夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
 ....
忘れないで と
わたしに
言う

流れゆく雲が
信号の点滅が

風の匂いが
あなたが

忘れないで と
わたしに
言う

わたしも
ずっと思ってる  ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
 甲府の観光案内所に置かれているチラシのなかにその絵はあった。沖縄風の少年とも少女ともつかぬ顔立ちの美しい横向きの人物像。服装や表題からは女性なのだろう。天野喜孝をさらにエロティックにしたような絵と言 .... 3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます

ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
いとしくて
乳房を
丁寧に磨いた

紅い薔薇のように
柔らかで
寂しげで

うちあけましょう
あなたに
逢いたいのです

汗をかいて
髪も
ほどよく人の匂いがします

 ....
まさか
ほんものがあらわれるなんて
ゆめにもおもわなかった
いままで
だましだまし
やってきて
すこしは
ほんものらしくなった
はずなのに
ぜんぜん
まったく
たちうちできな ....
三月から
止まったままの針さきを
ゆっくりとまわして合わせた
雨の朝に目を覚ませば
あなたは 
まだ


白くあわたつ
菫のような朝
からだにおさまらない もじ
柔らかな葉が ....
はにかみやののれんが
いやがって頬をたたいた

昼下がりに地下鉄の階段を下りて
地下街のあかりでメッセージボードを探す

風鈴はありませんが氷はやってますよ、との声
夏の日差しは網戸も酔 ....
よくわからない食べ物を食べ
よくわからないものを着て
よくわからないけれど生きている
よくわからない神仏を仰ぎ
よくわからない星を見つめる
よくわからないと叫び
よくわからないのに痛み
 ....
 
 未練が忍んで 訪ねる夜は
 畳の部屋で 灯り おとして
 膝を立てて 俯いて
 女が爪を摘むのです


 ちぎれた身の内一つのものの
 行方さえ 問えぬよう
 男の居場所を 問 ....
うなじのあたりが
ピリッピリしている
神経痛かな
いや、それとも
いつものアイツ

アイツは時折姿を見せる
いや、肉眼では見えないのだけれど
幻覚でもない

ソイツは時も場所も問わ ....
静寂の海
咲いて波間に
ほの白い影を落とす月

寄せる波は
真夏の喧騒
返す波は
秋の訪れを
それぞれに伝えて

移ろう季節を人知れず
見送り
迎える

久遠の光は ....
さび ついた そろい のそら
ぬげはじめた め 

かかわらぬ
こえ

ふみこむ
ひざし

の 

いってらっしゃい
いってしまって

さからえ

とべない
の なら ....
自分を売る少女が
ドレスを脱ぎ暗い部屋で
見知らぬ男に奉仕します
笑顔で優しい口調で喋ります
心を捨て去って

時間に追われ窮屈だと
小さな暗がりで思うけれど
口にしてはいけません
 ....
The sky is
Blue
The clouds are
White
Ephemeral is
A dream
Dark is
The night

Today will
Be ....
あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
キミエさんが言ったんだ

「お前はパタゴニアに似ているよ」

コスタリカとはちょっと違う
パルプンテはもっと違う

ラテンアメリカの南の地方
パタゴニアには羊がいるらしい
あと、草原 ....
例えば、ゆるゆる喉を下る
ぬるい水、ひとかたまり
心臓を掠めそうで掠めない
何処にも、何も、満ちない


真昼を怠りたくて怠る身体では
空ろまで無気力な
ほら、 ....
となりで眠る人間の腕は
すんなりまっすぐなかたちをしていて
それが私の首にぴったりはまるのが
とてもとても好きだと思った

絞められたって、いい



どの歌も
かたちのないものが ....
きょだいな
へりくつのかたまりが
そらからおちてきて
まちのたいはんをおしつぶした
こうえんのかぞくづれも
やくばのひとたちも
へりくつのまえでは
ひとたまりもなかった
みんなのつ ....
入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って 眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい



怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢 ....
まだ幻になるには早すぎる夏

したたる汗を拭きながら
影を引きずってみる

昼下がり
気がつけば青信号は点滅し
横断歩道は白くアスファルトを削っている

そしてゆらりと
行き過ぎる ....
Marlboro

マルボロ

たまごボーロ


煙草

マルボロ

たまごボーロ


うむ。


ニワトリ

しりから

たまご

ぽろ


うむ ....
玄関の靴脱ぎ場で
わたしはあなたと話をしていた
あなたの欲しい不動産の話
わたしの欲しい不動産の話
玄関のドアは閉まっていた

肩にかけた鞄
夏の玄関は暑く隙間もない
わたしは不動産を ....
閉じる
今日が終わったら
とりあえず雨音の中で
夢を見よう
出来るなら昨日の続きがいいな
懐かしい人が居た

閉じる
今日が終わったら
とりあえずいつものように
明日が来るまでは
 ....
休日をうだうだとねっころがって過ごす
時々
素足をぺとーっと
重ねて

あなたがうるさそうに
足をはらう
ので

わたしは
ごろごろとベッドの端へ

SOS
SOS
ベッド ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中

それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
早朝、大阪へ帰る友達を見送った後
まだ静かな町のドトール
似合わない主婦が一人
普通にゴンチチとかせつなくて
カフェラテも苦い

友達の後姿、自分と重なって
今年の夏さようなら
確信ゆ ....
君は芝生の上でバランスを取る。


一糸まとわぬ露わな姿で
豊かな乳房を宙へ向けて解放つ。


日差しは、もう秋の方に傾き加減で
夏の終わりを告げている。


時代の息吹を君は背 ....
PULL.さんのおすすめリスト(3363)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
河豚(ふぐ)は飛ぶ- 日和自由詩14+*05-8-20
リミテッド- umineko自由詩6*05-8-20
透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
(ほぼ私的日記)〈美術館〉『竹中英太郎記念館』_2005/0 ...- 白糸雅樹散文(批評 ...3*05-8-20
ねじ式- クリ自由詩10*05-8-20
からむ- 蒼木りん未詩・独白205-8-20
ほんもの- アンテ自由詩4*05-8-19
三月の時計- はな 自由詩12*05-8-19
ハクチュウ- カバ自由詩405-8-19
よくわからないけれど続け- 第2の地 ...未詩・独白405-8-19
爪を摘む夜- Fuji ...自由詩5+*05-8-19
アンチ苦笑- こしごえ自由詩6*05-8-19
海に咲く月- 落合朱美自由詩14*05-8-19
ほほえむ_の- 砂木自由詩8*05-8-19
夜の人形- AKiHiCo自由詩405-8-19
Because- クリ自由詩4*05-8-19
あまがえる- 白糸雅樹自由詩10*05-8-19
パタゴニア- ヤギ自由詩7*05-8-19
- A道化自由詩1205-8-19
ゼリー- 待針夢子自由詩205-8-19
へりくつ- アンテ自由詩505-8-19
幽閉の森- 千月 話 ...自由詩12*05-8-19
陽炎- ベンジャ ...自由詩12*05-8-18
マルボロ- 蒼木りん未詩・独白105-8-18
玄関- チアーヌ自由詩6+05-8-18
閉じる- 自由詩905-8-18
国際アナタ救助隊- umineko自由詩5*05-8-18
「かふぇてらす空路(そらじ)」- こしごえ自由詩15*05-8-18
朝のポエム- 木葉 揺未詩・独白7*05-8-18
裸婦像- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-8-18

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113