陽だまりの中
少女が一人
しゃがみこんでる
大きすぎる麦わら帽子
涼しそうなワンピース
テカテカ光る赤い靴
少女はじっと見つめている
朝からずっと見つめている
まだ芽は出な ....
かつてこの瞳の奥に刻まれしひとを想えば暮れゆく夕陽
岐路そして岐路、岐路、無数の岐路がありしばらく雪にみとれる窓辺
在る。ことでとわにみらいはうつつゆめ描くと同時にほろびてゆくわ
....
僕はペンギンのおなかが気になる
あれはかたいの?
それともやわらかい?
ペンギンがやってきて
僕をみて ほほえんだ
おしてもいい?
ペンギンは駄目だという仕草をして
帰っていった
....
学生のころから
よく行くとんかつ屋さんがあって
久しぶりに行ってみたら
お昼時を少し過ぎていたのに
待合の椅子もいっぱいに
さらに立って並ばなければいけないほどだった
良心的な値段と
カ ....
好きだけど
恥ずかしすぎて
いわし雲
妖精に ひっこぬかれたとき
となりに咲いていた きみを
ひっこぬいた ひとりでは
こわかったんだ ごめんね
おもいっきり ひっぱたいていいよ
樹木鳴らし吹き抜けてゆく狂風に深夜目覚めるいまさらの孤独
海鳴りのとどろ聴へり魂を貫く声に窓開け放つ
畏みて畏みてなお願わくば我が生涯に苦難与へよ
ひとひとり生れ出でたる悲しみの叫び ....
横殴りの風が叩きつける橋の上で
穴の開いた靴下を虫捕り網代わりにして
捕まえたのはサーモンピンクの雌豚
そいつに跨って海を目指す
ポケットから取り出した一掴みの金平糖
力いっぱい曇り空に向け ....
行き詰まったので書きたい事を書いてみる。
死にたい奴は死ね、と言うのも言い飽きた。
朝○新聞がウザったいとか○○学会がウザったいとか、
ニートがどうとか朝鮮がどうとかも言い飽きた。
飽きた ....
砕くのをやめたフォーチュンクッキーと崩れ始めた空の気配と
花束は伏せられていて未だ眠り止まない六月病の花嫁
泥棒も蛇も来ないと知る今もやさしくひびく夜の口笛
耳鳴りの(雨 ....
chori。「リハビリ」に寄せて。
(未詩・独白に投稿されたものですが、本人の了解を得ています)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=58666
....
吐く息がすぅすぅと白くなるので
ああ そうか と合点がいく
駆け込みで無意味に アスファルトが掘り返され
交通誘導のおじさんは 震えながら旗を振る
工事ラン ....
煌星がひとつ
静寂に耐えきれずに
堕ちてくる
差し延べた
救いの手を
そっと抱き寄せる
言葉など
いらない夜だから
開きかけた唇を
そっと塞ぐ
てお
あなたが穏やかな
それがなによりもの温もり
みみずさんになって
のの
お花さんになって
あたし
まぁるい
てお
あなたが一番
好き
詩について個人的に考えていることを話していくので、時々独断と偏見に満ちたものになるかもしれませんが、そこはそれ、テキトーによろしくということで。というわけでまず、詩の「商品力」について。
「 ....
昨夜が溢れてしまって
まだ所々
ぬれている床
こけのむすまで と歌うきみは
君の代わりにと
あかい手で雑巾をしぼり
はなびらの舞う冬の景色に
ほおった
あしあとをくずして
きみの ....
ああ忙しや忙しや
三太のオヤジは右往左往
---なにしろ年に一度の出血大サービスだからな
子供ら誰一人漏れのないようにな
平等に配んなくちゃならねぇしな
え?そりゃあカン ....
玄関先で可愛く鳴いた
多分 白い綿毛の小さなワルツ
昨日の残りの納豆巻きを手でわし掴み
走って探した
陽だまりの道
僕が好きなものを キミも好きだと思ってた
テーブル越し ....
{引用=まだまだ探す気ですか?
それより僕と踊りませんか?
井上陽水『夢の中へ』}
「明日も全世界の空にオーロラが架かるでしょう」と ....
何もない空から雨が
そんなふうに
あなたの存在が
私のこころを濡らすから
見上げても
どこにもいない
雲の
かけらも
だけど
私にだけ感じる声で
....
それでも朝は来るので
わたしはまた生まれてしまう
約束されていないことなので
途方に暮れている
わたしは手を持たないので
仕方なく
眺めている
ふりをしてみる
鳥の不思議な動きを少 ....
月の夢いちめんに辰砂のさばく
そぞろ歌くちびるにカステラの月
眠りの木ヘビの毒ふたつめの夢
月の下ひづめ鳴く声をきかせて
貴方と逢えて
嬉しいはずの私は
何故か俯く
溢れ出しそうな
笑顔隠すため
ストンって
貴方の隣に腰下ろして
この幸せ噛み締める
寄りかかる事は出来ないけれど
貴方の歌が聴けて
....
君は大丈夫かと聞かれて
頷いたとたんに
胸のどこかがとくんと疼く
いつもそう
小さな嘘をつくたびに
私の中の私はそれを見逃さない
ねぇ ほんとうに独りでも
生きてゆける女 ....
夢の無い画面の端に
流星群が見られると記されていた
濃紺に澄んだ空は
白い あるいは銀や朱に
闇を切り取られている
湿り気の残る髪が凍え
湯上りの匂いが後ずさりする
夜着 ....
私たちは死ぬまで生き続ける。
幽霊は死に続ける。いつまで?
さまよえる幽霊が躓いた。その幽霊は
浮いているはずじゃなかったの?と、
困惑した表情。悲しいのかもしれない。
死んでいるのに? ....
故郷へ帰る
山の腹の中へ入っていくように
いくつものトンネルを抜けて
向こうに見える山の
まだ
向こうへ
そこで
私は生まれた
山に沈む夕日を見る
小さな川の土 ....
包丁が俎板をぶち割った午後
ゲームは終った
骨の砕ける音を聞きながら
排水溝の隙間に汚物を突っ込め
次々と店に行き輝く砂地に尿をぶちまけろ
栄養ってなんだ?
明るい青ってなんだ?
....
目の前には、闇が広がっていた
そばにした女
手を伸ばしながら
もう片方の手で電気を消すと
闇の中に君の顔が一瞬浮かび上がった
目の前には、闇が広がっていた
浮かび上がる白い肌
....
甘くない珈琲を
手の中で
大事そうにしていた
猫舌だと言って
大事そうにずっと
両手の中で
十二月に降る雪のように
ま ....
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