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祖父が死んだ

ほんでもえらいわ
そう言って祖父は私の手を頼りに起き上がった
寝ているままでいい
そう言う私を制し

それは昨日のことだった

いつものようにコンビニで
祖母のおに ....
コスモスがコスモス色に咲いてて
ススキがススキのように揺れてる
土曜の朝
私鉄沿線の住宅地を
ぼくとたあくんは歩く

めずらしく陽が射している
建物の影が舗道をおおって肌寒い
ぼく ....
藤沢周平の小説に殺すなというのがある
中二のとき国語の先生が授業で朗読してくれた
先生はいまの私より十歳下だった

先生の野太くて明るい朗読は
鹿児島なまりの抑揚で歌うようだった
不埒な中 ....
チャルメラの音が鳴り響く町角に屹立して
ロープワークに定評のある熟年レスラーを思う
ああ 通り過ぎてゆく時代の中にひとり佇み
薄く塩味のつけられた茹で卵の殻を剥く
空が茜色に染まると言ってみた ....
今日の鏡は
流体にちかいのです
あまりにたくさんの欲望を映し出し 
水銀の鏡面に、他人のわたし
髪を短くすぎるほどに切ってしまったまま
ばらばらになった抽象画の 
かけらが流線の色彩を ....
 
 
きたぐにから やってきた
トラックに たくさん 
つみあげられて
まっしろな ゆきが やってきた
だれも たのんでいないのに

こうさてんで ていしして
ゆきは はずかしそう ....
竹の生い茂る中を歩く
辺りは暗い
竹の脇に燈籠がともる
燈籠の火が揺れる
火の玉のように泳ぐ
竹の葉が騒ぐ
そういえばここは海の底

麦畑に迷い込む
誰も捕まえに来ない
立ち止まっ ....
                 100122



方々に散っている友人が
一堂に集まると
威勢が良くなって
すぐに革命を起こしたくなるそうだ
その友人の一人が打ち明ける
革命的な ....
肌さむいが水をふくんだ夜だった

水のぶんさむさは何処かぬるかった

ことしさいごの年始の会合のあと

熱気にすこし汗ばんだからだに

夜は心地よくてなにか昔を思い出させた

どん ....
静かの海に来る前に、晴れの海に寄ったんだ
月の海、そうこの大きな穴ぼこ、クレーターは月の内部から湧き出してきた溶岩で覆われている
僕の銀色の船についている小さな窓からのぞいていると
ちょうど灰色 ....
プラスチックの色したカエルが
枯れ草に埋もれながら鳴いてる
今日はいいことがあったんで
笑ってんだろうね

つまんないものが
くるっとわっかを描いて
守ってたんですよ

彼の目の前に ....
オリエンタレ・ベイスンから
いくつかの高地(テラ)と海(マーレ)を越え
ようやくこの海にたどり着く
小さな銀色の船を岸に寄せるけど
この岩だらけの灰色の海には水が一滴もない
すぐそばにアルタ ....
ちいさな雨が降るね

音のない模様を

フロントガラスが濡れている

それはなんの痕だろうね

形のない法則を

夕方の匂いがこぼれている


きみは夕餉に消えてゆく

 ....
夕陽の(目)が覗いている 
冬の桜の樹の 
曲がった枝の、隙間から。 

張り巡らされた根の、喰い込んだ 
芝生の周囲に 
誰が蒔いていったのか 
白い御飯粒を啄ばむ 
雀等が、音符に ....
どろどろになったり
ぐしゃぐしゃになったりすれば
いいんじゃないかな
甘ったれたキモチにピリオドうちたい
それって 死ぬことじゃないよ
それって あきらめることじゃないよ

なにも言わな ....
ニコライ堂の鐘楼に
大きな黒い月が重なって見える夜
空気は鋭角の厳しさをもって
僕を立ち位置から取り除こうと
鈍くて黒い月光りが刺す。

ニコライ堂の裏を降りて行く坂の途中で
首の長 ....
我らは数珠を繋ぐように
今日まで生き存えた
なぜならば我らはヤンバルに抱かれていた
ヤンバルクイナの啼く夜

我らの未来は
明るくはないが消えはしない
なぜならば我らはヤンバルに抱かれて ....
「滴るものはなに
 あなたのために
 わたしのために」


自らの根を知らない
風に散ったひとひらの木の葉

蝸牛の螺旋におちた
その銀河のかたち

ソーダ水にお月 ....
 
 
掌から零れていく
砂は一粒の記憶
思い出せば
波に洗われて
二度と現われない
小さな墓石
寄せては返す波が
足跡を消していく
やがて僕らは
指と指の隙間だけを残し
いつ ....
佐鳴湖公園を散歩する
背の高い街路樹がカーブを描く
一点透視で並んでいく

それは、メタセコイヤ
杉科の樹で化石にもなるほど昔から、
変わらぬ形をしているのだという
背は、20mほどになろう
何十本 ....
ちぇっ!

右肩に強い衝撃を感じたと思ったら
見知らぬ男のひとの舌打ちが耳奥にまで突き刺さる

ちぇって言われてもね

いつもと変わらぬおっちょこちょいだから
うっかり階段踏み外して捻 ....
                  100118


野薪と変換されて驚いた

薪は天から降ってこないので
燃料店から購う
デフレの今日でも
薪は高い
安かったことなん ....
家族の朝は
音をころしてひそやかに訪れている

踏みしめる階段をあがる足
そうろりとさぐる一段いちだんを
寝息に重ねておりる足

みながみなの
寝るという作業を脅かさぬように
無事に ....
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北極星が輝きます
北極星は夜空に広がる星々の王様です
実はこの森の梟は
北極星が北の中天から動か ....
              こたつでコツンと
              ぶつかって
               
              今日はあんまり
              調 ....
海岸に
たくさんの鏡が並び
かなしみの海から帰る人々を
心に写している

私たちは
あなたと同じ
かなしみがわかるのだと
言葉にして語っている
ほんとうは
正反対の姿で ....
{引用=


  ? 世界は 魔法に満ち充ちて 不思議


赤 が
赤く見えること
青 が
青く見えること
それが不思議
だから それは魔法


花が 雪が
光のきらめき ....
ごめんね かぁさん
僕はあなたが生きている間に
謝れなかった
あのときのことを
謝らなかった

物心ついた時
母さんは家にいたはずだったが、
母さんの記憶は
千葉のサナトリウムから。 ....
明日の光が見えぬから
今日は息ができるのです
明日の仕事を知らぬから
今は休める羽なのです

凍るよな空気に震えつつ
温度を上げないのは
死んでしまうからです
希望の言葉たちが

 ....
手のひらを重ねるたびに
わだかまりが解けて行く
すでに基底された過去と
咀嚼仕切れぬ 含有物と
同じ手のかたちを持った
私たちは 逢わせる為に
分けて造られた者なのだ
言葉を ....
kauzakさんの自由詩おすすめリスト(3315)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
憂愁の瓦- 朧月自由詩1010-1-23
花の名前をおぼえられない- 角田寿星自由詩15*10-1-23
殺すな- 吉岡ペペ ...自由詩810-1-23
土曜日- セガール ...自由詩410-1-23
「ピカソ」- 月乃助自由詩13*10-1-23
ほうぼう- 小川 葉自由詩4*10-1-23
ほうぼう- 木屋 亞 ...自由詩3*10-1-23
ほうぼう- あおば自由詩6*10-1-22
水をふくむ夜- 吉岡ペペ ...自由詩710-1-22
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わだち- しべ自由詩210-1-21
月面航海記(静かの海より)- 楽恵自由詩11+*10-1-21
こころよ、帰ろうよ- 吉岡ペペ ...自由詩710-1-21
冬の音楽_- 服部 剛自由詩410-1-20
赦す- 朧月自由詩610-1-20
ニコライ堂の鐘楼に- ……とあ ...自由詩15*10-1-20
ヤンバルクイナの啼く夜に- 仁惰国堕 ...自由詩6*10-1-20
るる、る- ソノタ自由詩210-1-20
砂の記憶- 小川 葉自由詩410-1-20
散恋休- クローバ ...自由詩2*10-1-19
歩めるひと- 恋月 ぴ ...自由詩15*10-1-19
戯れ戯れの戯れの巻き- あおば自由詩4*10-1-19
音が運ぶ朝- 朧月自由詩310-1-19
フクロウと北極星- 楽恵自由詩4*10-1-18
こたつでコツン- 鵜飼千代 ...自由詩5*10-1-18
黙祷- 小川 葉自由詩510-1-18
現象学的還元- まどろむ ...自由詩5*10-1-17
結核療養所(サナトリウム)- ……とあ ...自由詩10*10-1-17
低体温- 朧月自由詩210-1-17
三角点- 鵜飼千代 ...自由詩4*10-1-17

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