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水を、欲している
のどの ずっと奥のほうで
さかなが泳いでいる



季節が融けはじめていることに
気づいたときには もう
わたしのなかの海は 浄化され
沈殿していた過去があふれ出て ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
ターミナルに出ると
うす青い空が広がっている
通りは車で渋滞していて
そのまんなかでは 赤信号が
意味をさがしながら
点滅する
帰らなければ、と漠然とおもっていた
帰ろうとするその方角を ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
透きとおる真昼に
日常が、消えていく
八月に買った青いびいどろは
もう割れた



観覧車に乗りたいと言ったのは
あのひとのほうだった
てっぺんに着いても
世界はちっとも見えなくて ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
きみがさかなになる週末さしのべた指さえ背びれの端かすめゆく



「あいしてる」吐き出す泡の数かぞえ「さようなら」にも見まごう深み



すべての色が吸収され青だけが残る孤独に想いを置 ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
窓枠の内側だけがすべてなら世界も朝もはねかえすのに


目をとじたままたしかめる左側まだだいじょうぶ黎明の時


暁の別れとともにおとずれるコーヒー2杯の蒸気する朝


ペダル踏むか ....
デジタルは、夏の中



よせる波に追いつくスピード

車を走らせて
たどりついたなら
うすむらさきに暮れゆく
空と海のあいだを
歩こう
風にもゆるがない
涼しい背中

 ....
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす

コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、 ....
ほら
きょうは もう
ひ がおちる ね


と いいながら
遊歩道ぞいの木々は
うでいっぱいの
はっぱ を
するするとみまわし
だれが いちばん
きいろいか
えらぶのに
いそ ....
陸橋の上では
なにもかも、音色だ

誰かの哀しみも
誰かの嘆きも
低く、
低く、
艶やか、に
奏でて
奏でて

陸橋の下に
五線譜、のレール
行き交う列車たちはアレグロ
速 ....
宵闇、
五線譜の電線 で
輪郭のぼやけた影だけの鳥たちが奏でるのは
誰かの
失くしてしまった、声
あるいは、足音
にも 似て
道しるべにするには あまりにも
不たしかな

風通しの ....
ねぇ、明日は海曜日だけど
どこに連れてってくれるの。
早起きじゃなきゃ、いやよ


海曜日はわたし、忙しいわ。
ゴミを出して水着に着替えて
お皿を洗ってタオルを詰めて
洗濯機回して帽子 ....
重たい表紙を開くと
『夏の項』だった


限りなく続く
かのような 草っぱらの
ずっとずっと向こうから
薫風に押されて
あるいは 乗って

バラ色に染められる
その足跡


 ....
水曜日はどうにも暇だった


すきま風になって
きみのふくらはぎを
なでなで なでなで
したり

ソーダ水の泡になって
ぷちぷち ぷちぷち と
浮かんでは はじけ
浮かんでは は ....
死んだつもりで生きなおせ、と
誰かが言ったけど

死んだつもりになんて
なれない

ぼくには過去があるし
ぼくには記憶だってある

こんちくしょう

死んだつもりになんて
なら ....
きみがプリンが好きだと知り
ボールと泡だて器を用意した
すると 卵をきらしていることに気づき
悩んだ末に おもてに出た

ぼくは 公園に向かい
砂場にすわりこんだ
誰かが忘れていったプリ ....
手をつないで ぐんぐん歩いてくれた

よりそえば 支えてくれた



泣いたり
 
笑ったり

おこったり



なぜ と問うたなら 困っただろうに



そして
 ....
マングローブの森で
きみと 二人きり

光が射す方へ
手をのばしてみたけど
堂々巡りの 僕たち

むしろ
袋小路ならあきらめもつくのに

もう 僕は
迷ったりしても いいんだ
 ....
さよなら国は
朝でも 夜でも
「さよなら」とあいさつします。


みんな みんな
笑顔で「さよなら」をかわします。


時には おじぎまで
時には なみだまで


ボクがいる ....
とうどうせいらさんの望月 ゆきさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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終着、そこからの- 望月 ゆ ...自由詩2206-4-11
教科書を、閉じる- 望月 ゆ ...短歌37*06-3-6
八月の、リフレイン- 望月 ゆ ...自由詩38*06-2-24
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アンダンテ- 望月 ゆ ...自由詩53*05-6-19
みなそこテラス- 望月 ゆ ...短歌8*05-6-11
空をみていた午後- 望月 ゆ ...自由詩49*05-6-8
それぞれの日時計- 望月 ゆ ...短歌8*05-6-6
夕ながめ- 望月 ゆ ...自由詩4*05-2-13
肝油ドロップ- 望月 ゆ ...自由詩16*05-1-8
秋冬- 望月 ゆ ...自由詩8*04-11-9
秋晴れ、バリトンサックス- 望月 ゆ ...自由詩2*04-9-16
地図夜- 望月 ゆ ...自由詩10*04-8-27
海曜日- 望月 ゆ ...自由詩304-8-4
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うっかり、しっかり- 望月 ゆ ...自由詩4*04-5-11
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