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海へ行った
病気の母を連れて
もう一年も前
秋の始まり
懐かしい
海岸線
生まれた町
揺れないゆりかご
籐の編み目の
飴色の海
その色を
ずっとみていた
ゆっくりと歩いて
波 ....
目から涙が
流れるのを見ている
左耳を枕に押し付けて
横たわって
右目の目頭から
左目の目尻から

梅雨の日のガラス窓
流れて渇いて
それを部屋の中から眺めているような
す ....
 Quartz
 震えて
 終わりと
 始まりのないものを
 区切っていく
 切り刻んで
 数をあてる
 なにものとも
 名づけられない筈の
 私より薄くて
 鉄も
 昼夜をも含 ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて

 ....
+四杯目から+

 店の一番奥に大きな真っ黒なドアがあって
 それはちょっとやそっとでは動かせそうにもないタンスで蓋をされてる
 さらにはドナセラなんたらとかいう幸せの木の鉢植えでカムフラージ ....
バルサミコソースが複雑に酸っぱくて
関係ないのにあの汗の味に似ていたからって
ああもうぜんぶだめなんだとフォークを置いた
まったく大げさな話だ
こうやって一日中町をふらついたあと
溶けた飴で ....
地下鉄はきらいだ
そとは暗い

こんな朝に
あいさつを
したいのに

 *

このうすいからだの皮膚に

染みだしたような

うわずみのような感情が潤んで

それを掬おう ....
1997
ひらいているのか
ひらいてないのか
ラムネの瓶から転がりだした目で
すべての皮膚が内側からはちきれて
剥かれた/剥いた
滲む赤い体で
そのひとつの透明な血袋が
なににも触れな ....
取り違えられた

色の壁
名前を聞かれて
「青」
と答えてしまう

投げた
配水管の中に
あいまいな
猫が
右目がつぶれてしまって
横たわっている
弧を描いたらしい
血が ....
ピンクの透明なライターを
すかして落ちる電球の光は
穏やかな菱形にゆれていて
口をあけてすごした何百回の夜を
あくびなみだのふるえにも似て
思い出させた
夜の路地を行く人々は
人々
だ ....
今歩いているこの路地が
たとえば海沿いにしかれたひそかな町の
その奥に抱かれた狭い路地だったとして

世界一小さいという砂粒が
つもって出来た町だったとして

もうあと何件かの民家を越え ....
たとえば僕の場合それは
初めて
しり あった

というやつと
つめたい汗を皮膚に浮かべながら
五月
間延びした地方都市のなかで
その延びきったらへんで
道がすこしだけ
ほんの少し ....
{ルビ円=まる}く
操作場に日が満ちて
白く

陰影を見開きに

分けないので

水が貯まっていくように
温度は上がっていく

畳のめが潤みはじめ

いま
から
あのとき ....
晴れきっている

閃光が停止してる

この路上から垂直に

そのぶちまけられている幾多の天井の上に

切り欠けている

せいかつ

の片側たち

半身の動物園

豆の木 ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
フ と目の前に綿毛が飛んでいたので

ク とつかまえて離して見ると

それはチカリと赤い血の玉で

もう一度握ってはなすと

{ルビ捩=よじ}れてつぶれて菱形のいのちに変わった ....
パンのみにいくるにあらずとパンなしではしんでしまいますよ

数えれば29個も
もっと切ってひらいてつまんでいけばたくさんの
おれを連ねてきたものだなあ

たてに

たてだけにかさねて
 ....
{ルビ鈍色=にびいろ}の鉄を見ている

あくまで照り返しでしかない光が

滑って離されて放たれる

今目の前にぎっしりと詰まった木々を越えた

越えてうんざりする



体温よ ....
僕と君はただの点なんじゃないかと
よく晴れた三月の駐車場に僕は立っていて
電話で君相手にそう言ってみて
銀行員の運転する車が入ってきた
銀色の車体に青色を流して
僕の腰から下も映って ....
今朝春らしいものが突然に

額に寝汗として現れぼくはそのために頭が重い

ぐっしょりと水を含んだようだ

重たい頭はぼくをふらふらと外へと向かわせ

安普請のとびらを体の重みで押しあけ ....
回る理由もわからないまま母体は回り
僕を孕み生み、落とした
知らないよこんなところは

なんだ、 この鉤裂きは


ある朝目を覚ました
父親が死んだ

ひとしきり遊んで帰った
 ....
冬が秋に流れ込むとき

夜に長い雨が降って

切れ味の鈍い刃物みたいなつめたさの水が

体と体の間に滔々と流れた

僕はとある地方都市の道の真ん中で生まれて

都市計画がめずらしく ....
Rin Kさんの水町綜助さんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青色- 水町綜助自由詩1908-6-11
雨の流れかた- 水町綜助自由詩1108-3-22
Q- 水町綜助自由詩2407-8-27
猫缶- 水町綜助自由詩1807-6-29
source- 水町綜助自由詩16*07-5-31
sauce- 水町綜助自由詩13*07-5-31
おはよう- 水町綜助自由詩22*07-5-22
黄金週間- 水町綜助自由詩18*07-5-21
真夏日- 水町綜助自由詩30*07-5-9
点火- 水町綜助自由詩24*07-5-2
海沿いのまち_なみ- 水町綜助自由詩24*07-4-23
余剰の中で- 水町綜助自由詩18*07-4-11
春眠- 水町綜助自由詩15*07-4-9
kiri- 水町綜助自由詩15*07-4-7
花冷え- 水町綜助自由詩35*07-4-5
1997- 水町綜助自由詩27*07-4-1
TOAST- 水町綜助自由詩17*07-3-29
果物の匂い- 水町綜助自由詩18*07-3-22
Galapogos- 水町綜助自由詩8*07-3-9
春の憂鬱- 水町綜助自由詩8*07-3-4
回る理由- 水町綜助自由詩11*07-3-2
体温- 水町綜助自由詩5*06-11-25

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