ビターチョコレート
霜天

三ヶ月で始まりから辞めていく
そんな僕らはどこかが壊れているらしくて
東京の角という角を、折り合わせるようにして
閉じていく
手のひらは合わせるためにある
僕らは壊れているらしい
継ぎ接ぎのための安息日
時々は間違えたくなる
ナビゲーション


地下道の
狭い階段から楕円の空を見る
擦れ違い
擦れ違う
雲行きはどちら、でしょう
投げ合う言葉の分だけ
落ちていくスローモーション
始まりはどこだろう
終われるという幸せを
どれだけこの街は知っているのか
見て見ぬ振りを、しているのか


ビターチョコレートの箱の、中
甘い一日とは程遠い日
君から届く、感謝状
何に感謝を折り合わせて
どの道に間違えていけますか
始まりと、終わる
三ヶ月の夢の中
僕らは壊れていけるらしい
いつもの角を左に折れて
そこで間違えてしまいましょう

ナビゲーション、声のない地図
振り向けばいつも
少し、苦い


自由詩 ビターチョコレート Copyright 霜天 2006-10-20 01:10:40
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