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海に行こうと決めたのは

季節の中に飛び込むためでも
まして楽しく泳ぐためでもなく
日常からあふれた出来事を
ほんの少しこぼすため

からだの中の水分が
外へ出たいと願うのを
悲しみ ....
電車の中で引きこもりたい
終点のない電車の中で
世界の車窓から世界を永遠に見送りながら
眠くなったら好きに寝て 寝過ごして
車掌に起こされることもなく 親切な客に起こされることもなく
旅を続 ....
コンクリートの舗道から
唐突にはみ出してしまった
名も知らぬ草

引き千切られても
踏みにじられても
へらへらと風に揺れている

雑草になりたい

生えることだけを
考えたい
 ....
{ルビ若布=わかめ}の{ルビ疎=まば}らに干し上がる 
六月の浜辺を振り返れば 
今迄歩いて来た僕の 
たどたどしい足跡が 
霞がかった岬の方まで 
延々と続いていた 

あの岬の幻は  ....
ほとんどのことは
なんてことないんだよって
どうにかなってくんだって
教わったのは
病院の、ロビーで泣きじゃくるわたしに。
無言で母はわたしが立ち上がるのを待ってくれたね
何時間も
 ....
 
 
 
次の駅は
笑顔です

乗客は
思い思いに
笑いだす
思い出の中にある
幸せを
思い出して

笑顔になって
降りていく
降りない人は
まだ降りない


 ....
夕刻地平線 紙の切り傷

鼓動にあふれた静寂がふたつ

痛みをともなうのは
前世からの記憶のひとひら

秘めた焦燥は赤色に駆られて 涙をおとす

はりつく体温と
しお、鉄の味

 ....
ぼくの存在は地球にしかない
あの青くてきれいな球体にしかない
夏の匂いのまま貼られたアフリカ大陸
ぼくの存在は
あの青くて半分影のあるあそこにしかない


月にはない

太陽にはない ....
渚を歩いていたときのことだ。

波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
 
 
縁日で
祖母が買ってくれた
空色の風船が
手のひらを
するりと抜けて
空高く舞い上がっていった

東の空へ流れていく
風ははるか上空
西から東へ吹いている

お日様と ....
大好きなあなたと
笑顔をともに重ねたい
陽の見えない換気窓から
影とほんのり外界の時を伝える



枝豆をパチン・パチン
鋏でとってゆく
土のにおいが
なぜか懐かしく
ゆらめい ....
明後日の今頃には
きっとわたし、泣いてる

ハナキンなんて言葉が流行ったっけ
週末の空気はほこりっぽくて
ろ過された部分だけを吸い込もうと
口を無意識にぱくぱくとさせる

大嫌いなもの ....
この不景気で
「ありがとう」は
あまり回ってこないから
大事に大事に抱え込んでいた


街中の
誰もがそうやっていたら
いつしか
「ありがとう」は
街から消えてしまった


 ....
 
 
古い地図をひらくと
あの日のわたしが
チャリンコ漕いで走ってる

高校と家の
片道十キロの距離を
毎日通った

部活は一年で
辞めてしまったけど
片道十キロの
距離は ....
父が亡くなっても泣かなかったくせして
MJの死にはわんわんと泣いた

そんなものだよね

近くて遠い悲しみと
遠くても近くに感じられる悲しみ

人生のアルバムから今まで生きてきた記録が ....
誰もがやり直せることを

その情熱の持続を

誰もがひとりではないことを

奇跡を引き寄せるからくりを

その情熱の持続を

ぼくは証明したいのかも知れない


雨が降る青い ....
花は花で
咲き競い
至福の種子を枝に結ぶ

鳥は鳥で
鳴き集い
矢印となって季節を指し示す

川は川で
せめぎ合い
未だ見ぬ海へと殺到する

雲は雲で
逃げ惑い
苦し紛れに ....
午後
カーテンのすきまから
迷いこんできた空想がひらひらと漂う
うまく捕まえることができずに
言葉にならないので
そのままにした

きっと
そのままの方が良いのだと
勝手な理由を知る ....
暑さにうなだれている名も知らない花は
剥がれかけたマニキュアと同じ色をしていた

使われているひとつひとつの配色が
くっきりとしたものばかりなのは何故だろう
まぜこぜしないのがこの季節で
 ....
建物と人が

梅雨明けのひかりを

跳ね返しては吸っていた

夏が影を濃くしてゆく

命の闇と宇宙の静けさを

反語のように振りかざして

風が首を撫でている

夏服の透き ....
キラキラしない雫が
後頭部の歪な曲線を
未練がましく伝い落ちて
塩辛い影を作っている

無頼な陽射しと
馴れ馴れしい湿気に
言い返す言葉もなく
帰り道の上をボトボト歩く

いく ....
 
 
01
図書館にパンが落ちていたので男は拾って食べたのだが、それはパンではなくムカデの足だった。

02
図書館の大砂漠で遭難した司書は一週間後に救助され、その翌年には大統領になった ....
トラブルのため仲間と徹夜した

そしてみんな元気に帰っていった

勝負はあしただ

トラブルは俺達に

なにを伝えに来たのだろう

いや、俺になにを伝えに来たのか

午前3時5 ....
なぁ、オカア

子どもの頃から口癖みたいに
女の子はこれくらいできなあかん言うて
台所に立たせてたやろ
うちはあれがすごい嫌いで
何だかんだと理由をつけては逃げ出して
そういえばお弁当一 ....
「あんなもんなのか」
と舅は言った


夫の祖母が亡くなって
納骨も終わって
夏が始まろうとしていた


できたばかりのわたしたちの庭には
ちょこちょこと
なんやかやが芽生えだし ....
僕は僕の皮を剥いてゆく

そろり そろり 

痛くしないように ゆっくりと

不安 欺瞞 恍惚

嘘に包まれた僕を ゆっくりと剥いでゆく

随分痩せっぽちだったのに 今じゃメタボリ ....
 *
抽象をなぞる指先が、無色透明な肌に存在だけを記して
昨日の空に溶けて行く、輪廻を正しく辿って行けば
全ての人の記憶は一つになると
ついさっき、知りました。
だから、君の香りはどこか懐かしいのだ ....
会合を終えて神戸から倉敷に移動するともう11時だった
ホテルにチェックインしても脳みそはまだ高速をぶっ飛ばしている感じだ
2時間ぶりの煙草を喫煙コーナーで吸う
11時40分からマッサージを予約し ....
 
 
人がいる
渇いた街に

人がいる
湿った街に

二つの温度差によって
街の正しさが
計れるというならば
正しさとは何でしょう

涙に暮れて生きる人と
泣く意味もなく ....
玄関先にサナギがいることは知ってた
でも飛び立つのはもっと先だと思っていた

蝶のサナギが破れていた
下を見ると、羽根の折れた蝶が落ちていた

とてもきれいな羽根をしている
畏れ多い姿に ....
kauzakさんの自由詩おすすめリスト(3315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「海にかえる」- ベンジャ ...自由詩2*09-7-3
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明日の海_- 服部 剛自由詩909-7-3
グローイングモーニング- 唐草フウ自由詩9*09-7-3
命の駅- 小川 葉自由詩309-7-3
夕刻地平線_紙の切り傷- 瑠王自由詩5*09-7-2
存在- 吉岡ペペ ...自由詩1209-7-2
海と蟻- 夏嶋 真 ...自由詩25*09-7-2
空色の風船- 小川 葉自由詩409-7-2
残照- 唐草フウ自由詩5*09-7-1
予定された金曜日- あ。自由詩9*09-7-1
雨なんて降らないから- 小原あき自由詩7*09-7-1
地図- 小川 葉自由詩409-7-1
問えぬひと- 恋月 ぴ ...自由詩15*09-6-30
青い夕方- 吉岡ペペ ...自由詩609-6-30
答え- nonya自由詩8*09-6-29
「コップ一杯の宇宙」- ベンジャ ...自由詩8*09-6-29
ある日の夏、水の爆発- あ。自由詩18*09-6-28
梅雨明けのひかり- 吉岡ペペ ...自由詩309-6-28
真夏日- nonya自由詩10*09-6-27
図書館物語- たもつ自由詩3109-6-26
誰もひとりで- 吉岡ペペ ...自由詩309-6-26
なぁ、オカア- あ。自由詩14*09-6-25
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存在論- within自由詩609-6-25
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乾湿球- 小川 葉自由詩1+*09-6-24
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