入梅に映えるはな

雨の雫を身籠って

まぁるく結実して

空の蒼さをうつす
毒薬のような願望を散りばめた、
陰茎の夕暮れが、
いちじく色の電灯のなかで燃え尽きると、
ようやく、わたしの夜が訪れる。

静寂をうたう障子は、わたしのふるえる呼気で、
固く閉ざしてある。 ....
バス降りて 草むら行けば足もとに
稲穂ゆるがし イナゴ飛び立つ

秋雨のやうやく上りし宵の月
ジャンケンをして大人賑やか

耳もとに娘がつぶやきぬ生え際の
薄くなりしと夫のことをば
 ....
おもてに映るのは
笑って
泣いて
嘘を吐いて

うらでは何を
映しているの?
遠い空しか
見てないの、ね



仰向けに眠る癖は
やっぱり
私なんか
あなたのどこにも
 ....
あの時
「ごめんなさい」と言えなくて
けれどもその後
勇気を出して言いにいったけど
君はもう帰ってしまった

あの時
「ありがとう」と言えなくて
けれどもその後
がんばって言おうとし ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて

 ....
お互いが見えなくなったら
左胸を合わせて抱き合おう
お互いの背中から
悔いを打ち込んでつなげよう

言えなかった気持ちや言えなかった言葉
流れ出て交じり合う

声なんかいらない
胸打 ....
恋をするなら
声の素敵な子猫を飼って
恋しい 恋しいと啼かせます
一人の夜に膝に抱いて
小さな頭をやさしく撫でて


恋をするなら
おろしたての靴を履き
街をあてもなく歩いてみます
 ....
 * 雨 ぷらす 享楽
 
かたつむりを追いかけたり
水たまりに入ってみたり
いつもと違う遊びができる
この日を待ちわびていた
泥だらけのズボンの裾を誇らしげに
明日の約束を交わした
 ....
埃をかぶった辞典を開いて
君に伝えたい言葉を探してみる

学のない頭から出てくる言葉は
ありふれた簡単な単語ばかり

君を勇気づける言葉を知らなくて
根拠も言えず「大丈夫」を繰り返す ....
細いだけのものを紡ぎ
不器用に飾られた
花のネックレス
朽ちてしまうことも知らずに
綺麗さだけが
二人を青空にする

失ったものを見上げる
高層の谷間は
つくられた
あの娘の{ルビ ....
こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる

洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた

防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた

はにかみ屋さんで
口下手で
 ....
自分で決めれば
そこが
スタートに
なる



スタートラインは
つくるもの



誰かのつくる
スタートラインは
君の
それじゃ
ない



スタート ....
北の方角では
青年が祈っている
切実なその願いは
祈り、というより叫びのように
わたしのたましいに遠くから響いてくる

薄いカーテンの向こうでは
洗濯物が揺れている
梅雨の晴れ間と聞い ....
将来の夢を語り合うよりも
明日のテストに向けて
たくさんの単語を関連もなく
覚えることの方が大切だった
そのときのぼくの夢は痛かった

将来の夢を描くことよりも
今の生活を脱する方法を
 ....
受け付けの 色白美女に 会いたくて
毎日通う 脚のリハビリ




リハビリの
 マシンの声が 「がんばって」
    あげたいけれど あがらない足




リハビリ ....
続いた雨の音階は消え
訪れた静かな夜
問うこともせず
答えることもなく
過ぎてゆくだけの影に
狭くなる胸の内

満たしていたもの
耳に慣れた雨音と
肌に馴染んだ湿度と
それらの行方 ....
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし

寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく

留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ

矢 ....
「ダナエ」


私は誰にも会うことを許されず
塔に閉じ込められたダナエ

ひとりひっそりひそやかに
窓の外の雨を見ている

もしもあなたがゼウスのように
黄金の雨となって
この身 ....
何を植えるかなんて
考えもなしに
掘りおこした
庭のすみ

やわらかい土の頂きに
雀が降りて
ころころと、まろび遊ぶから
つい、嬉しく振り返って
あの人の面影を探してしまう

幸 ....
考えてみるともうずっと
生活はあなたの色に染まっていて
以前がどうだったかなんて
少しも思い出せそうにない

だからと言って
あなたとの距離が近いかと言えば
残念ながらそんなことはな ....
夜の闇に雪が舞う
灯りなどないのに
冷たい光を
放ちながら
風に踊り雪が舞う

風音に混じり
高く悲しく泣く声が私の凍えた耳に届くのだ

しばれた体を
引きずるように
声の主 ....
小さな埠頭に飾られた
裸婦像のデッサンは
優しい夜を映していて
僕はそれを見るのが好きだった

そのデッサンには
味のしない名前がついていて
僕が生まれてから死ぬまでの間に
たった三人 ....
アキコの場合も

どんな言葉言っても

すべて受け入れて

よけいに気持ち強くなっていった

おなじものを感じます


あれっていったいなんだろうね

正しいことがどうのこう ....
雨がふる
傘をさす
そうすることによって
かなしみは埋もれる

コンクリートににじむ
蒼くなる影
雨粒を食べる
奇快な虫たち

かすみゆく視界
君に会っても
気づかないだろう
 ....
隣の席で
難解な数学の問題を
すらすらと解く彼が嫌いだった
無能な自分を見ていた
何でこんな複雑なものを
考え込むことなしに
さばいて見せるのだろう
その姿勢がどこか傲慢で
さらに彼を ....
朝埼京線の中で
学生の頃好きだった人を見かけたよ
もう十年になるんだね
なんだかやっぱり素敵だね
青臭かった僕の見る目でも
間違ってなかったね

化粧が薄くて色が白くて
どこか悲しそう ....
キミのことを
すごくスキだ。

キミのことを
とてもスキだよ。

キミのことを
めっちゃスキやで。

キミのことを
すんげぇスキなんよ。

キミのことを
ちかっぱすいとぉよ。 ....
焚き火をじっと見ていた
三日月が荒れた海の上に濡れて
俺達は二十人ぐらいで
世界の果てで

最後の夜で
世界の果てで
焚き火を囲んで
女たちはずっと歌って
男たち ....
ピアノの調律を数式化した教室で
黒板に書かれた文字を
僕たちは理解しようとしない

故郷の水不足を報じる朝日
此方では雨が降るけれど
牛の鞄ではダムにはならなくて
蛍に逢いたいと
彼女 ....
Rin Kさんのおすすめリスト(2756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
*紫陽花月のはな日和*- かおる自由詩11*07-6-30
停泊する夏- 前田ふむ ...自由詩23*07-6-29
27P_「短歌2」より- むさこ短歌11*07-6-29
嫉妬- 小原あき自由詩18*07-6-29
もう君はいない- ぽえむ君自由詩25*07-6-29
猫缶- 水町綜助自由詩1807-6-29
- アマル・ ...自由詩4*07-6-29
恋をするなら- 石瀬琳々自由詩22*07-6-28
梅雨- 倉持 雛自由詩1007-6-28
見つからない- 北大路京 ...自由詩30*07-6-28
ジルの野原- たりぽん ...自由詩12*07-6-28
- 恋月 ぴ ...自由詩36*07-6-27
スタートライン- 秋桜自由詩7*07-6-27
輪唱- 銀猫自由詩15*07-6-27
痛い夢- ぽえむ君自由詩9*07-6-27
リハビリ- 北大路京 ...短歌8*07-6-27
真夜中に沈む月- LEO自由詩33*07-6-26
25P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-26
雨音幻想_〜三人の女〜- 未有花自由詩13*07-6-26
つゆむらさき- 佐野権太自由詩37+*07-6-26
知らない事実- はるこ自由詩407-6-26
悪夢- 彌月自由詩2*07-6-25
- おるふぇ自由詩807-6-25
転送- 吉岡ペペ ...自由詩607-6-24
霧に包まれた君の姿- ゆうと自由詩4*07-6-24
無能な自分- ぽえむ君自由詩16*07-6-24
僕らは僕らを生きるんだ。- もののあ ...自由詩15*07-6-23
ラブレター- 山田隆自由詩9*07-6-23
最果て- 水在らあ ...自由詩25+*07-6-23
創書日和「窓」__約束- 士狼(銀)自由詩14*07-6-22

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