すべてのおすすめ
 
心臓にも
記憶があるらしいんです、と
その透明な
心臓をもつ少女は言った

にくたいが
ほろびてもまだ
記憶というたしかなものが
あったとは

わたしは思って
しかし
何 ....
           090130


既刊の本を放り投げ
テーマが古いと諦めた
未完の本が多すぎて
編集室は休む暇もなく
朝から晩まで
缶詰にされた作者たちが
コヨーテのように
 ....
アルミ箔につつまれた
きみの、その

生命



上手に
愛すことができたなら
よかった


そうしたら
きっと
いらないね、
ぼくは
きっと
いらないね
 ....
 
その通りには
あたらしいカフェーができていて
まだ知らない店の中で
まだ知らない
手紙の返事を書くことにした

手紙の主は誰か
わたしがいつか
書いた手紙を読んで
書いてくれた ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
机の上に東京タワーの置きものがある
上部のとがった部分を
指先でつまんで
ひょいと持ちあげ
底の部分を見ると鉛筆削りになっている
小学校のとき母に買ってもらったものだ

東京タワーは大き ....
 
赤い卵が
まっくろい側面の
棺桶にならんでいて
うす暗い船底には
ごはんがあるものだから
たまらない

軍艦のデッキから
声が聞こえる
声に出しては
ならないその声を
聞い ....
冬は夜になるのがはやい

電気もないから寝るしかなかった

肉を食べると

肉といってもビーフジャーキーだったが

肉を食べるとからだがあったまった

トイレの水って

尋常じ ....
動物がほとんどいなくて、すきっ歯な林だけがあるような
そんな植物だけが林立する場所にも、空き缶は捨てられていた
その缶を水が徹底的に錆び付かせ、風が土に埋葬した
泥に溺れそうな缶詰の、淵が顔を覗 ....
同じ図書館は二つとないね
どの図書館も違う

引っ越したあとも使っていた
利用者カードの期限が来て
今度は更新できない

一度別れてしまった恋人の手や髪や唇には
二度と触れられないよう ....
ああ夢みたいだ
のみこんだ群青
ぼくを加速させる
きみは幾度も
刹那を待ってる





ながめる宇宙は
果てしないが
ぼくがいる世界は
ここにある
きみの瞳には ....
夕暮れの水位は
さざなみ
浅い胸に、さざなみ
空白で埋めたはずの
小さな画布が
素朴に満ちてゆく

海面に浮かぶ
危うい杭に
うずくまる鳥の
膨らませた羽から
零れる文字のやさし ....
 
お見舞いにいくと
ベッドと見まちがえるほど
平らになっていて
痩せていた
祖母と手をにぎりあって
見つめあっていた

帰り際に
手をふった
なるべく笑顔で
いつものように
 ....
 
ばっぱが死んだよ
連絡がはいって
いくつかの列車を乗り継いで
たどりついた実家の居間のテーブルに
イクラの寿司があった

食べていい?
誰もこたえないので勝手に食べた
掌もあわせ ....
とても
とても高い所から
落とされて ばらまかれたみたいに
路上には大勢の人々が
ざわめいていて
それぞれがひとつずつ
何かしらの凶器を隠し持っている
とても
とてもありふれた所から
 ....
重ねて重ねて過去のものにして行くしかない。
思い出すのがメンドーになるくらいに。

あの時笑ってたのはウソではないけれど、今夜笑えないのもウソじゃあない。

少しアクセス間違えただけ。
 ....
鳥と話が出来たら、教えてやろう
 あの明るいのは火星で、地球と同じように岩の塊で、
 風が強くて、とても寒い
 その先の木星はガスの塊で、すごく大きい

鳥は言うだろう
 そりゃぁ、すごい ....
 
詩の一行一行に
花を咲かせたような
あの桜並木を歩く

僕には
名前を持たない
姉がいた

姉は木の行間をくぐり
幹の陰に隠れたのかと思うと
花咲き乱れる
か細い枝に立って ....
すこし伸びすぎた爪の
深海の青い色に
星をつくる機械の部品が
ひとかけらまじっていた
それはしたたる夜空の色で
弱々しく点滅し
君のグリーンの瞳に
合図を送ったようだった


 ....
浜辺を歩くうちに
無心がいつしか完成していた
小波の彼方の
青空と海原のやりとりに耳を傾けながら
何することもなく歩き続け
立ち止まった場所が
無心の終わりだった

海を見た
だ ....
冬のしぶきあげた 波を
しろいくじらが旋回 押しこめて
少しずつ降ってくる
わたの毛はほつれた傘たち

わたしのしもやけの手
いつか 治るよ
太陽が言った
だから信じてみる


 ....
 
都会では
駅でたまたま友人に
会ったりするものなのかい
問う父に
そうだよと
わたしは答えた

セイウチみたいになった
友人にね
友人でもないのに
会ったりするものなんだよ
 ....
殺風景なガラス張りの待合室に覚える
独特な曖昧さを避けてみるのも一興と敢えて
乾いた風の吹き抜けるホームに佇んでみた

乗ろうとして乗らなかった準特急の走り去った先には
見覚えのある古い建物 ....
私の祖父はうまく焼けなかったので
2度焼かれるというレアな体験をして
ウェルダンされた

生乾く人

小林宏史という写真家の本に『死と葬』というものがあ
る。インド、カルカッタ。寺院の前 ....
 
妻が百円ショップで
ナンパされた

正直いうと
僕もしたことがある
百円ショップで
ナンパを

妻がいないところで
その男は
どうしてどんな気持ちで
ナンパなんてことを
 ....
「 いってきます 」 

顔を覆う白い布を手に取り 
もう瞳を開くことのない 
祖母のきれいな顔に 
一言を告げてから 
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く 
散歩日和の道を歩く 
 ....
北行列車は、かれこれ数年間は立ち往生している
車掌はいつも困り顔で客室に説明をしに来る
私はそれを聞かずに窓の外を見ている
雪が窓に張り付くとふわりとした光を持つ
「蛍の光、窓の雪」と歌ってみ ....
一反木綿


ブランドって何でしょう
トレンドって何でしょう
ステータスって何でしょう
セレブリティって何でしょう
誰かの視線につながれた風船になるよりも
飾り羽が多すぎて飛べ ....
月がきれいだよって
君に教えようとしたのに
君を見たら君がきれいで
そのまま君を見ていた僕に君が
月がきれいだよって

そうそう
月がきれいなんだよねって
思い出して見上 ....
 
子供の頃の、僕と父の写真を指差して、四歳の息子が、
「お父さんがふたりいる」と笑ってる。
それから、今の僕を指差して「お父さんが、もうひとりいる」と笑ってる。
今度は少し、不思議そうな顔を ....
kauzakさんの自由詩おすすめリスト(3315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
透明宣言- 小川 葉自由詩5+*09-2-2
ひとのきかん- あおば自由詩6*09-2-1
チョコレート- ゆうと自由詩3*09-2-1
あたらしいカフェー- 小川 葉自由詩109-1-31
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
東京タワー- 沢村 俊 ...自由詩5*09-1-31
イクラの軍艦巻- 小川 葉自由詩4*09-1-31
震災ってこんなだった- 吉岡ペペ ...自由詩609-1-30
ひとのきかん- 木屋 亞 ...自由詩7*09-1-30
さようなら図書館- 小池房枝自由詩1009-1-29
のみこんだ群青- ゆうと自由詩5*09-1-29
素描- 佐野権太自由詩19+*09-1-29
トンボ- 小川 葉自由詩9*09-1-29
イクラの寿司があった- 小川 葉自由詩4+*09-1-28
冷たい磔刑- 岡部淳太 ...自由詩2*09-1-28
タタミの六畳間- BOOKEND自由詩2*09-1-28
星の季節- rabbitfighte ...自由詩709-1-28
桜並木の詩- 小川 葉自由詩709-1-27
惑星インザカプセル- アヅサ自由詩7*09-1-26
汀のドラえもん- 長元坊自由詩1*09-1-26
ひだまりの予感- 唐草フウ自由詩6*09-1-26
セイウチ- 小川 葉自由詩409-1-26
次第のひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*09-1-25
生乾き- mizu K自由詩9*09-1-25
女類- 小川 葉自由詩2*09-1-25
海に還った祖母に捧ぐ_- 服部 剛自由詩3509-1-24
夜光列車- 木屋 亞 ...自由詩4*09-1-24
百鬼夜行詩_<9>- nonya自由詩15*09-1-24
得意げな君と僕と月- ミサイル ...自由詩409-1-24
今、ここにいる。- 小川 葉自由詩709-1-24

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