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図書室で本を開くと
誰かの髪の毛がはさがっていた
細くて少し茶色がかった…
それは置き忘れられた誰かの遺伝子


合理化なんかが叫ばれて
背表紙の裏に潜んでいた
小さなカードがなくなっ ....
光は緑に柔らかく

街道には

緑風が吹いている

五月の光は風なのか?


さくら散る幻の芥

街道には

柑橘系の白い香り

この国は違えたのか?


光は緑に ....
電車の窓を震えるように水の玉が流れていく
ピアノは旋律を増して世界を高ぶらせ
その中で私は窓を這う水玉を見つめている

世界は私に嘘をついている
本当は私は深い溝で取り囲まれ
溝の中に ....
終わらない海を想像して
約束という言葉をちぎっては流す
冬が終わったら会いに行くから
そんな約束を果たせないまま
もう季節は夏になろうとしているので
出せなかった手紙は紙飛行機にして
非常 ....
雨戸をしっかり閉める
窓をしっかり閉じて
鍵をかける
電気機器のコードをすべて抜いて
ガスも水道も止めて
明かりも消して
それでも
どこからか音が聞こえてくる
時計の電池を抜いて
 ....
こうして死んでいく全てのありがとうにさようならをして横たわる。眼下を流れていく、ある程度フォーマルな日常。バニラエッセンスのにおいはどこにもいない。自分のために動いていたはずだったのに、なりたい自分に .... 雨の日の通学路には、原色の花が咲く
赤や青や緑の花が、水しぶきをとばしてくるくる回る
根っ子もやっぱり原色で、水たまりに勢いよくとびこんだり
雨の日は楽しいね
向こうから別の花がやってくるよ
 ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
                 080513





水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
{画像=080513015507.jpg}
春が過ぎて、
夏になった。
けれども同じように、
ぼくの目蓋は痙攣する。
ひくひくと
嗤うような調子で、
ぼくの目蓋は痙攣する。
ひくひくと ....
にごり水のすきまには
とてもせまい空席が
すみわたる空の波の間で
ゆりかごのように待っている

にごればにごった水のまま
にごる理由もわからずに
残されたその空席を
赤子のようにゆら ....
君がいてくれるなら
君が幸せでいるなら
それだけでいい

少し 泣いたら
また がんばろう
 教会の壁は白いものだ
 僕はそう思う
 緑色の夏の池の前に立って
 池の向こうの森に
 屋根と十字だけが見える
 教会に行こうとしないままに

  *

よく晴れた休日には
出歩 ....
5月というのにこの寒さだ
風邪をこじらせてしまって微熱が出ている

昨日バウハウス展に行った
ドイツワイマールが生んだ芸術は無機質で冷たい

芸術は時代に生まれ、伝統的な技術が加わって新し ....
一週間後の月曜日 
八十八の祖母の脳内に転移した 
二つの腫瘍にレーザーを当てる為 
頭蓋骨に四つの穴を開けるという 

三十三の孫は 
何も出来ずに枕辺に坐り 
祖母の呟く嘆きに 
 ....
 もう子供には戻れないのだから
 一人目覚める部屋には今日の予感は転がってない
 でもだいじょうぶ
 もう子供には戻れないのだから
 いつもの気だるさといつもの痛み
 もう理由を探すことをや ....
  (カワセミ!カワセミ!)

木々の重なりの一番深く
真っ暗な沢の灌木で小さな光を見つける
ポストの底に忘れ去られた手紙のように
思い出せないのに忘れられない
ちいさな鳥の形を
手 ....
オブラート越しの太陽は、微笑むこともなく、泣くこともなく
初夏の陽気だと告げられた皐月上旬
見た目よりもぬるい朝は、パーカーを置きに帰る気力をも奪っていく

パーカーにモッズコートを重ねたゆる ....
そのちいさな身体には大きすぎる
僕のYシャツを着ている君


窓に浮かぶ思い出は
あの日ならんで歩いた砂浜

せまってくる白線をとびこえて
水しぶきをあげてはしゃいでいた

いま
 ....
盆地を走る列車に乗って
窓から景色を眺めると
かつて僕の世界には
奥行きと幅
高さだけがあったのだ

あの山の並々に
目指す高さがあったのだ

今はその山の向こうの
知らない海が
 ....
今日の俺は酷い顔。

上手く笑えないで、とりあえずガンつけて。

気分転換に聞いたイヤホン、手が引っ掛かって。

ぷっつり切れて。

どうしたらいい、も、どうしようもない。

すべ ....
迷いや憂いが
くもらぬように

目から
胸から
耳の奥から
にごりに満ちて
澄み渡れ、




 愛するべきと
 かなしむべきと
 つつしむべきと叫ぶべきとに
 ....
           080509

神経質な男がいた
体温計の目盛りが
37℃を越えたと
大騒ぎする眼をなだめ
再測定を促すためにも
新たな予兆が期待される

男は毎夜壁を抜け
 ....
{画像=080420115727.jpg}
それは初夏のある晴れた日の夕暮れのこと。ふと見上
げた空に、解き放たれた赤い風船が一つ、橙色の風に
吹かれて、揺れているのが見えた。


《 風 ....
朝起きると気付いた、空は貼り付いているんだ
青色のセロファンが
電球を通して海を染めているんだ
それを知ったのは今日だった
間違いも無く今日だったんだ

昼に目を瞑って気付いた、ぼくの心臓 ....
砂で海を
中和できますか

青で水色を
中和できますか

さみしさには孤独
私は黙る

何時間も何時間も
ずっと黙る


フラスコの水 そそぐみたいに
時間を私たちに{ルビ ....
誰も知らない塔の最上階に
僕たちはいつもいた

その部屋は『時間の部屋』と呼ばれ
窓からの景色は
天も地も人も時間も
すべてが見渡せた

僕たちはいつも3人で
僕は皆から『過去』と呼 ....
モーツァルトの流れる

米国領の

朝方みたいな夕暮れを歩いた


ひとは街を創ろうとしている

感情を調節する

ひとは街を創ろうとしている


ショッピングモールの
 ....
  
朽ち果てた石
その微かな記憶
落葉樹は閉ざされたが
薄く匂っている
末端という末端に
隙間という隙間に
うずら料理の美味しい店で
わたしは女に求婚した
手の甲の静脈は変わること ....
      最後の /色

      残されたままに/
/ひとつの ....
kauzakさんの自由詩おすすめリスト(3315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
図書カード- 亜樹自由詩2+08-5-14
五月の光- 吉岡ペペ ...自由詩808-5-14
溝を見ている- 小禽自由詩308-5-14
約束- 大覚アキ ...自由詩508-5-14
- アンテ自由詩608-5-14
- ピッピ自由詩308-5-14
通学路の花- rabbitfighte ...自由詩608-5-13
水の空席- 望月 ゆ ...自由詩49*08-5-13
水の空席- あおば自由詩22*08-5-13
猫の目- beebee自由詩1708-5-13
水の空席- 小川 葉自由詩4*08-5-13
悲しい嘘はもういらない- 春日野佐 ...自由詩208-5-12
夏の池- 水町綜助自由詩808-5-12
BAUHAUS- 西日 茜自由詩5*08-5-12
日向の道_- 服部 剛自由詩108-5-11
戻れない- 山崎 風 ...自由詩408-5-11
夜想曲(_reverse_)- たりぽん ...自由詩10*08-5-11
期待外れの曇り空- chick自由詩3*08-5-10
「Yシャツと君と、君のちいさなお願い」- ベンジャ ...自由詩7*08-5-10
盆地- 小川 葉自由詩7*08-5-10
ストレス。- 狠志自由詩408-5-9
澄み渡れ、春- 千波 一 ...自由詩7*08-5-9
呼ばれてきた男- あおば自由詩5*08-5-9
風_船- beebee自由詩11*08-5-9
ノイエムジーク- aidanico自由詩1008-5-9
滴定曲線- umineko自由詩9*08-5-8
時間の部屋- sekka自由詩7*08-5-8
群青ジュース- 吉岡ペペ ...自由詩508-5-8
それでも世界は美しい- たもつ自由詩10+*08-5-7
残された色- 乱太郎自由詩25*08-5-7

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