あれから
いくつ春を
数えたかしら
わたしの中に眠るあなたは
春ごとに目覚める


黒と白の斑尾模様の猫が
出迎えてくれた細い路地
人の気配が消え
静まり返った石畳
入り組んだ奥 ....
ゆっくりと雪は溶けていくのだから
膝を抱えて待っていればいいんだよ
君のこぼした涙は墨の味がしたんだ
あの黒い雨のような黒い枝のような
君は何か悲しかったんだろうか心が
だから涙を沢山沢山こ ....
音を立ててブナの木は水を吸い上げる。
地下の滝は光を求めて上昇する。
森は暗く木々はみどり。
凡庸な言葉が指をすりぬける。

緻密な理論はブナの木に関わりがない。
ブナはただ立っ ....
いつも電車の中から眺めていた
いちめんの菜の花畑
あこがれは日々つのって
あの黄色に身をうずめたい
私の何かが変わる予感がするから

電車は目的地まで
定めのままに運んでくれる
 ....
音もたてずに
せっせせっせと降る雪は
障子にカサカサとあたっては散る

世界が埋もれてしまうほど
積もった雪は
薄桃色の明かりを放って
夜半には
ぴたりとやんだ

あんまり積もった ....
知らぬまに歩き始めた恋心
   おんもに出してとみいちゃんが言う



開花予想なんか気にせず咲きなさい染井吉野も河津桜も

駿府城見上げる街に銀座の柳、本家の柳も青く色づけ

おっ ....
枠に閉じたら 絵だと
逆らわなかった息づき

飛べたものが 石の中
墜落もできずに

鎮火を待つ間
まだ 蝶でいる







 
 あたしは射精が好き。
射精は、どこか現実味を帯びていなく、
傍観できる、
あの白い液体は、
現実と妄想の産物。

人間として、感覚的に現実味が帯びる時は、
ティッシュの山、味だったりす ....
目を閉じると
ざわざわとした瞼の光がある
生き死にとは関わりのない所で
夜に終わっている

大変な引力で
言葉が土に還っていく
無音とはそういったもので
雪でも降ったりするんだろうか
 ....
窓硝子を挟んで
浅い春は霧雨に点在し
わたしに少しずつ朝が流れ込む

昨夜見た夢を
思い出そうと
胸を凝らしたら
微かに風景が揺れた

なかば迷子の眼で
周りを見渡 ....
朝の窓へ起き上がればいつも
眠りと夢の、仄明るいマーブルが
窓形の光に飲み込まれて、消える
その途端、光の中を雨のように下降する黒髪と
閉じたまま濡れてゆく傘の内側のように黙った胸 ....
あなたを殺し終えた朝
太陽は眩しくて
そして雲は白かった
空は本当の色を取り戻し
空気はただの透明だった

私の目はそれらを映し
私の口は空気を飲み込む
やがて排出された ....
白い薬、白い薬
飲むと皆が幸せになる

僕は彼女に、彼女は僕に
二人で口を交わしながら
一緒に飲む

世界中の人が
その儀式を毎日のように行って
みんながみんな幸せにな ....
冬になったら
彼が凍ってしまって
まるきり目を覚まさなくなったもんだから
やさしく体を開いてあげたら
ふたつあるうちの腎臓の
ひとつが石化してしまっていた
両手で上手に取り出し ....
いつの間にか骨が凍っていたから
熱っぽいあなたの言葉で
解凍された体液が流れ出る
うっとりとするひとときが過ぎたら
肉が痛んだ
焦がれるほどに泣けるほどに
肉に刻みつけたいと望んだのは私で ....
{引用=
【悪魔の証明】あくまのしょうめい
「ない」ことを証明するというだけのとても簡単で難しいこと}


空白く(あれ)僕がいるはずだった夏のブラジルゆきのひこうき


ビートルズゴ ....
ひらがなって、やさしい。
かわいい。
おつきさまとか、ことりさんとか、
みんなわらってて、たのしい。

ひらがなって、ざんこく。
こわい。
てんしがね、ぼくを、さしころすの。
ゆがんだ ....
猫の鈴が暗い緑を揺らす
さわりのない ぺたんこの靴と
長くて白い靴下

じゃんけんで負けたように肩を落としていましょう
まだ 存じません
鳴るかも知れません

唇をつきだして
ふふふ ....
まんっまるの満月だ


夜でもあったかいもう

はある

あはは

さくら
あっちのお山の
桜は咲いたかな
ちらほら
ぶわあって
ねえ
ねえねえ
さあねえ

海 ....
今オバァちゃんが食べ残した
お頭付きの鯛が天に昇っていきます
片身が無いので泳ぐ事も侭ならず
さりとて
昇っていくには
残った片身が重過ぎて
潤んだ瞳を
ますます潤ませ
静かに ....
せとものが 乾いていく
洗った水を流す
手のとどかない
光源からのぬくもり

雇われたわけでもなく
息を 野に延ばす

図の中にいる血脈
末端を一巡り鼓動

いつか影を潰し
完 ....
シーラカンス
君なんてちっとも不思議じゃない
何億年なんて
君が生きてきたわけじゃない

連綿と続いてきたことをいうなら
私だって同じくらい古い
姿かえようと体制かえようと
生き物たち ....
洗濯機に自分でパンツ入れないでそのあったかさ確かめてから


蜂蜜の垂れるすがたはエロチックなんてくびれの辺りで思う


靴べらからドアが閉まってしまうまで何度私を見るか数えてる
 ....
俺の片目は何時も赤いけれど
何故か知ってるかい?
兎みたいに
寂しいと死んじゃうんだ
知ってたかい?
と言うと

君は心底可笑しそうに笑って
それじゃあ
鏡の中に映るあなた ....
凍えてしまえば
つもるものに
かけられる冷気にも
なれてしまって

記憶をなくしていくことだけが
自分へのやさしさ

ぬくもりにさえ 気を許さなければ
白い唇のまま 冬に 終えたのに ....
そうだ
そう云うと彼女は乳房に埋もれていた私を引き剥がし
ピシャッと
私の目の前でテトラポットから飛び降りたのだ

海の中で泡になってしまった彼女にかける言葉を持たない私は
恐ろしい疑念や ....
この地球上でなにかしら食べて生きている動物はみんなうんこをするんだと思う。
しないと、永遠に増量し続けることになるだろうから。。。
(入れるだけ入れて、ちっとも出さないなんて欲張りはいけ ....
したんです
最近日々が
不真面目で
申し訳ない

のぐそ
したんです
僕の住む街から
工房のある隣の港町まで
海沿いを
くねくね
うねうね
モンテ・ウリアという ....
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った

えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
いぇね、たぶん無いと思うんだよね。
生きてるとは思えないからさ。
もし、生きてるなら、水洗トイレでジャァーっと流されて黙ってるはずが無いと思うんだよ。
それでも、こう「意思はある ....
PULL.さんのおすすめリスト(3363)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春ごとに沈殿する- LEO自由詩27*07-3-23
待っていた- ふるる自由詩17*07-3-22
森は暗く木々はみどり。- 佐々宝砂自由詩807-3-19
菜の花畑- 九谷夏紀自由詩907-3-17
- 蒼木りん未詩・独白407-3-15
春の命令- 佐々宝砂短歌607-3-15
古蝶石唄- 砂木自由詩17*07-3-14
_射精- つぐこ自由詩1307-3-14
その街/知られざる- 石田 圭 ...自由詩4207-3-12
朝の名前- 銀猫自由詩37+*07-3-12
マーブルが、消える- A道化自由詩1407-3-12
あなたを殺した朝に- なかがわ ...自由詩1*07-3-12
白い薬- なかがわ ...自由詩2*07-3-12
彼の腎臓の秘密- 吉田ぐん ...自由詩1407-3-11
凍った骨- 九谷夏紀自由詩4*07-3-11
悪魔の証明- ピッピ短歌1207-3-8
ひらがな- RIKU自由詩3*07-3-8
月の下のお話- 砂木自由詩9*07-3-7
兎と桜と満月と- ふるる自由詩15*07-3-6
天に昇れば- 川口 掌自由詩19*07-3-4
化石源- 砂木自由詩12*07-3-4
草原のラティメリア- 小池房枝自由詩14*07-2-28
えっち- さち短歌17*07-2-28
青、紫、明け方の、匂い- 虹村 凌自由詩9*07-2-27
白い林檎の歌_返歌(芙雨様へ)- 砂木自由詩14*07-2-27
と、彼女は言葉を継いだ- 虹村 凌自由詩4*07-2-21
その②「その主を探せ!・・るのか?」- さち散文(批評 ...3*07-2-18
のぐそ- 水在らあ ...自由詩13*07-2-18
えむさんの草原- たもつ自由詩3707-2-17
その①「うんこに意思はあるのか」- さち散文(批評 ...8*07-2-16

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