あなたを知りたいと望み
偽りのボクが生まれた
真実は常に残酷で
手に余るエゴに身悶えた
いずれ忘れて薄れゆくと
まるで意味のない慰めに縋ることで己を保った
未だ棄て切れぬ情念に ....
雪平鍋に鍛金職人の金づちの跡、沢山。
雪平鍋という雪原に彼らの足跡、沢山。
うっすらと
黄の明るみを帯びた海と空
目を瞑れば
茫洋と広がり続ける
どこか不穏な静けさ発散し
流れ込む部屋の空気は
きりりと冷え
瞑目すればまた
自ずと広がり在るソレはナニ? ....
真夜中の一時過ぎ
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
揺らぎ明滅しながら
迫って来る迫って来る、
大雪原に独りぽつねんと立つ私に
小学五 ....
秋の山中に巨大なプレーンオムレツあらわる。
黄金のイチョウの木々、楓はケチャップソースなり。
こんな下らない世界にて、僕のお腹は下ります。
全人類が空へ上った後も、僕のお腹だけは下ります。
静けさ 揺れる
俄な雨、
光の空から
降り注ぎ
宇宙を回遊する言ノ葉たち
凝集しては散開し
思考の流れをこの界へ
屈曲しながら艶やかに
在る物、在る物、造形する
静けさ 奥ま ....
静けさを聴く川蟬や風の音
風の舞う月夜に集う天使達
風一吹き粉雪散らす初冬かな
なんねんぶりかに
積もって雪は
街を無音の
影絵に変えた
車は止まって
どこにも着かない
なにもできない
朝から晩まで
追おうとしたけど
届かなかった
それもまたいい
それも ....
I
そよかぜがふく
冬のちいさなすきま
まわりでは雨がふっている
かさをわすれたわという
II
4色のセレナード
1つめはレモンいろの雲
2 ....
《中央》を
突破する恋、選んだの
絶対未練が残らないように
ああ、それで
目の前の世界が音立てて
《冷たく》崩れる未来も知ってる
夜明けには
《たったひとつの》願望が
....
お陽さまに手をかざしてみたい
生きているってわかるから
お月さまに挨拶したい
今日は充実していましたって
瞬く星々 ひとつひとつに
流れてもらって 願い事したい
明 ....
舞い降りてきた粉雪が
トーキョーには珍しくて
傘を持たない人々は
慌ててカフェに避難する
舞い降りてきた静けさが
トーキョーには珍しくて
ポケットの無い ....
或る奈良の公園で
わたし見てしまったんです
箱の中から出られない
まだ小さな小さな
小さな子猫4匹
ドロドロに ドロドロに
溶けていました
瞳の痕跡
顔 ....
首里城って
5回も焼けてんだ
んじゃ、そんなに
嘆き悲しむこともないんじゃねえ⤴️
だって5回だぜ、5回!
火災保険入ってたりさ
地元土建屋も
「なんか大きな仕事ないかね?」とかさ
....
未来から
遠い遠い過去の木霊
確かに響いてくるのなら
私たちはもはや何処にも属さず
あらゆるものに優しく開かれ
柔らかに終わりを待てばよい
)あまたの感傷を一つの確信に変え
ふる ....
朝目覚めて何もせず
ベッドからソファへと身を移す
時計は6時を指している
街はまだ微睡の中
幹線道路から離れた住宅地のせいか
車の音も人の声も聴こえてはこない
漸く鳥たちが目を覚まし囀 ....
指の骨をポキッと鳴らし、さぁ僕は男になるぞ!
左の小指だけ鳴らなかったんで、やっぱりやめます!
木立の合間から
空の青が覗いている
木立の緑は裏光り
鳥達の群れが過っていく
ああ全くそれなのに
この美しい光の午後、
俺は陰気な郵便脚夫のように
街から街へと急がねばならない
何 ....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた
彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か ....
風のすっかり止んだ朝
あなたと僕とは
公園のベンチの見える辺りで
昨日の雨の激しさを思い出した
いつのまにか あなたがポケットに忍ばせた
淡色の宝石が 太陽を透かす
哀しい石鹸の香 ....
向かいの家の屋根瓦が
黄金色に照り輝き
高い高い秋晴れに
遊ぶ子供達の声も軽やかだ
一方私は布団のなか
鉛の憂鬱を抱えながら
それでもこの美しい秋日、
天高くから降って来る
青い青 ....
ことばって何処にあるの
辞書のなかに埋もれているの
人間って何処にいるの
へそまがりな生き物じゃあなければよいけれど
幸福と善とはいっしょなのでしょうか
あるいは幸福のしっぽが見え隠 ....
白いからかさが回っている。
そでにはネズミが周っている。
今生に産まれた甲斐がない。
光ある処を求めなければ。
雪の世に女が溶けてゆく。
「それがなけ ....
みずうみに
おれんじの泡を沈めたら
柑橘しぶきのみずうみ夕闇
葉の落ちる
ソファーの上に西陽さし
どくどくどくと心が鳴ってる
一匹の
星座の名前を知ったあと
....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
)金木犀の花が軌道を舞い
)秋の大気が生まれるところ
....
ア、気息が冷たくなった。
夕空のコゲが美しい。
このダイダイの空腹。
迷子になった記憶はいつも鮮明。
まちがえ人が話しかける。
身内のだれかにするように・・・ ....
クソみたいな人生の
痕跡を残そうと
だらだらとクソみたいな
過去を書き連ねているから
自称詩人は
みんなからバカにされるんだ
バ~カ!
そんなことは
いくらやっても
何の価値もね ....
藪にピアノが捨ててある
埋もれているがそれは確かで
おぼろげに形がわかる
鳴ったりはしない
棺のようで気味が悪い
*
腹の裂けた猫が
中身をこぼしながら歩いていく ....
正面に
半月が浮かぶ、
白銀に
空の青は
次第に濃くなり暗くなり
やがて漆黒へと変わっていく
)西の空は茜に燃え立ち
この美しい夕暮れを
風に吹かれて眺めている
巨大な静 ....
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