あの人はきらいって
言われてるらしい
私の
知らないところで
しずかな毒が
含み笑いで流される
私は
ビルの屋上で
ぼんやり街を眺めてる
きらい
きらい
きらい
....
魚が膜を突き破る
なにも啼かず座り込む鳥
船はゆっくりと線をひいて
そのしたにはひっそりと海
気がついたときには世渡り上手で
海渡り上手になっていた
キラキラした夜の海を彼女は
水面と共にうなりながら歩く
体にさざなみがこびりついて離れない
頭にひとなみがこびりついて離れ ....
....
夜
煙突にのぼって
覗きこんで呼吸したら。
まるで壜笛みたいに
ほうほう と響くさ
街中に僕らの、底抜けに深い
ふかいかなしみが伝って
犬がこたえる
靴が家出 ....
UFOをみたわ
妻がいうのを
信じてあげたいので信じる信じれば
信じよ
たとえそれが
なすびの形をしていたとしても
こたつのなかで
足の指で会話してたのは
ケンカしたての若い頃
....
バーボンだ、もっと
バーボンを焚け
今日 なにを焦がそう
もう 骨しか残っちゃいない
それでも
小さな炎で
じりっと炙れば
ピシ ピシと
春の芽吹きの ....
光のくずは
朝のなかをかがやく
屋根にならぶ
しずくの
影
雨の音は
あたたかな蒸気と きみを はこぶ
まどぎわにあそぶ
まだ 新しいひとみで
洗われてゆく 世界をみつ ....
「この花きれいだね」
あなたは美しさの形を指先でなぞると
風の誘うままに微笑み
未だ慣れぬ白い感触を確かめながら
おぼつかない足取りで
わたしの半歩先をゆっくりと歩む
....
真っ暗な夜に
かすかに見えるレインボー
夜空であんまり見えないレインボー
孤独でしかない
真夜中のレインボー
かすかに聞こえる歌声は
お前が歌ってるんだろ
そ ....
夜になるのが怖い
昼を生きるのが怖い
朝を迎えるのが怖い
現実が怖い
怖い
歩く事がつらい
立ち止まる事がつらい
走り始める刹那がつらい
夢想がつらい
....
青空に
まっすぐ追いかけて
あなたを
揺れながら消えていく
ひこうき雲に
私は
なりたい
ボタンが取れて
心も取れた
はだけた世界に
乱れて飛んだ
あなたの思いは
月に溶けて
宙を舞う力なき手に
ただ一つ
霞だけでも掴めれば
わたしの思いも粉にして
あなた ....
{引用=明け透けな 夜の温度を 手ではかり}
*
{引用=
きょねんのわたしが
さくらのしたでそつぎょうをしているころ
まだはだざむいこうえんのベンチで
あなたは
またはんぶんに ....
ちわちわ
きみの髪は
自由な方角に
くるくる跳ねていて
すべての
春の出来事を
指差すような軽やかさ
PARCOに
君の春が咲く
パステルのロゴさえ
君の一部で
でさ ....
15の春に殺意、ですか。。どうだかなあ。
ボクらが思うよりずっとずっと。10代の世界はすすんでいて、
そして病んでいるのかもしれないね。
病んでるって言うと、ネガティブな感じだけどさ。 ....
花の季節
甘い香りに誘われて
気が付いたら
ベルを鳴らしていた
君ん家の
薄暗い狭い部屋で
僕は机のろうそくの炎見とれて
冷たいため息をはいた
一歩外に出れば広告や店の看板の光で満ちた
都会の光がふってくる
僕はその光から逃げ
自分のぼろ ....
文部省(ぼくらの頃は)が認めた国語の教科書に「こころ」がのってて、それから「人間失格」もありましたね。どちらも素晴らしい(後に全編読んで面白かった)けど、何を学べば良かったのかな? 国 ....
昆虫採集は
流行らないので
コトバ採集やっています
薬液は要りません
*
空からツバメが
落っことしたのや
麦の穂のさやぎから
あふれ出たのや
流し台のシンクの隅に
....
稲妻に撃たれて燃え上がる大木の下
くわえタバコでバイブル弄びながら
きみの背中から腰までの
緩やかに弧を描くラインを思い浮かべて
夢見るクスリ飲み込めば
月の裏までたったの5分
最終電車で ....
夜の交差点で
信号待ちをしてると
湿った風が吹いてきて
自分の命が
カラカラと音をたてて
笑いはじめる
ひきつった顔をいつまで
つづけているの
....
こわれた たましいの
かけらが 寄り合って
ぼんやり ひとの
かたちを つくっている
影がないので それとわかる
ああ素朴な人に会いたいのだ
こんな
読めない漢字のように
むずかしすぎる人々にもまれて
どこでなんの役に立っているのかわからないような
仕事をしている
サラリーマンの僕ならば
階段の ....
あなたに感じないもの
それはリアル
あなたが
人形みたいに硬くするから
それは
慎むことだとわかってしまう
入り組んだ住宅の細い路地を
あてもなく曲がって
ここがどこだかわから ....
色褪せて見えるのは
それは
移ろうものだから
言葉にしなければ
無いもの
消えていくものだもの
言葉にしたら
何れは
虚しいものに変わるもの
想いは泡の玉みたいに
たく ....
一.
春待ちゆびが
くちびるにふれて
かた
むね
こし
と
跳ねていく
抱きぐせがつくからだめよ
二.
ぱた ぱた
と舞う洗濯物を
清潔とす ....
明るい朝の日差しのなかで。
痙攣する手が手渡そうとする綿毛のたんぽぽ。
飛び立ってゆく綿毛、綿毛、
白いこどもたち。
白いのは綿毛ではなく世界ではなく私の視界でありより正しく言うならば ....
あなたを
所有することも
捨て去ることも
できずに
ただ
他愛無いメールを打って
返事が来れば
それで
幸せ
めざましテレビの占いが
なんとなく気になるように
今日 ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
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