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田んぼの道ぬけて

山ひとつ越えて市街地に帰った

藍いろの街のひかり

遠くからだからかやさしい眺めだ


あのひかりの中でぼくは

ハードルを下げたまま生きているひとを

 ....
送り火みたいな花火をした
愛犬は鼻を火傷しそうになり
わたしたちは
少し寂しかった


お盆も終わって
仏様はみんな帰ったけど
納骨の済んでいない魂は
未だここに残っている


 ....
 水に
 突き刺さることができるのは
 真夏のひかり

 真夏、という
 ひかり



湖面にそそぐ陽光は
銀のうろこの魚に変わる

気ままに歌うぼくたちは
それを統 ....
「見」


見ているのに見えていない

僕の眼はたいてい当てにならない

1秒先の出口も1cm後ろの奈落さえ

感情の濃霧に包まれたら何も見えない




「嗅」

 ....
 
 
生まれたばかりの
息子の写真を
四歳になったばかりの
息子に見せて
これは誰
とたずねていた

すると
赤ちゃんとこたえる
でもこれがおまえだよ
とおしえると
にわか ....
家の押し入れにしまってあった誇り被ったギターを

みつけだしてそこから僕の人生は決まった

一人もくもくとそのあまり音がよくない安物ギターを

朝から晩まで引き続けていた

将来はビッ ....
届かないと思っていた扉の取っ手は
いつの間にか腰の位置になっていた


背が伸びて視野が広がる
遮っていたものに追いつき追い越し
世界の大きさに少しずつゆびが触れる


もうすっかり ....
               090820






再導入された
資本主義と
評価を得たが
貧乏暮らしが
良くなるわけではなくて
お金持ちが再評価されて
資本の形成が促 ....
「移」


知らぬ間に忍び込んだ次の季節を

昨日より微かに老いた眼差しでやり過ごす

移ろっていく速度のやるせない違いに

胸の奥をさざめかせながら運ばれていく



 ....
しずかな喧騒にみちた夜

外灯のしたに白が溜まっていた

スーツに風が入り込んだ

たき火の匂いが鼻をかすめた

ひと肌ほどの悲しみか

しずかな喧騒をむねに聴かせた


銀 ....
 いくつもの、
 接がれない
 夕刻のだいだい色を
 ポケットにしまおうとして
 持ちかえれない
 そんな夜は暗闇に目を凝らした

この病棟の窓から見える夜景は
いつもと変わらない
 ....
「倒れかけた鉄塔」という唄を 
口ずさんで、歩いていた。 

道の傍らに、全身は枯れながら 
太陽の顔を燃やしている 
向日葵達は 
只 
夏空を仰いで 
密かな合唱を、奏でていた。  ....
放課後、屋上に呼び出され
どこにいるのかと見渡したら
彼女はコンクリートにうつ伏せていた
近づくと、目を閉じた横顔のまま
私の輪郭を引いてくれないか、と
きっぱりと言った

よく解ら ....
ガンダムってすげえよな

隣の席で男の子たちが騒いでいた

お台場に展示されている実物大のガンダムを見てきたらしく
それぞれ高揚した面持ちで身振り手振りが忙しい

ガンダムってモビルスー ....
 
 
薬が切れて震える父を
抱えてベッドに寝かせる
布団のしわなどが気に入らないと眠れないので
抱き起こし、位置を変えてまた寝かせる
そんな作業が延々と続く
父にとって毎日の睡眠とは
 ....
昼下がりの海水は
まだ少しつめたくて

その
指先につたわる感覚が
はじめてのことに
思えてしまう、
いつもいつも



腕を
すべってにげる潮風は
いつか、と同じ
 ....
お盆は先祖が帰ってくる
帰ってきた先祖を迎えにいくために
人々は故郷へと帰る
だからライオンさんのマンションにはいま誰もいない

15日の早朝
国道に車は一台もなく
横断歩道の真ん中でナ ....
忘れた景色のことは
もう、分からないから
私を追うのなら
出発は
最終列車がいい

戻るつもりのない時間帯に
その街を出てきたことだけは
今もまだ
覚えているから
どう ....
日曜日で小学校は休みである
縁側で日向ぼっこをしながら
ナシナシナシ
とぼくはつぶやく

自転車に乗れないのはおまえだけだと
次兄がぼくを小ばかにした
ぼくは言い返せないで澱んだ気分を
 ....
戦争について考えることは

それは有益なことなのだろうか

平和についても

それは有益なことなのだろうか

幸福について考えることこそ

有益なことなのではないだろうか

戦 ....
口に出して言うてみて

もしテレビついてたら消してな
家族がおったら ちょっとはなれて
一人ぼっちやったら ちょうどええわ

「生まれ変われるなら
もっと一生懸命生きんのに」

言う ....
ギャリギャリと蝉が鳴いているのだが
どの音がどの蝉なのかわからないので耳を塞いだ
ひぐらしが鳴いていても
悲しくなるので耳を塞いでいる
口に咥えたままの煙草の灰が
洗いたてのシャツに引っかか ....
公園の陽だまりで 
走って遊ぶ子供等の 
胸の辺りに 空 がある 

花壇から 
それを眺める花々の 
花弁の奥にも 空 がある 

無心に遊ぶ子供等の 
無垢な笑顔の瞳の奥に 
 ....
いつしか雪が降りだして
夏なのにね おかしいね
僕は悲しい顔をして
君が帰ってくるのを待っている

僕のほうが先に死んでしまうよ
犬だものね 当然だね
玄関のタイルの冷たさに
柔らかく ....
コンクリートの石垣と
区分けされた高台の下
淀んだブルーの海に
白いヨットの群れが
白いダンゴムシの死骸のように
そして、漂っていました。

風は海から吹いていたはずなのですが
魚の干 ....
記憶を
残す
出来るだけ
美しい形のものを
渡す
それが
なんなのか知ったのは
ずっと
後の話





いつか
死ぬことを
知らずにうまれ
しばらくは
その ....
今日また嘘をついた

私と女の子たちはカラオケで流行りの歌をたくさん歌う

でも悲しくなったから
泣きたくなったから

一番最後に最近ギターが死んでしまったロックバンドの美しいロックンロ ....
宇宙は溌剌としていた
滴るような蝉の声が宇宙に降っていた

病院ですれちがう人々はどんな人も
それぞれの生や死をしのばせていた
ぼくはそれに無関心を装いながらエレベータを探していた

ぼ ....
あの夜空に瞬く星は 
僕が生まれるより 
遥かな昔に、消えている 

幾十億光年の{ルビ宇宙=そら}を渡り 
あの星が 
地上の僕に呼びかけるなら 

すでにこの世を去った人の 
あ ....
おまえは自分でかわいらしいなどと思ってはいなかった。
まわりはかわいいという
しかし、おまえは自分が不細工と
信じていておどおどしていた。
幼稚園からの帰り道
手をつなぐ同級生がわずらわ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜景の憂鬱- 吉岡ペペ ...自由詩809-8-22
繋がる- 小原あき自由詩9*09-8-21
レイクサイド- 千波 一 ...自由詩6*09-8-21
四行詩四態_<2>- nonya自由詩6*09-8-21
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忘れていたあの場所- こめ自由詩1309-8-20
わたしのうた- あ。自由詩24*09-8-20
イデアの影- あおば自由詩10*09-8-20
四行詩四態_<1>- nonya自由詩8*09-8-19
しずかな喧騒- 吉岡ペペ ...自由詩409-8-19
幼さ- かんな自由詩12*09-8-18
夏の終わり_- 服部 剛自由詩609-8-18
輪郭- RT自由詩1309-8-18
ガンダムなひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*09-8-17
祈り- たもつ自由詩2109-8-17
海辺のしおり- 千波 一 ...自由詩5*09-8-17
人ごみという言葉が嫌いだった- 木屋 亞 ...自由詩3*09-8-17
ワンダーラスト- 山中 烏 ...自由詩9*09-8-17
おまじない- 殿岡秀秋自由詩409-8-16
時間という海- 吉岡ペペ ...自由詩909-8-16
口に出して言うてみて- 瀬崎 虎 ...自由詩6*09-8-16
ギャリギャリと蝉が- 虹村 凌自由詩309-8-15
花と子供_- 服部 剛自由詩509-8-14
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夏休み- ゆりあ自由詩3*09-8-13
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風のなかに_- 服部 剛自由詩509-8-11
三歳のおまえ- ……とあ ...自由詩13*09-8-11

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