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人間らしさとは微妙にズレていることかと思います。
浮き沈みがあればこそ夕陽に泣いて朝日に笑うのかな
そうした解釈もまたどこかズレている気がします。
そういう君はいったいなんです
善行知能です。 ....
     箒川を渡って 
     俺は俺を続けるよ 
     心をあの場所に残したまま
         踊ろうマチルダ『箒川を渡って』


バスケットは得意じゃないけれど ショットを ....
「くうみ」が空っぽの身だからといって無意味などころか最大のより所にもなる
ということで神は服をお脱ぎになって今夜はすっかり「くうみ」となりおおせた
神の不在をなげくどころか不在にこそ神の裸体がある ....
愛惜の遠路をのばすわかれ歌
   ~海がしずめば星がのぼり、星がしずめば海がひろがる~


愛のめくばせはむなしさの海を一瞥でかきけし
なみだの一滴をはてしない夜空の星へとかえる
ひとつの ....
言葉の通じない川に言葉がさらわれて

おととけななな、おととけななな、と笑う川

いますぐに言葉をはなしたまえと川に告げれば

おととけななな、おととけななな、と運ぶかーぜ

 風でな ....
家は設計されたときに自らの完成をみる
建築家の立原道造がときを引き詩をたてる
はじめから死の骨組みで編まれた愛の生家
居住者は光の柱に舞うだけの静謐な塵埃

建築は頂を完全な月の満ち欠け ....
歯がはえて、歯たちがきれいにそろったら
きみはもう、はたちをむかえたおとなです
居ならんで、自他がひとつに緊密し
糧をえる、顎の砦を築くのです

歯のひとつ、それがきみの立場でも
べつ ....
河原で石をひろう人たち

   貴方に触れない私なら 無いのと同じだから
                鬼束ちひろ『流星群』

蔵王の河原で石をひろう神の子たちがいる
名もない石に名前を ....
ぽっとでの自由は、老いたる自由にむかってスリッパでもつっかけるように言った
「おじいさん、あなたはすっかり、不自由なご様子じゃありませんか?」
巨匠とよばれて久しい年配の自由は、寝椅子のなかで遠く ....
見よ、この一行をわが蠕動にかたどる背景として魂の炎はやおら踊る うたうたに見おくられながら、おとこはあたらしい歌をひきつれて旅をした。
うたうたは酒に似ていた。せかいを光の波紋でにじませて、あまく匂ういきをはいた。
波うちぎわでは、松のぎょうれつが盤根をもちあ ....
1、

たおれたままの若い病身に 全身全霊をかたむけて
詩神の秒針がかさなるとき もはや時刻は総毛だつ
純白の牡牛に身をかえて 四つ足のステップで誘惑し
美貌のエウロペをさらっていった 伝説 ....
長年カーよいなれた湖畔のドライブインがゴールインしたというので、祝いにいった。
助手席には白樺がフロントガラスをくりぬいて座り、はやくも車を湖沼にみちびいた。
故障にしずむクラッシュカーに枯葉がお ....
下半と上半をつなぎとめているのは腰の骨
(やれやれ腰がついに口をききはじめた)
つまりは天と地の神聖なむすび目も腰にある
(口をひらけば不自然な違和感もおきてくる)
神がつかわすロープは言葉と ....
そんなものは信じていないからっぽの樽の影が
言葉のなかに黒々と鎮座して深淵をかかえこんでいる
わたしたちが腰痛を少しでも自由のほうに傾けると
いつのまにか言葉は樽に廃液をつめて腰かけている

 ....
―あなたはどんな茶葉だったの?
へバりついっチャってたからアタシ
―どこに?
チャんとおぼえてないんだけどタシカ
―湯呑み?
シャンハイ
―チャンハイ?
はい
―どっち?
チャンハイ ....
あなたと見た県境のダムはゆたかな思い出をたたえ
ときをへて今もわたしのもとに春の潤いをとどけてくれる
ふたりでダムのうえを歩いて堤体の縁をなぞり
底にしまわれた互いの想いを胸にだきいれたあの ....
必要のない階段がわたしにとって必要なのは
 閉鎖(とざ)されたスクラップ工場の壁にひっつく残骸で
  時代にとりのこされた孤独の分身そのものだから
   この苦々しい感傷をくろい笑いでわたしが踏 ....
雪のように白くても白は色で尻にはなれない
どれほど尻にしかれようと色は椅子ではない
白の住まう城が尻であっても尻の穴はくろい
とはいえ尻の家が白かといえばいいえだろう
白は色であり家にしろとは ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている

地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない

花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって

さまよえるその ....
濃密なすきまによって武装された道化師の衣装
時代の手綱を放れて八頭だて馬車がもぐりこむ
目をこらす間をうめてミクロはマクロを着服し
際限のない馬蹄の音で布袋腹をリピートさせる

いついかなる ....
九十年も連れ添ったなら
死ぬ日も一緒 どうせなら
あんたは言った 猛暑日に
「こんな暑さはどこふく風よ
エアコンなんてやめてくれ」
あたしは火照ってしかたない
あんたの強気に惚れたのね
 ....
夜の軌道を涙がはしる
星のひかりを水面にうけて
まるで転がるひとつのビー玉
回転速度は地球とおなじ
うわずる瞳が坂に消え
まっさかさまの流れ星
ふるえる日輪、始発駅
手をふる窓辺に白 ....
wcさんの菊西 夕座さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
人工知能AIよりもズレ工知能のほうがえーわい- 菊西 夕 ...自由詩425-8-2
放浪の篭球_~踊ろうマチルダの歌で天国を通過する~- 菊西 夕 ...自由詩2*25-7-6
執着を消し去る入魂トロールマシン_~トロールの神話~- 菊西 夕 ...自由詩3*25-4-20
愛惜の遠路をのばすわかれ歌- 菊西 夕 ...自由詩3*25-4-5
川にはまった言葉の泳法- 菊西 夕 ...自由詩5*25-3-8
死の家に住まう光の先鋭化- 菊西 夕 ...自由詩7*25-3-1
せめてきみの歯くらい人間であれ- 菊西 夕 ...自由詩6*24-12-21
河原で石をひろう人たち- 菊西 夕 ...自由詩4*24-3-10
証券死場- 菊西 夕 ...自由詩524-2-23
一凝視のこころみ- 菊西 夕 ...自由詩324-1-6
ムードで抱きすくめて- 菊西 夕 ...自由詩4*24-1-4
肌で生きるエウロペ- 菊西 夕 ...自由詩3*23-12-29
めぐる季節にドライヴィン・ローリン・クリスマス- 菊西 夕 ...自由詩2*23-11-26
腰痛の懐妊とそれをすこしでも緩和するための詩- 菊西 夕 ...自由詩8*23-11-5
言葉がてらす魔女の落胤- 菊西 夕 ...自由詩3*23-10-29
茶葉たちのチャばなし(お椀なし)- 菊西 夕 ...自由詩3*23-10-22
ダムは今もゆたかな孤独をたたえ- 菊西 夕 ...自由詩4*23-10-9
必要のない階段_ー下り編ー- 菊西 夕 ...自由詩2*23-9-25
知りえようもない恍惚の槌で頭骨に築城する- 菊西 夕 ...自由詩5*23-9-23
雲の披露宴Ⅱ- 菊西 夕 ...自由詩5*23-9-3
花のない満開の春- 菊西 夕 ...自由詩2*23-8-20
よみ人しらず―死因は「熱中症」とだけー- 菊西 夕 ...自由詩3*23-8-15
かにのみこそのかみ- 菊西 夕 ...自由詩1*22-9-3

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