あの頃は誰もが夢を見てた
遠い未来に憧れて
恋に恋していた
だけど今ひとりきり
支えてくれる人もないまま
ただ後ろを振り返らないように
前を向いて歩くだけ
やさしさにかえりたい
素直な ....
持っているの?
あなたに尋ねられて
思わず
持っているよ。そんなものと
答えてしまった
だけどね
ほんとはね
バッグのなかを
さんざ探しても見つからなかった
どこかで買えるのかな
 ....
ひとつのポケットにふたつの手を入れあたたまったふたり雨の日。




雨の日にはくりくりになる。
きみの髪くりくりするのが好きだった。


怒られるの ....
いつか君の病気が治ったら
どこにでも行こう
そのときまでに俺は
いろんなところを見ておくから

いつか君の病気が治ったら
カンパイしよう
缶ビールでいいよ
もう薬はいらない ....
みずたまな くりりん まんまるね ふるるん はじけてみたのは
わたしの中の あなただった
どこへもゆける ぷりずむの 軌跡 のこして
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
 砂漠のような街
 愛という水を求めて
 今日の続きが明日
 明日はお得意様
 大好きなあの娘
 連絡ない
 黄色きパトライト点灯
 モチベーションの落ちた枯葉
 どんな時も自分は ....
闇の中で抱きしめる
体温だけを信じられるように
つまり、それはそう
あなたを想うだけで
私はどんな場所でも
世界の果てにすることができる

孤独は誰かを欲しいと感じる気圧
星だっていつ ....
誰かが扉を叩いてる
今の私では
私からでは開けられないので
そっとその扉を開けてほしい
本当はそれではだめなのは
わかっていることなのに

誰かが扉を叩いてる
いまの私では
私からで ....
遥かに遠くに満ちてゆく、夢のような泡立ち。
その滑らかな円を割って、
弱くともる炎。
最後のひかりが、睡眠薬のなかに溶けてゆく。

みどりで敷きつめられた甘い草原。
潤沢なみずをたくわえて ....
陽射しが緩む毎日に
空が
ひとつ
忘れ物をしました

宇宙まで透き通る空は
あおい色を
キラキラ煌めかせて

風に総天然色の花を
ふりまいていても

コートの襟を
かき寄 ....
カフェの窓辺の席

ぼんやりと外を眺めてた



交差点を行き交う人々、車



ガラス越しに

水族館の魚を見ているよう



水族館の魚たちも

人間たちをじっ ....
舌先でかるく転がすペパーミント
    君の涙の訳はきかない


雨が降るだから今すぐあいたくて
    水玉模様の傘さしてゆく


まぶた沁むほんの少しのメントール
    ただ甘 ....
森の中に
タイヤは捨てられた
誰にも見つからない
誰も見つけようともしないだろう
タイヤは毎日
真上の青空を
口を丸くして眺めるだけだった
たまに流れてくる白い雲を見ては
無理をして走 ....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
昨日 あなたは捜さなかった 僕を
月に照らされて丸まっている 僕を

だから僕の涙は涸れている
ことはかなく濡れている手足は
水たまりの中にあなたを捜したから

誰かがあなたを連れてった ....
いいやもう
いいやもうって
思います
僕の言葉は
風に呑まれる

だってさあ
だってさあって
いうけれど
風が吹いたら
それでさよなら

いいやもう
いい ....
昼寝をしたくなったので
風呂場にある海苔を持ってきた
それにくるまって
うとうととしていると
玄関のインターフォンが鳴った
先日頼んでおいた入道雲が届いたようだ
猫の手ではんこを押したが
 ....
先輩が急逝した。

スキー場で倒れたんだそうだ。ドクターヘリも飛んだらしい。まだまだ、これからというときに。

先輩が主催していたメーリングリストがある。会員は2500人。毎日の膨大な投稿に、 ....
 元気をプラットフォームで落としちゃった
 どこ探してもない
 誰かが拾って食べちゃったな
 困るんだよ
 元気がないと
 明日の仕事にも行けやしないじゃない
 もう、ずる休みできないんだ ....
さいはての地にふりつむ雪のごとく君と重ねる想いは純白


車窓より眺める赤のグラデーション眠れる君の夢に届ける


冬景色 北国の海 雪と星 その中にいる君と私と


ゆるや ....
ねえ覚えている?
初めてあなたと出会ったのは
裏通りにあった小さなヘアサロン
あなたはまだぎこちなくて
遠慮がちな手つきに
硬く閉ざしたこころの奥で
何かが弾ける音がした
(誰かを好きに ....
 乾いた太陽の光を浴びて
 胸に光る星のまぶしさ
 艶やかな新緑がスタートラインで待っている
 昨日までのこと
 風船のように大空に舞いあがって
 すれ違いのベクトル
 約束の街角
 零 ....
冬の星座を
天体望遠鏡で観察してみた
丸いレンズの中には
大きな歯磨き粉が写った
どうやら粒塩が入っているらしい
プカプカ浮いている
歯磨きはどこにも見当たらない
キャップを取ったまま
 ....
ほのぼのした顔で
有るったけ ふみにじり、
思う存分に略奪して
走り去ろうと
する

 と、

足に纏わりついた母
「行かないでおくれよ

なんて云うので
「ああ、そう
お腹 ....
如月の冬晴れの日に
暖かな日差しに誘われて
弥生の風が勇み足

まだだよ
まだだよ

如月の必死な様をよそに
卯月までもが気が急いて
弥生の肩越しに覗いてる

ま ....
春が来たのかこの風よ
ゆったりとした時がゆく
澄みきる空にまぶしさを
連なる山に豊かさを
春の命を運んでる

春のときめき抱きつつ
春に咲く花見にゆこう
道には雪があるけれど
春の命 ....
あ、一番星!


いつもなら、満天の星空の下を帰るのに
どうして今日は、まだこんなに明るいの?

赤と青のグラデーション
こんな時間は、まだ
一緒にいられるのに


バイバイが、 ....
バレンタイン
伝書鳩も今日だけは
ハートのチョコを配達します



サメですがあなたを食べたりしませんて
彼は頬白、僕は甚兵衛



カメレオン
実はほんのり悲しいの
わたし ....
画布一面に
描かれた椿の
色彩の深みは
凍えた空を思わせて
ひとすじの風にさえ
枝葉のさざめきが
聞こえてきそうであった
重なりあう緑葉の中に
たった一輪きりでも
咲き誇る花は
見 ....
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