ってばっかりなので憂鬱でしたが、今日は結構良い事があって嬉しかったのでここで、ひそかに綴っておこう。たまには雨にも打たれるべきです。

今日、仕事からの帰り、いきなりもの凄い豪雨が ....
1. 

もわもわ
と、ふくれあがる嫉妬心
あなたが遠くをみつめるその先に
見えるはずのない影を見ては
心に広がる黒い雲


2.

クルクル
と、まわる私の猜疑心
ゆう ....
わたし疑われています
あのひとがとても大切にしている
ミニカーがどうしても一台足らないと
夜毎わたしを問い詰めては
狂ったように折檻を繰返すのです
わたし紅薔薇婦人じゃないのに
緋色のロー ....
 二〇時二四分
 摂氏二二度
 じき戻る家族のために野菜を切る手を ふと
 止める

 来ているのが分かる      壁を隔てて
 すぐ後ろに
 ずっと向こうに


   (月も ....
わたしの手に
あなたの手が住み
眠り、少し起きて動くと
くすぐったいものが
わたしの中に届く

汗をかいて
わたしもうっすらと汗をかいている
守らなければならないのは
こんなに小 ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽


まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年


肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき


花火あがる綿菓 ....
 花つき言葉   −もとこへ−


一周年の祝いに
なにか書いてみせようと思ったが
気負いのせいかどうもうまく書けず
かといって最初の年に
なんにもなしでは済まないぞと思い
月並みだが ....
あなたが、水かさを増す

「では、また 」
と 言って
あなたが身を反らして
木立から、わたしから
離れていった
その刹那から

あなたが、視界でいっぱいになる

あなたが、
 ....
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