うちの近所に、やたらと犬のフンが転がっているエリアがあって、
そこを通る時は、かなり足元に注意を払っていないとえらいことになる。
街灯もないので、夜なんかは特に要注意だ。
昨夜もそこを通って ....
(下記の文章中には話の流れ上、性的な表現が多数含まれます。18歳未満の方はご遠慮頂いた方がいいかもしれません。)
今から15年も前の話である。
私はその頃、大阪の堺市にある大病院の研修医を ....
はるかあとおくうのお かぜのおむこおにい
きてきいのおおとのお
ちり〜ん
と
ゆうおじさんのリヤカーが通り過ぎる
ゆうおじさんのリヤカーには
ぽるしぇ
と書いて ....
明日は
遠くへ行こうと思う
太陽が眩しくて
だからといって目をつむることはない
登り坂は上を見るためにある
アスファルトの道は歩きやすい
子供の笑い声は音楽だろう
受け入れて ....
舞い上がったタンポポの綿毛が
振り返って見下ろした風景
歩道で蝉の抜け殻を
知らず踏みつぶしたときの音
そんなふうに目覚める朝
新しい自分が
古い骸に驚いたり
影よりも陰 ....
あんしん したい
ボクは もっと あんしん したい
やさしい おんなのこと いっしょに
おふとんで まるくなるのも いいし
いつでも なんでも
おかわり じゆう ってのも いいし
....
きらびやかな服を着て
きらびやかな街に出て
たまごの美味しいお店で
美味しいたまごを食べ
たまごが美味しかったと
あなたに電話をした
何て答えたのか覚えてないけど
あの日はあなた ....
あほほほ、ほぃ。ウほほの国から参ります。
へいへいほー。分かっちゃいるけど、へいへいロゥ。
はらほろり。ひれはりるれロ。ほろほろル。
くに ....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
どうしても
がまんできないとき
上質なシュガーを
舐めたり
舐められたりしたいの
誰も寂しい思いを
しなくていいように
午前五時
買ったばかりのブーツでも足がかじかむ
約束にはまだ早いけど待ちたいからあのコを待つんだ
ふたりで今日どこまでもいこうって約束した
午前七時
バスが通勤のサラリーマンを詰め込んで ....
あなたが
雲雀の落し物を書き記しているとき
あなたが
コーヒーの甘さに悪態をついているとき
わたしは遠ざかる
遠ざかってゆく
あなたが
もつれた糸を我慢強く解きほぐすとき ....
無垢ということばをきみはエンジェルの首とたとへる一月も冬
戦場に突如飛来す少女その名前を問わばサイレンが鳴る
ラララララきみが歌えばきみの歌、土足でだれのメロディー奪う?
....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた
まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々
昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
真昼の路上で、水溜まりがゆっくりとその温度を上昇させてゆくのを眺めながら、
チェリーソーダに浮かべたバニラアイスをストローでもてあそんでいる。
グラスの表面についた水滴が、この途方もなく退屈な世界 ....
手のひらを組んで祈りのかたちなら無人の廃虚に風だけが舞う
街中にひかりあふれてもう星は絵本のなかでまたたくばかり
羽根はもう風にさらわれ剥き出しの骨をひろげるだけの桜木
....
国語の教科書
「急がないと」の「急」が
「魚」に見えた
魚がないと大変だと思っているうちに
心もひれになって
ふわふわと泳ぎだした
先生や友達もみんな
大きい魚や小さい魚 ....
山です
どすこい
山脈です
どすこい
太平洋側からの地震止めてます
どすこい
ってゆーかわたしが重すぎるだけなのか
あのさあ
どうだっていいけど
入ってくるな
登山
キャンプ
....
ベランダから見上げる夜に
存在しなかった
色彩は
どこにいってしまったのか
青も白も赤も灰も
全て飲み込んで
夜は静かに笑う
今日は星が見えない
そこに 雲が浮かぶ証明 ....
隣のクラスの美少女が
休み時間に
ざわつくしじまのなか
窓際のぼくの席までやってきて
ぼくの手をにぎり
これが
永遠のかたっぱしよ
と微笑んだ
美少女はそのまま
開け放した教室の ....
高い高いビルとビルの間に真冬でも
青々とした葉っぱをいっぱいにつけた大きな木があって
その木の葉っぱたちは風が吹く度に
小さく身を寄せ合ってクスクスと笑った
僕はその木の前にあ ....
つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
死にたくなる理由を
全部集めて
バケツに突っ込んだら
そいつをぶら下げて
ブンブン振り回しながら
海まで歩いていこう
凍りつくような真冬の海まで
右手にはバケツ
左手は君の右手と手をつ ....
私が時に冷たくなるのは
今が永遠であると
錯覚しているからだと思う
病室の父は
1月は忙しいのだ寄り合いも
たくさんあるのだといって駄々をこねる
ただのねんざが長引き
故郷が豪雪 ....
ハゲとアフロが肩組んで歩く
二人はなんにも感じてない
はたから見れば
足して2で割りたい衝動
そんなことできやしないけど
ハゲとアフロが肩組んで歩く
二人はなんにも感じてない
近寄 ....
どれくらい寒がりかって?靴下は履いてお風呂に入ってるけど
高校生二年の僕とすれ違う冬の深夜のゆめのさかみち
爪はなぜあるのだろうかマニキュアを薬指だけ塗って出かける
薔薇 ....
あすになれば
大人になる気がする
実感もないまま
大人になって
平気で
ひどいこと
はなす気がする
感じもしない
郷愁を
良いとおもったり
焦って沢山の駄菓子を
買い込ん ....
魔法瓶に夜空をみたし
ほの明りの朝、遠足に出かけた
あいさつをしたら
光の丘で
化石だった風が
重く熟して
翼となった
種子
小さく{ルビ瞬=まばた}きをすれば
霧散している光へ ....
いっしゅん、と呼ぶあいだに
かのときは過ぎ去る
きみもそう
きみをみつけたそのとき
きみはもういない
夢を書き記すくせがついたよ
ひとは忘れるいきも ....
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