凡人ですから
本物を何台も持てないですよ
貧乏ですから
一台のビンテージに絞っても
維持できないですし

本物に対しての
コンプレックスはありますよ
オモチャ集めてもなぁとか

で ....
たなばたさまも終わってはやいっかげつ
あまのがわにであったわたしとあなたの
まぼろしのおうせも忘れられる季節です
ぎんがのいりぐちには夢と絶望があって
にかこくごを話せると喜んでくれたけど
 ....
ぼんやりとしている意識が
連日の猛暑に洗われて
とめどもなく広がっていくとき

病院の中庭で
熱風にかさこそ転がっていく枯葉よ
お前の姿が妙に懐かしいのは何故?

意識のヒューズがとん ....
振り向いてしまえないのがもどかしい
あなたの眼を見ちゃ
ほら、万華鏡


まばたきの
かずだけ心に影があり
真夏の夜でもじぶんを抱いてた


友という
名前の人がここに ....
焦がれるものがなくて焦がれる

どうにもならなさが哲学だったなんて

正常なんだよ、私こそが!

それをサッカーとかにぶつけられなくても

スマホゲーム依存でも

胸張って行き ....
フェリー乗ってる感じで高速をゆく

彼女に彼ができたみたいで

胸にずきって風が吹くんだ

フェリー乗ってる感じで高速をゆく


つまらない奴の方がモテる

壁に背中おしつけて涙 ....
誰か呼んでる

私を呼んでいる

葉の音

羽の音

風の踊り場のような森


光をためる小川

柔らかな太陽

優しい月のような太陽


津波のように
 ....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち

窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように

誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
 ....
飼い主だった智子が
湖面をすべるように現れ
ミントを抱き上げる

懐かしいぬくもり・・・
やっぱり
おねえちゃんだ

ありがとうミント
よくここまで

これで・・・私
ほん ....
この世界に蔓延する聖霊は

父なる神がつかわした

ものごとと

ものごととの間にある

縁みたいなものなのだそう


父が死に母が死に

死んでなお暗き壁

希望なんて ....
その冷気に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた

孤独は冷たく瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね

うすい赤色の唇が、吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくした ....
 孤独になじむから、すこし壊れかけているような古い町が好きだ。
 その古い町の小さな裏通りに子どもの死体一つ入れられるほどの大きさの水槽があった。緑色の藻が内側のガラスに張り付いていてよく見えない。 ....
黄昏は雪の精が溶ける
爪を立てて
死んでゆく
そして水になり川になり
海になり
そして
星になる

そして
朝になる

太陽の微笑みを
遮る雲の波は
小さな白い花ビラ ....
長いあいだ 恋もせずに
眠っていた

営みがいとなまれ
物語は癒着しきって

開かれず 湿った頁を
ほそい指が捲るとき

できるなら まだ
起きたくはなかった
長いあいだ 恋 ....
心の罪は

どうしようもなくて

冷たい風が吹いている
そのとき失った人の名前は

この街の駅のプラットホームに
うずめておいたよ
なんといったか

どうしようもなく
 ....
そっか
もうこの財布は形見なんだな

あっそうだちょっと待って

これを・・
このネックレスを・・
こうして・・つければ・・
ほらこれでいいだろ

財布にネックレスを付けて ....
財布を拾った
ボロボロの財布
いや綺麗だった財布なのだ

噛まれて引き摺られ
よだれでベタベタになり
砂やゴミがくっついて

くわえた猫と目が合った時
落として逃げて行った

 ....
新鮮をたもつことはむずかしい
いつもそれはてもとから去ってゆく

この瞬間の永遠を画布に塗り込めて
とっても地球が重い日にぼくは

だれかの友達 になることを決めたんだ
彼もしくは彼女は ....
あ、

歌が聴こえる

ほら、よく聴いてごらん

なんだかとても寂しげな歌だねえ

あなたには歌ってほしくないなあ

もしもあなたがこの歌を歌うときは

僕は何をしているんだろ ....
崖地から火葬場を見おろす2階建てアパートに生息した 夕焼けのもらい火が6月の風を駆り立てて死んだ
そんな風の噂

あくまでそんな 何処にも届かない声を追い立てた喉を 震わせて
6月から身を ....
アスファルトに落ちている犬のフンを蹴とばして 追いかけて
夏の薄暗がりに溶けてしみる厚化粧


わたしがわたしのものならさいしょから わたしはわたしのことなど考えはじめてない のかな

 ....
ドーナツを食べて
函館へ
とあるドーナツ屋さんは
くだらない公約を
守ってくれた

なんてラッキーな星の下の二人なんだ
そんな幸せもの二人は
そんな安易な旅で
糸くずみたいな些細ない ....
硬く硬く冷たい顔
あらゆる解釈を拒絶して
のっぺらぼうの力に呑み込まれ
未知なる混沌へと己を開く

硬く硬く冷たい顔

ある日突然、
不意打ちの死がやって来て
生の細部をみるみる奪わ ....
あじさいは
梅雨の
花房

時の静謐に
心の寂寥
抱え込み

うっとり
薮に
踏み込めば

赤々と滴る
薔薇の花、
また薔薇の花

此処にも
季節の快楽
眩めき
 ....
水面を幾重にも抱きながら藻が囁く
流れは何をも見送るもの
躓くものも うつむくものも
嘲笑うものも 祈りのひたいも

魚が撥ねる
いま その尾が視とめた光の破片が
太陽の剥がれた抜殻とし ....
犬が
ニコニコ笑って散歩しています
お日さまが
梅雨を乗り切り威張っています
夏は
爽やかなレモンが良く似合います

しかれども
それらはかりそめの
初夏の陽気なまひるの ....
蝉が鳴いたしだいに

夏のみすぼらしさを飾って ぬけ殻をくわえてくるってゆう君
小汚い綴れ織りや押し花を蒐集して

あしの爪をのばしっぱなしなのに
やっぱしさみしいのかしらんって
だれか ....
紫陽花は魂の宇宙
蝶の巣のように
いくつも羽根を重ね
丸く優しい香りを生んで
初夏の庭を囲む

野点の静かな音が
風よりも静かな音が
紫陽花に囲まれ
見守れて抹茶の香りが
天に ....
てのひらに舞い降りた
やわらかなバケモノの息は冷たく

右腕に
重過ぎる
そのための花を抱えて
植物園の温室を目指すのは
そこが
恋愛の終焉だから

それを
好ましいと思ってしま ....
あじさいの花房は梅雨の色
差し出した手を青くして
この七月の静かな一時
あなたは寂寥と戯れる
うっとりとした顔で戯れる

時は輪切りにされ垂直に立ち









 ....
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