白い決して真っ直ぐではない雲が
ビルを突き抜けて
赤いゆるゆるとした涙が

いつのまにか夕暮れ



人が叫ぶ

君のことが好きさ!                    なんて、 ....
月のしずく
やどる草陰

いともたやすく
朝陽にとける

心ころころ
恋心にも似て

儚きものこそ
うつくしく

しばし留めん
愛しきすがた
その日の夕方
妻は花束を抱えて帰ってきた
赤 青 黄 白
色とりどりの花の群れ
寝室の棚の上に花瓶を置いて
妻は花をその中に挿した
赤 青 黄 白
色とりどりの花の群れ
部屋の中は美し ....
梅雨が明ける
青空の隙間から熱い風が吹く
素足を焼けた砂に投げ出せば
背中や肩や胸元に焼きついた記憶と
砂塵とともに行方を知らせない記憶たちが
行き来する
だから
こうやってここで
生 ....
 風景だけが投げ出され
 約束だけが投げ出され
 虫の音だけが湿っぽく
 すごした風景を箱庭に
 閉じ込める


もう春、 桜は見ない
もう影、 五月雨を待たない
もう夜、 日光の鏡 ....
君と出会ってからは

おいしい焼き餅の焼き方ばかりを

覚えてしまった
 
 

{引用=相手に気付かれるか気付かれないかの処で 妬く
それが おいしい妬き餅の妬き方}
スーパーを出たら突然の青い雨
夕立が行き過ぎるまでと
僕は煙草をふかして
隣では君がまたあの話をしていて
少しだけ尾ひれが付いていた

泳ぎ出しそうだ

街中が青く青く染まって
話を ....
深くは考えてなかったけど
この世は限りあるものばかり
水も空も
花も星も
今のあなたも私も
きっとすべてが
器にある限られたもの


限りないものといえば
ただひとつ
証明は ....
あ、                                                                              真ん中 空いちゃった。 胸の小さな鉄板を
裏返しにして
お互いにハンダ付けした

ここはホホエミランドリィ
ミンクのファー投げ込んだ
信号が青になる方へ歩けば
たどり着く場所

30分前、鎮痛剤ぶち込ん ....
ココアを買いに行った。
振り返ったら
テーブルに 彼が座ってた。
ぼーっとどこかを見て
考え事してるひとりの彼は
普通の男の人だった。
たまたま休みだから
外に食べに寄っただけの
お客 ....
なつのそら


そろそろ
 そろそろこうたいなのだけど
 まだ空は青く、たかく、しろいくもがはえている

あついくうき
すずむしのなきごえ
バッタがとぶ

 ざるのうえにはミニト ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく


芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
まるで他人行儀な
挨拶で書き始めたのは
あなたの選んだ便箋が
何だか照れ臭く
上目遣いにさせたから



感情を露にせずとも
温かな文となるようしたためたい



そんな課題 ....
深海に響くサイレン 旋律のようなうねりはやがて波へと


呼吸ひとつ躊躇うほどの静寂に抱かれて眠る幼い嵐


海水に混ざれぬ雨が沈みゆく マリン・スノーの一粒として


なにもかも蒼 ....
色のない朝に目を覚まし
音のない世界におはようをいう
返事がかえってくるのもまたずに
わたしはせっけんをあわだてる

すずめとくるまに声を与え
カーテンと食卓に色をつけた
なにも書かれて ....
しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて

やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
 ....
おかえりなさい、が あったのだよ

ひらけば其処に
おかえりなさい、が あったのだよ


そとから帰って
よごれた手も洗わずに

とってもとっても
温かかったのだよ

 ....
ブギウギゆうたら
笠置シズ子しか思い浮かばへん
なにはなくとも 買い物ブギ
アレが白眉や サイコーや
ホンマもんのブギやらブギウギやらいうのは
なんやよう知らんけど
アメリカの黒人の人らが ....
夜の底で つながる人と
朝の{ルビ水面=みなも}で すれ違う人と


誰も見上げない空を{ルビ航=わた}る
柔らかい月の
温度は 少しずつ
上がっていくのでしょう
忘れられないほどに
 ....
花瓶に茎を挿してこころ病む

病院で病が白くなっていく

触手とりわけ長くひとのふり難しく

森に棲む古老のビーズコレクション

平面になりたくて三面鏡に向かう

手のひらの水滴「 ....
あなたが降らせた雨 傘をもってきてくれるかな
あなたが降らせた雨 ちっとも嫌じゃない
あなたが降らせた雨 わたしの涙にきづきはしない
あなたが降らせた雨 合わない歩調に舌打ちを

傘をのこし ....
{ルビ錘=つむ}ではなく{ルビ罪=つみ}刺さりし王女

ツェツェ蠅のベルゼブブの興奮した口吻
忘れて 吸われて
導眠の 粉落とす砂男
ヒュプノスとモルフェウスの拮抗
色の呪い は熱い氷
 ....
その美意識の中では美しいとされているのか
目のない魚たちは見たことのない光など求めない
もしかしたら、その静寂は、ほんのひとかけらで
そのかけらさえ理解できない未来は過去になっていく
このまま ....
「ここから飛び降りるって言ったらどうする?」
「やれやれ。気まぐれなお姫さまだ」
「なによ、その棒読みのセリフは」
「感情がこもっていないんだよ」
「あのねー」
 
 
 屋上、 ....
単純にいえば
どこまでも言葉なんだ

言葉は嘘で出来ている
嘘でしかいえないほんとうがある
そんで言葉がでなくなるような
舌が癌で侵されている妄想に何年も悩んだ

私も言葉で
いつも ....
むかしがありました
むかしはいつまでも待っておりました
風は砂時計のように
失ったものをひっくり返し
また失いはじめるのでした

たった一本の
傾いた光の下で
自分を整理整頓したりする ....
ときどき
取られたような気持ちになって
「わたしを返して」

思う
または
「わたしを帰して」
かな
机が坂を滑り落ちる
その形状を保ちながら
机が坂を滑り落ちていく
誰に目視されることもなく
他に滑り落ちるもののない坂を
机が机として滑り落ちていくのだ
ああ素晴らしき滑走!
け ....
最近 君は笑ってくれないね。

笑っていても どこか作り笑顔で・・・

そんな君を見てると 痛々しくて・・


「もう会わなくてもいいよ?」


そんなことを 言ってしまう
 ....
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