まよなかに
すずのねが
ひとふり ちりりん と
きこえはしないかと
めをとじて
まっている
もうすぐ きこえても
いいように おもえて
まっている
昨日からの雨雲が切れて
西風は少し強く
夏が、燃え尽きていくようだ
明るい夕映え
僕の影だけが黒い
それは、いつだろう
遠くないかもしれない、毎日、かもしれない
水平線、その丸みが空に一番近いところ
大型船が突き抜けていくのを
海辺で、並んで、手を振って
ただ眺めている人たちの ....
トーストで始める朝
太陽色に焼けた元気に
昼までもつ笑顔をのせる
おはよう コーンクリーム
三階のレストランの窓から見下ろした
木造の橋の向こうへ伸びる石畳の道をゆく
白い服を着た君の背中はだんだんと小さくなり
緑の木々の下に消えた
立ち尽くす僕は
次いつ会えるかもわからない
....
旅先の小倉のホテル十一階
レストランで朝食をとっていたら
目の前のガラスの向こうにゆらゆらと
緑に光るカナブンが飛んできて
ハムをくわえた僕をのぞいて降りてった
「 よくもまぁこんな高い ....
わたしがいなくなって5分後の世界
相変わらず
交差点は混んでいて
ストップランプは
シンクロしてて
大型ビジョンが
めまぐるしく 変わって
新作モードは
ガラス ....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた
わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから
ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
もやと
白い光と
雨の降る音と
どこかで掃除機をかける音が
ゆっくりと
窓から流れ込んでくる
それから 誰かがずっと
なにか語りかけているのが聞こえる
心地よく穏やかな声
朗 ....
夏の終わりの淀川の河川敷の芝生は
生臭いほどの濃い緑に染まっていて
月曜日だというのに
真っ昼間からビールを飲みながら
バーベキューなんかやっているロクデナシどもが
ロケット花火を打ち上げて ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で
そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
じんべえって
まるで人の名前みたいだ
こんな夏の日に
すっかり涼しい顔をして
遊びに行こうって言っている
(ほら、じんべえ
祭りばやしがきこえるよ)
ふわっ ....
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影
しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
それは総ての男を魅了する
総ての芸術家を虜にする
それは瑞々しい果実のようであり
たおやかな母の抱擁をも予感させる
それはあまりにも眩しい
陽に焼けたまろやかな曲線は
誇ら ....
例えばそれは
自動切符販売機で切符を買うのに手を差し伸べる事をやさしさとするか
それとも手を差し伸べる事なしに簡単に誰でも切符を買える事をやさしさとするか
どっちがやさしいの?
パフェ、
パフェ、
パフェ、
10回言ったらパフェ10個
眩しい太陽
目を細める僕の顔前に
うふふ
エプロン娘
純白、
かついたづらな覗き見
こいつめ
....
水平線、午後
手延べそうめん、午後
台所の床、つめたーい
ひらべったーくなって
ほっぺーたをぺたぺた
ひーんやり
ヒヤシンス
春の花
もう夏ですが
横たおしの夏
....
5年生存率20%って 何?
5年後 こっち側に残れるのは
5人にひとりってことかな
あなたは
たいくつそうにテレビを眺め
時計を眺め
わたしを見ない
あとどれく ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
時計はもう帰る時間
もう少しと言ってよいのか
帰ろうと言った方がよいのか
曖昧な夕暮れに
曖昧なフタリが戸惑う
飛行機雲がくっきりと
空色を二つに割って
藍が半分
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=43091
パステルナース!
魔法少女の主題歌としては漢字多すぎ。あと嗚呼とか言っちゃだめ。
魔法少女の主 ....
すいかだった。
真っ二つに割られたすいかが、
テーブルの上に、
どでんと置かれている。
どこを見回しても、
スプーンがない。
仕方がないので、
そのま ....
あたらしい朝がきた
希望の朝だ
夏休み3日目
寝ぼけた目をこすりながら
ラジオ体操
喜びに胸をひらけ
大空あおげ
「おはようごさ ....
逆上がり
出来たのは
低い
鉄棒でした
夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
....
忘れないで と
わたしに
言う
流れゆく雲が
信号の点滅が
風の匂いが
あなたが
忘れないで と
わたしに
言う
わたしも
ずっと思ってる ....
ゆっくりと走り始めた君は、交差点で急に後ろを振り返り
やっぱり私、生きようと思うの、と
その周りを、背中の汚い魚が眩しそうに君を見ていた
この世界は、君が住むには過酷過ぎた
君の手首から流 ....
まずは輪郭線を消すことから始めよう
となりの色にぐっと近寄って
どこまでが目で
どこまでが鼻で
どこまでが口か
わからなくなってきたら
どこまでが自分で
どこまでがあなたか
わ ....
頑丈なこころを
作っとこ
あの子から、待ちかねた連絡が来て
あんまりにも待ちかねていたもんだから
つい、嬉しそうな声、出した途端に
「ごめん忘れてた、やっぱダメだ」
それが、金曜の ....
口紅がはがれた後のりんご飴 確信犯のうつくしいきみ
こんなにも渇いていたと知らされる 始めのひとくち貪る夕べ
日に焼かれ濃縮された僕達を還元しては味見する海
やわらか ....
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