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夜行列車の車窓。
夜明け前の雪国。 
宙に舞う風雪。
山々の裏に潜む朝陽に 
うっすらと浮かび上がる 
ましろい雪原。  

( {ルビ転寝=うたたね}の合間 
( 車窓の外に離れて浮 ....
宇宙が地球を影す頃
そろそろお家に帰らなきゃ
おいしそうな夕飯の匂い
あの子の家はカレーかな
いいないいな、おいしそう

僕の家はどんな匂いかな
好きな物が出るといいな
 ....
しろいしろい部屋に
しろいしろいテーブルと椅子
しろいしろいお皿に
なにかうつくしい食べるもの

朝の桃色の光が
しろいしろい部屋の
しろいしろいテーブルと椅子と
しろいしろいお皿と
 ....
ぼくたちは客車のなかで汗だくで存在する
ぼくたちは時に自分たちの水分によりとろけてしまいそうになることがある
木々のようにつり革の手前で僕たちはたたずむ
そうしてなるべくスマートに中央口の改札を ....
ぼくたちは静かにシンナーを吸引する

ボンドやパテやガソリンはやらない

誤ってガソリンを飲んだロッテは恋人のアパートで死んだ

その恋人の名前をぼくたちは知らない

ぼくたちは常に純 ....
序章

薄くけむる霧のほさきが、揺れている。
墨を散らかしながら、配列されて褐色の顔をした、
巨木の群を潜ると、
わたしは、使い古された貨幣のような森が、度々、空に向か ....
山より落ちる一粒の
わずかばかりの水なれど
一つ一つとまた一つ
上から押され下へゆく

岩から岩へ結ばれて
わずかばかりの道なれど
下へ下へとまた下へ
道はつくられ道はある

落ち ....
心の中に一つの頑健で豪奢な台座をこしらえてある

それはいつ頃造ったものか忘れてしまったが

確かなことはその台座は心の中のどこよりも高くに設置したもので

僕という人間は多聞に洩れずあま ....
どんな夜にも月は鎮座して

 炎と水とがこぼれ合うから
 欠けても
 ゆるし
 て、

けものは静かに
帰属する



荒涼の異国を踏むようにして
夢見の鮮度に奪われて
 ....
幼子が堅く握った手を
僅かにゆるませるように
朝の光を浴びた梅の木が
真白い花を孵化させている

豪華さはないが
身の丈に咲く、その慎ましき花に
頬を寄せれば
まだ淡い春が香る

 ....
閉じた瞼の下側でかすかな
痙攣
精錬された鋼の穂先
朝焼けに震え
号を待ち 轟く音声
倒された無力な草木 精気の
抜けた手の中に在る
日の力 強く握られた
可憐 刃先を業より外して
 ....
静かな森に
命の眠っていく音が響いて
今日、一日の心音の数を
手のひら一杯に数えて
それを大きく
飲み込むように

明日へ繰り越すための挨拶をすると
その分だけ誰かが、ほどけていく
 ....
カップ酒飲みながら描かれる似顔絵を横目に
不忍池にむかって階段を下りる

もう大阪焼きの屋台はなくて
飛べなくなったオオワシが
うずくまって水面を見つめている
上野には
飛ぶ空がないのだ ....
干支がちょうど二回りして
ああ、今年は当たり年やなあて思ってたときに
行ってもうたあんたのときとは違って
長生きした人の葬式は
ほんま呆れるくらい殺風景なもんやな

受付の人は寝 ....
花の咲いた間だけ
とげに触れぬように

見張るように透明なコップに
移し変えたのは

空の下で枯れるすべての事から
逃げるためですか
守るためですか

とげよりもおそろしい指で
 ....
わたしの妻は冷たい。
どれぐらい冷たいのかというと、
夜中に妻の躯の冷たさで、
飛び起きてしまうほどである。
そんなとき妻に触れていたわたしの部分は、
軽い凍 ....
鋭いペンでメモすることを怠けて
けさ見た夢を 忘れてしまった
と この 夢を忘れたことも 忘れてしまわないように
いま 空色のペンで書いている

けさ見た夢だけでなく もっと色々なことを忘れ ....
それはかなしいことだけれど
わたしたちは
ひとつになんかなれません
べつべつのからだのなかに
べつべつのかなしみがあるの

それはかなしいことだけれど
わたしたちは
いたみをわかちあえ ....
海を見にゆこう
大きな風車が回っている
いくつもいくつも回ってる
海は光っている
風も光っている

山の神社に守られて
音はあるけど
音がない
そこから陽が放たれる

海を見にゆ ....
ぐらりと揺れたのは
景色じゃなくて私だった
見知らぬ若者に少し体重を預けバランスをとる
助けてはくれないが積極的に拒みもしない
そんな時代だ

電車を降りて足早に地下道を歩く
私の前には ....
青い月の下で
唇が切れると
錆びた味は生温く
舌先に現実とゆめとの
境目をおしえて
わたしが誰であったか
あなたが誰であったかを
思い出させる


青い月の下で
繰り返されるくち ....
たった一言の失言のせいで
創りあげたい美しい国の
議会はまた空転を続けている

かつての集団就職の金の卵たちが
機械化の波に押され
三高神話に駆逐され
猫もしゃくしも
大学と言 ....
ひとりの人間の哀しみに
わたしは立ち入ることができない 

十日前に夫を亡くした同僚の 
目の前を覆う暗闇に 
指一本たりとも 
わたしはふれることができない 

( 背後から追い立て ....
 今、発車前の夜行列車のなかで
この手紙を書いています。上野駅
は昔から無数の人々が様々な想い
を抱いて上京する駅なので、昔と
変わらぬ空気が今も残っている気
がします。 

 先程、少 ....
             1999年11月6日
空っ風の中で
紋次郎は立ち止まる
家に寄ろうか
いや、止めとこう
妹も生きては居るまい
帰ったって何もありゃしない
家の跡が4隅 ....
暗い部屋で息絶えるより、空の下で死にたい。
冷たい土に埋まるより、海の青に溶けたい。

私は、かえります。
かつて私が旅立ち、戻ると約束したところへ。
あの遠く懐かしい、何もかもを許し、消し ....
 君が死んでからもう二ヶ月が経つ
 僕は病院に行くために若草色のバスに乗る
 僕は19歳で喫茶店でバイトをしながら詩を書いている
 最近調子がいいんだ
 病院の帰りにメールが来て彼女から会わな ....
思い出す
ロンドンの路上に描かれた
誰も訪れたことのない大聖堂
クレヨンのドアを開ければ
鳴った1ポンドの音

思い出す
場末の映画館を探して
路地を何度も曲がり続け
が、結局たどり ....
 朝日の射す部屋に久々にお花を飾りました
 真っ白な陶器の花瓶にたおやかな薄桃色と深紅
 そっけない床にコトリと置くと
 たちまち同化し花々は床に咲き乱れます
 
 私は伝うものが涙だと
 ....
霞んでいく景色の中
手を伸ばしたが
届くことなく
落ちた

暗闇の中
もがいてみるが
水のようにすりぬけて
何も掴めない

痛みに目が覚め
大きく手を伸ばし
世界を確かめた
 ....
水在らあらあさんの自由詩おすすめリスト(3047)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜明け前_〜老婆の言霊〜_- 服部 剛自由詩1007-2-6
宇宙の宿す、影の頃- なかがわ ...自由詩5*07-2-6
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虚空に繁る木の歌___デッサン- 前田ふむ ...自由詩22*07-2-5
一つ一つとまた一つ- ぽえむ君自由詩14*07-2-5
二月一日_自由- 水町綜助自由詩6*07-2-5
動脈- 千波 一 ...自由詩15*07-2-5
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葬り廻り- なかがわ ...自由詩5*07-2-5
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「_つめたくて。_」- PULL.自由詩10*07-2-4
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それはかなしいことだけれど- ふぁんバ ...自由詩12*07-2-4
海を見にゆこう- ぽえむ君自由詩8*07-2-4
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青い貝殻- 銀猫自由詩26*07-2-4
*ひめさまへ*- かおる自由詩19*07-2-4
冬の車窓_〜二〜_- 服部 剛自由詩12*07-2-4
手紙_〜四つ葉のクローバー〜_- 服部 剛自由詩12*07-2-4
赤城山- あおば自由詩8*07-2-4
「eternal_blue」- 和 路流 ...自由詩2*07-2-4
君の街まで桜色のバスに乗って〜2004年初夏〜- はじめ自由詩7*07-2-4
_- 太郎冠者自由詩307-2-4
花を食う- 茉莉香自由詩14*07-2-4
頭痛- 優羽自由詩3*07-2-3

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