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夜に、わたしは
はしたないほど口を開けますから
どうぞそこから私の中に
入っておいでなさい
内側から私を喰い尽くして
やがて空洞になった私の躰は
それでもまだぬるま湯ほ ....
夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた
木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた
教室も ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける
楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる
アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....