死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
おそうめんを食べていると
だんだん体が軽くなってゆくようだ
でも夏はあまり高く飛べない
空気がにごっているからだ

わたしはお座布団の上で正座したまま
少し浮いて
おそうめん ....
数多のあなたから
発信されることばに
わたしは固くまぶたを閉じる
それらを愛さないために

西側の、部屋
窓に切り取られた風景のなかで
遠く稜線がたそがれてゆく
そう
書いたときには ....
太陽から地球まで
宇宙天気は穏やかな状態が続いています

太陽風は次第に速度を下げ320km/秒の低速
磁場強度も2〜3nTと弱めです

昨日上昇していた太陽風の密度は
最大で10個/c ....
マンホールを開けて
すっぽと中に入った

地球を抜けて
ずっと抜けて
だんだん熱くなって
手足が溶けて

胴体と頭が
どろどろになって
固まって
真っ黒になった ....
君を連れていこう
この 干上げられてゆく都会の
最後の楽園へ
マンションに包囲されながら
奇跡のように生き残った
ちいさな田園のそばへ

君を連れていこう
この 干上げられてゆく都会の ....
ぎゅるぎゅると
お腹が喚く
君に逢いたい
そんなん言うても困ったな
俺がお腹と話せるなんて
ぎゅるぎゅるぎゅると
催促される
お腹の上に君の手でもそっとのせれば
たちまちお腹は治まるの ....
鉄鋼所が身近になってから
鉄を人に喩えたりするようになって
鉄製の電車の壁に身をすり寄せる

鉄の粉塵は無色で町を覆う
自動車の鉄板に細かな鉄の屑が毎日積もって
こびりついてなかなか剥れず ....
田舎暮らしに馴れきってしまい
地下街が怖くて僕は
東梅田のビルの隙間
歩道をとぼとぼ駅に向かう
汗がにじむのは
気温のせいじゃなく
コンクリートに染みついた
あの夏の影の照り返し
不快 ....
ひっくりかえって
おっこちて
少女 少年
死ぬまで おどる
こどもは みんな
目玉 ひんむき
そこから ぐるり
かわ うらがえる
骨肉だけの
ダンスはつづく
ひとよひとよに
ひと ....
校長先生のお話は
いつもとても長く
生徒が一人、二人と崩れてゆく

背筋を真っ直ぐ伸ばしたまま
音もなく倒れ
そのまま影となる

「これで、校長先生のお話を終わります」
その瞬間
 ....
言葉は、時々、海に似ている。ひとのそれへの扱い方が。

何でもかんでも投げ込んだり引っ張り出してみたりした挙句
何かあるや否や「言葉って難しいですね。」

ひとよ、それは言葉のせいなのか。
 ....

から病んで臥せっていたはずの姉さんが這い出てきた
北の海はすっごく寒かったんだから
カラカラと寂しい音が喉からして
手で青を掴んできたわあんた青が好きだったでしょう
ショウの途中で姉さん ....
玄関のチャイムが鳴ったので
仕方なく立ち上がろうとしたら
背中の上に
重たい鳥が
止まっていた

「どいてくれますか?」
黄色の羽根を
ぱたり、と閉じて
ずん、と居座る
「私は止ま ....
ここはとても静か
湖の底
体がばたばたと動く
気持ちが揺らぐ
不安で立ち上がってしまう
メールを何通も打って
返事が来てまた打って
あれもこれも
ああ
ああ
そんなとき
「それが ....
うざいからでてって
さむいからあたしの上着をきてきなよベイベーお金ならポッケのなかよ

マリオがぺこぺこひかるマッシュを食いハイパーになる夜明けまでくりひろげよう
恋に落ちるまでパーティー ....
右側から来た物体を左側に受け流すだけじゃ許されないから


ぢぢぢぢぢ 公衆トイレの看板を殴りつけたい 逃げ場所がない


漠然とした安全も漠然とした不安もいつも感じる


 ....
新車のマグロに乗って
市場にマネキンを買いに行った
一番新鮮そうなのを一体買って
醤油色の帽子をかぶらせたり
わさび色の下着を着せたり
山芋色のコートを
羽織らせたりしてるうちに
お腹が ....
おんがくのつもりでなつの夜に
しろい文たちをまきちらしました

そして、という次を言う前に
すっかりひと昔前の鼓動がもどって
なにもしらない少女のようです

わたしはにこにこと
散らし ....
雨が
雨らしく降って

「男」と書けば
身を守れると思ってるらしいが
マニアには
見破られている

わたしは
蒼アザができていたことも知らずに
あの子とSEXできたらいいなって
 ....
ぬばたまの髪をほどいて君の手に瞳あずけてビトウィーン・ザ・シーツ


うつせみの命のかぎりを惜しむべく両の乳房を愛されている


ひさかたの月夜を飽かず眺めてるブランケットにふたり ....
 
バスに乗る
名前だけが剥がれていく
何かの間違い、というより
むしろ略式でも正しいことであるかのように
良かった、わたしたちは
バスに乗られることがなくて

席に座り
バスの一番 ....
晧々、繋ぐ道

くしゃりくしゃなり
草いきれに隠れて耳を当て、浅緑を喰む羊の腹にもたれかかる。いつしか眠りに落ちた(べったりと頬から鼻腔、この匂いを識っている


立ち上がり、方々の出口へ ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
 
 
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
「ヘンリーってのは
 どこの国のサッカー選手だい?」



ねえ、母さん
ヘンリーはアイルランドの選手だ
ヘンリーはアイルランドのカレッジのチームで
今日もベンチを温めている
ヘンリ ....
相談があるのアドバイスはいらねえ


相談があるのやっぱり愚痴だった


相談があるの答えはすでにある


相談があるの飼ってる猫たより


相談があるのそんなの口実よ

 ....
私の体を キノコが 侵食する
菌糸は腕をからみとり
足をからみとり 心臓をからめとり
やがて 脳に達し
心すら からめとる
私は キノコと同化し
静かに 眠りにつく
やがてキノコははい出 ....
 
静かな言葉に騙されて
武器を売り続けた

いくつもの春を泳ぎ
疲れれば
もの言わぬ記号に似ていた

河口に人の死体が流れてくる
知らない人ばかりだった

知っていたとしても
 ....
 父が死んだ時 私は少しも悲しまなかった それは幼児期に虐待を受けた
 トラウマなのかもしれない
 私にとって 父親とは 暴力以外で存在
 できなかった
 全身が暴力の固まりで
 それは私に ....
PULL.さんのおすすめリスト(3363)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘れる- 葉leaf自由詩1707-7-28
おそうめん- 吉田ぐん ...自由詩907-7-27
数多のあなた- ワタナベ自由詩24*07-7-26
宇宙天気ニュース@現代詩フォーラム- 小池房枝自由詩12*07-7-26
地球の裏側- なかがわ ...自由詩8*07-7-25
中野島- 大村 浩 ...自由詩24*07-7-24
お腹ぎゅるぎゅる- アマル・ ...自由詩407-7-24
鉄鋼所- 九谷夏紀自由詩407-7-22
駅・大阪- たりぽん ...自由詩15*07-7-22
まちがって暗黒童話- ピッピ自由詩407-7-22
校長先生- ふるる自由詩14*07-7-22
我に光あれ- 小池房枝自由詩11*07-7-19
0→1- ふるる自由詩19*07-7-19
ペズゥ- 小原あき自由詩32*07-7-17
それがどうしたって言うの- チアーヌ自由詩307-7-17
最後のお願い- モリマサ ...自由詩807-7-15
ぶっ壊せ、泣きたくなる時に泣け、でも人生は一度じゃない- ピッピ短歌707-7-14
鮮度- 小川 葉自由詩207-7-13
おんがくのつもりで- 秋山加奈自由詩507-7-12
雨が雨らしく降って- 蒼木りん自由詩8*07-7-12
ピロートーク- 落合朱美短歌1107-7-12
ひきつづき- たもつ自由詩1807-7-12
放牧- 日向夕美自由詩11*07-7-11
リスク、- 望月 ゆ ...自由詩61*07-7-9
動物園- たもつ自由詩2907-7-9
HENRY- Tsu-Yo自由詩10*07-7-8
相談があるの- ふるる川柳11*07-7-7
冬虫夏草- 麻生ゆり自由詩13*07-7-6
武器商人- たもつ自由詩1707-7-5
- 円谷一自由詩7*07-7-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113