口に含むたび
かみ切ってやろうと思うのに
かるく歯をたてることしかできない

こんな瞬間でさえも生殺与奪の権をにぎっているのは貴方なのだから

泣き出す寸前の子供みたいな顔で
貴方が嗚咽 ....
旅立ちにはもってこいの日和だ

風は南南東
ロウソク工場の煙から
推測するに風速は2m
30cmより遠くへは
誰も運んじゃくれない

 ひとがうらやむほど
 上手に飛べるわけじゃ ....
君は死んだ
理解してる
どこを探してもいないんだ
腕は折れて
穴は大きく
後悔が去ることはないんだ
吐きそうだ
空回りだ
時が癒してくれないんだ
人にあたって
手を抜いて
どんど ....
気がつかなかった
包丁で
指先を切ると
鈍い音がした
そこに涙が滲みこんでゆく
指先から
手首

二の腕
鎖骨
うなじ

錆びついてゆく
どれも好きな部位からだった
限 ....
ある種の魚は流線形で
泳いでいないと溺れるらしい
そのために
むなびれも
尾びれも
つやつやと 光る

人魚は奇形だと誰かがいう
交差する足がないので
ソファーは苦手
ぺとり、と
 ....
私の中には
無垢な少女も棲むだろう
あざとい人買いも棲むだろう
まっすぐな少年がいる
うそぶいた門番も

近道はどこ?
不機嫌に
ことばを探す
浮浪児の目で

ナルキッソスの夕陽 ....
涙がほろほろ流れるほど
あくびをしても
眠れない
何かやり残したことがあるような
あまりに退屈なので
自分の小指をギーッと噛んでみる
痛いなあ、やっぱり

眼球が今に溶けて流れて出るの ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
窓辺にいる子は
みんなふるえて
綺麗という字を
こわがっていた



だって
かまきりみたいだから
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど


まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜


悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れな ....
セブンイレブンでバイトをしている
友達に会いに行く

「彼女と別れた」と告げるために


そう言うと友達は、
黙ってアンマンを差し出した。

猫舌の僕は熱々のアンマンを食べることが
 ....
どろにまみれた
クッキーを踏んで
きみははまた
いつものあしたに
もどってゆく
のです

いとおしいかけらは
そのたびに割れて
ふえつづけ
かぞえきれないほどになると
ありにはこ ....
ミチテイク、ミステイク


感傷は観照ではなく
緩衝なのだと
干渉しても
この
ミチテイク 気分

名前は
どうだっていい


ミチテイク、ミステイク



錆色 ....
コウちゃんはどうも
歌うのが苦手らしいと聞いて
ギターを抱えて
コウちゃんのところに行く


行ってはみたものの
お互い知ってる曲というものが
実はないのだ
君が代、とか
それは ....
それはずいぶん昔のことだ。

あたしはその日、夕食の当番だった。当時の我が家では日曜日の夕方
を時々あたしが担当していた。といっても中学生の作れる料理なんて
たかが知れている。カレーライス。
 ....
まこっちのお母さんは
夕方
青い作業服を着て
バスで帰ってくる

まこっちのお母さんは
まこっちが失敗すると
笑って
肩をすくめる

まこっちのお母さんは
めがねをかけて
まあ ....
ほれ、みえこみてみ、ちっこくてめんこいおててだ

祖母は私を母の名で呼んだ
どんなに人を忘れても
季節の意味は憶えている

拾いあげようとするその手も
祖母も
小さくて可愛い
紅葉で ....
公園の真ん中に
ぽつんとジャングル
あの
お人よしの頂上に
登ってみたら
気がすむのかな
それとも
もっと複雑な
迷路だったらよかったのかな
そこは
夕陽の沈むのが
ほんのちょっ ....
そこかしこで俺の愛人ちゃん、俺の愛人ちゃんと書き散らしたおかげで
今度愛人比べをしようぜ、日時は10月の10日、場所は京都のぽえざる会場、
くれぐれも逃げたりなんかするなよ、と
見ず知らずの詩人 ....
こうした追悼文をしたためようか、迷いました。きっと誰かがそうしてくれるであろうし、昨日今日の出来事だったから、心のブレを伴うほどの時間であるし、言葉も掬っては零れてしまうだろうと、思いを巡らしていまし .... バス停で君を待ってる手の平に人とゆう字を千回書いて


鉄棒に逆上がりして校庭を空へと落とすサッカー部員


難解な数の定理を飛び越えてブッダのように眠ってるきみ


教科書の隅に落 ....
あなたは知っていましたか
すべての細胞は 
自殺するということを

遺伝子の片すみに 
小さな時計が隠れてて
もういいよってささやくと

それきり細胞は 
すべての作業を放棄して
 ....
性交の時のあえぎは
どこまで聞こえるのでしょうね。



かなしみや
よろこびや
いとしさは
どこまで響くでしょうね



知って伝わって
心っていわれてるものの中で
精錬 ....
矢野顕子を口ずさみながら
ヒールのコツコツの月を
連れて帰る

つらい分だけ吐き出した
あなたは楽になっただろうか
つらい分だけ黙り込んだ
私はどこへゆくのだろうか

もう二度と ....
洗濯を干しているときにパンツが見えないように心を尽くす

掃除をしながらついつい言葉について考えてしまい
「いやらしい」と思う

朝の散歩をするおじいちゃんににこやかに大きな声で挨拶をする
 ....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
わからない



わからない



平和な日々
でも


時々


のどの奥に
何かがつかえる


それが
甘いのか
すっぱいのか
苦いのか


わか ....
冷え切った校舎の裏
ささくれ立った言い訳をした日
嘘をつくのは単なる処世術ではなく
空気と同じなんだと信じることにした


地球は今この瞬間も律儀に回っている
無数の嘘を繋ぎ止めながら
 ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
君にあてて手紙を書こう
便箋
ティファニーの
スカイブルーな

世界は
そうだね
まだもう少し続くみたいだ
ボクは
ボクの周りの
ごく限られた人たちが
平和でいてくれたらいいと
 ....
とうどうせいらさんのおすすめリスト(2619)
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流線形のさかなのそら- umineko自由詩704-10-15
ナルキッソス- umineko自由詩504-10-11
だからって別に- 初代ドリ ...自由詩4*04-10-10
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
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クッキー- まりょ未詩・独白204-10-5
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