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冬空の下で花の種をまく
乾燥して凍てついた大地に

ピリッとやぶいた袋の中には
同じように見えても違う一粒ずつの種が
寒さに震えるように寄り添っている

手のひらにひろげると
小さな風 ....
 
 
売店で夕刊を買った
読むこともなく畳んで
テーブルの上に置いた
翌日から連泊の出張だった
帰ると夕刊はまだ同じ場所で
同じ格好をしていた
古新聞の上に積んだ
年を重ねるごとに ....
進化、それは種の旅のことだ

過程であるのに果てであるかのように

何千万ねんをかけて旅をしている

それは木々に似ている

木々は進化のものまねをする

さきこぼれる花舞い落ちよ ....
 なにが有効な手なのか
 わからないままに
 かれは
 もう、とっくに
 地図に表記されていない場所にきていた

 音がない
 姿がない
 赤い血が
 ながれることのない ....
だきょう
だせい
どんづまり

1366×768ドットの檻の中で
ゆうゆうと座り込んだままの
気障な行分け文章

だみん
だつりょく
できそこない

TFTカラー液晶の眩い ....
                110120



ぼくも
小道を歩く
歩きながら
考える
みちはどこまでもつづく
つづくさきはわからない
とんでもないできごとが
行く手に待っ ....
ここ数日来の寒波で凍てついた地下鉄の連絡通路に
場違いとも言えそうな親子連れの姿

乳母車を押し歩くお母さんの脇には小さなおんなの子
お母さんの手助けと押すのを手伝っているようにみえるけど
 ....
              110116


誤解を恐れず
界を恐れず
カンマの威力と
中点の躊躇
きれいな顔に
泥を塗る為体
(テイタラクと読む)
記号辞典を開き
記号の読 ....
               110111



300万円でお願いします
お金のことしか考えない
あと何日でデキルのですか
走り出した電気機関車が
警笛を鳴らす
突然の出来事にも動 ....
のび太くんに会いたい

ぼくはのび太くんに会いたい

漫画の空のしたでやわらかな描線で

10才の小学生のころのじぶんに

ぼくはのび太くんに会いたい


土管の公園にゆけば会え ....
何でもない流れの中で飛び出していく
それは確かではないけれど 自分にとっては 確かだ
水の投げ出された噴水のように はっきりとしている
回転しているフラフープのように


自分にとって ....
ひと昔もふた昔も前みたいに霜柱立ったり
ちょっとした水溜りに氷張ったりするわけじゃないけど
それでも今どきの朝って起きるの辛かったりする

とりあえずは出かける場所があって
帰ってこれる場所 ....
冬の凍てつく青空に
大きな大きな梯子掛け
雲一つ無い寂しい青空に
大きな大きな梯子を掛けて

与太郎 騒ぐは 梯子の終わり
とおく空には届かない。
梯子のてっぺん 高いとこ
それでも真 ....
おじさんの葬式にいった
もう何年も無沙汰していたおじさんが死んだのだった
ぼくは棋士にはならなかった
おじさんはずっと独身だった

泣けてきた
幸せとはなんだろう
ぼくが決めることではな ....
掌に観覧車
小さなゴンドラを覗くと
四人の家族が納まっている
父も母もまだ若かった
兄も私もまだ幼かった
それがまるで
ずっと続くかのように
ポケットに観覧車をしまう
思い ....
信じるひとの上にも
信じないひとの上にも
雪はつもっているのです

きらきらと
反射しているのはこの雪が
またかえろうとするからです
せかいへ

わたしのまわりで
せかいは生きるめ ....
                 110108



乗っていったオート三輪車は実在していた
探しに行くなら今だ
悟りの足りない賢者が叫ぶ!
ひらひらと雪が舞い散る前に
腹ごしらえ ....
しぜんを
かんさつしたいけど
このしろいたてもののなかで
はたらいてばかりいるから
しぜんをかんさつすることは
できないとおもっていた

なのに
このしろいたてものの
な ....
{引用=



 満月の夜には
 外にでてはいけないと老婆はいう
 ふらふらと外にでて
 川を遡上
 青い山に囲まれた
 いちばん星空に近いその湖に行ってはいけないと

 ゆらめ ....

夫があまり鋭く見つめるから
わたしはしだいに削れてゆく
夫と婚姻関係を結んでからのわたしは
もう余程うすっぺらくなったらしい
強く手を握られると
きしゃり と指ごと潰れるから
か ....
ひきだしのおくから
あなごりょうりのみせの
チラシをみつけた

いつかちちを
つれていきたくてとっていた
チラシだった

あなごが
すきかきらいかなんて
かまわなかった ....
 
 
一番星、と空を指差したきみ
その方向を見て
ほんとうだ、と言ったぼく

でもね、あれは嘘だったんだ
見つけられなかったんだよ
だって眼鏡の度が進んでいて
きみの指先を探すだけ ....
                  110103



プレート損失40ワットでは
寿命1850時間
うーむと唸りながら
真空管アンプに
電源を入れる
微かなノイズのあ ....
年が改め 日常の
また、人との関わりで
いやでも心を開いてゆく


改めて心を開き
また心に思うところを語り、
心に暖かな気持ちを抱き
また今年も生きて行く


何度でも心を ....
目覚めると雪だった
こんもりと雪だった
綺麗事の通じない相手に
ただ立ち尽くした

計算も練習もまだしていなかったのに
うかつな私をみずに降り続いた

山肌は黒白く
うろこのようだっ ....
先の見えないトンネルを抜けると
そこは渓谷に面した崖で
数十段の階段が川辺まで
雨で光り流れ危険な美しさを見せていた。
階段の先には
溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがんWelded tuff ....
友達とビールを飲む
突然そこにいるのがいやになる
話していて楽しかったけれど
話題がぼくからそれると
組になって話す人達のなかで
ぼくだけ話し相手がなくなり
夜空に
七分咲きの花の群の
 ....
 
 
石化する
柔らかな石
心電図の
波形の谷間が
わたしたちの眠るところ
わたしたちの見聞きするところ
わたしたちの対話するところ

/年の瀬も差し迫ったふとしたある日
 一 ....
こおりつく
ゆきやまにある
とてもふかい
たにぞこにかけられた
いっぽんの
ほそいほそいつりばしを
わたしたちはわたっている

こたつでテレビをみながら
じょやのかねをき ....
 SF作家や
 だれかによって手渡された
 未来のそばで
 ぼくらは生きている

 どこかがイビツでなにかが不適切なこの
 だれかの未来は
 あるいは
 使用方法をあやまっ ....
kauzakさんの自由詩おすすめリスト(3315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「冬空の下で花の種をまく」- ベンジャ ...自由詩3*11-2-3
ラブソング- たもつ自由詩411-2-1
進化、それは種の旅- 吉岡ペペ ...自由詩511-2-1
パカッと割れた苦悩なんかない- 石川敬大自由詩17*11-1-28
3D- nonya自由詩12*11-1-22
愚かな農園- あおば自由詩2*11-1-20
いそぐひと- 恋月 ぴ ...自由詩35*11-1-17
美しい誤解- あおば自由詩9*11-1-16
蛸にイヤホン- あおば自由詩3*11-1-11
のび太くんに会いたい- 吉岡ペペ ...自由詩711-1-11
あのころはスターを目指していた俺。- 番田 自由詩311-1-11
あゆむひと- 恋月 ぴ ...自由詩31*11-1-10
与太郎の空- ……とあ ...自由詩10*11-1-10
夏の思い出- 吉岡ペペ ...自由詩611-1-10
掌観覧車- たもつ自由詩6+11-1-9
白銀- 朧月自由詩411-1-9
あったそこにあった- あおば自由詩4*11-1-8
あったそこにあった- 小川 葉自由詩511-1-8
青い湖畔のシカ- 石川敬大自由詩24*11-1-7
dissimilation.- 吉田ぐん ...自由詩4911-1-6
引き出し- 小川 葉自由詩511-1-4
指先- たもつ自由詩411-1-3
ヒートテックに花束を- あおば自由詩8*11-1-3
雪だるまの心- ……とあ ...自由詩7*11-1-3
初雪- 朧月自由詩211-1-1
飛沫- ……とあ ...自由詩7*11-1-1
居場所- 殿岡秀秋自由詩611-1-1
引越し- たもつ自由詩710-12-31
年越- 小川 葉自由詩310-12-31
未来への処方箋- 石川敬大自由詩6*10-12-29

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