北風が吹いている
冷ややかな晴天に包まれて
真冬の気配が漂っている
僕は相変わらず臥せっていて
君の姿は遠くある
遠く響く君の声
僕は抱きしめ此処に居る
)君、ぼくたちはどこから ....
風が痛い
雨が痛い
雪が痛い
陽すら痛い
そして何よりぼく自身がもっとも痛い
ある冬の
星と月が遠ざかる
そんな夜の街で
ほんとうの
あなたを探している
木枯らしが吹く
ユーフラテス川の
ほとりからこっち
ヒト科でいつわりなく幸せだったものなど
実 ....
グレタさんがグレたとして
暴走族には入らないと思う
何故ならCO2を排出してしまうから
そしてタバコもやらないと思う
何故ならCO2を排出してしまうから
ロックを大音量で流さないと思う
何 ....
1
あれっ、お客さんも嘘をお探しですか。うち
は元々まごころ屋なんだけどねえ。ええ、い
いですよ。お代の方は必要な時間だけ、お客
さんの寿命で払っていただきます。
軽い嘘、 ....
仰ぐ
高曇りの冬空を
透き通っていきながら
仰ぐ
人差し指を立て
天から降り立つ冷気をかき混ぜ
)わたしの肉身から
)欲望溢れ零れ落ち
)ふるふる震えて
)大地に帰る
仰ぐ ....
もし万が一
立身出世のために
(モノ書きで食って行きたいとか
先生と呼ばれたいとか)
クソ自称詩を書いているとしたら
とんでもない間抜けだと思う
立身出世とは関係なしに
ただ書くことが好 ....
毎朝、小さなお守りを一つ握って家を出る。
それは例えば、食パンの留め具だったりとか。
混ざり合ったミルク
舌の上で踊って
僕を連れていく
真っ白い夢へと
あと5分だけ此処に居よう
時間がきたら
時に追われる者として
世間に溶け込むんだ
そうして僕は生きていく
....
死ぬまでに全てを抹消してしまおうと
無駄に生きていても天球は確実に回転して
とても言葉が軽い時に
やっぱり訃報と交換なのだが
Resetすることを恐れてはならないと想う
リセットで救 ....
たまには
月を下で眠るんだと
カッコをつけた彼の
見上げて眠った月は
わたしに降りそそぐ白い色の
月と同じ月だったのだろうか
星には
しあわせな自由を願った
月には
彼と ....
サーカスとは
ライフル銃の回転もなく
ただ無防備に
悲しみの心が
ただこのサーカスに舞うころ
流されている
こころぼそさが
ふたりの身体をひとつに溶かすけれど
そのと ....
無私の愛が
人の魂の病を癒し
肉の病すら和らげる
冷える夜陰の静謐に
天使たちは降りて来るのだろうか
自愛に充ち病んで倒れる己の許に
あの遠い日の海の夜明け
靄と波の戯れに 無音 ....
ああ、それは、崩れた空の。
誰にも聞こえない、 響き。
どこにも届かない、 谺。
空に、 焼かれた者の。
空に。焦がれた 物の。
崩れた、
ジェンガの
様なも ....
野菜の値段を知るということ。
そういう所から生活は生まれるよ。
そのドアは自動じゃなくて手動かもよ?
開かないドアは、実は簡単に開くかもよ?
いつまでも、眠っていたい
冬の朝のことです
じぶんから逃げ出した
ふりつもる悲しみから、
追いつめられた仔犬でさえ
それでも牙を剥き
過去と戦おうとしますが、
....
む おん
移動していくモノの影
独り在る茫漠の床で
眠りの底から掻き分け掻き分け
異界の異様な感触を
意識の触手、体に刻む
ム オン
夜陰にひっそり回帰し
....
*
終りのないものの終わりを決める
生きることは括り閉じることの繰り返し
言葉に置き換えられた
かたちのないものが夜うっすらと発光する
夏の夢の欠片が螢なら
抗うことを止めた ....
本名も知らない男に胸を揉まれてる間
スタバの新作フラペチーノのことを考えていた
チョコレート味の氷に
粉々のクッキーがまぶしてあって
ホイップクリームがたっぷり絞ってある
とても美味しそ ....
羊を起こさないように羊羮を切り分ける。
息を殺し、ゆゅぅっっくぅり、刃を入れる。
ひんやりする土と足が何度も
手も唇もあたたかな風と一緒に
気の合う子石を胸に持ち
一本のゴールテープを切る
夏の太陽が照らすクレヨン画のように
君たちは土の上に原色で描かれる
君と星狩りに行ったことを思い出す
空が星で埋め尽くされて、金や銀の星が嫌というほど輝いていた
肩車して虫かごを渡し、小さな手で星をつかんではかごに入れていた
ときおり龍が飛んできて、尾で夜空をあ ....
月だ
月の光がさしている
やがて窓からこぼれるように
羊はいくつ柵を越えただろう
少年は薄目をあけて天井を見る
白いかたまりは柵からあふれて
容赦のない瞳でじっと見つめ返す
人形 ....
転校生は心の内壁に小さな刺青を持っている。
転校生は誰も、そんな秘密ゆえに転校してくる。
いつか空に触りたい
人の世のやるせなさを掌に乗せて
暮らしに降りつもるかなしい怒りを
爪先には残しながら
触れれば凍てつく凶器の風
くぐり抜けてありのままの
悩 ....
釘は六寸に引っ掻いた胸の痕跡
左は股の付け根から膝がしらにかけて
合わせて一尺近い縫い込みの跡が盛る
想像するリアル怪人(例えばフランケンシュタインとかゾンビだとか)
切り裂き息を吹き返す ....
まっくらな
無臭のまなこに火がともり
京の都に棄てる片恋
起き出すと
地の街あかりと天の星
君とシャワーと鏡とパジャマと
橋の上
届かない未来の水平線
眺め ....
いい歳をしてなんですけれど
だれかに抱きしめられたいと
想ったことはありませんか
もちろんだれでもいいって訣じゃないですよ
ほんの少し心の体温が伝わってくる女性(ひと)に
悲しいときも淋 ....
口笛の奏で、目覚めてこの夜
澄んで響く何処から
明るい旋律音色のループ
微妙に低く高く震え魅惑の相
聴き入るうちに潮騒磯の香
漂いザワメキ布団が波打つ
扉開いて弓形の白浜
広 ....
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