朝からしゃけ弁当くわしよる
国会議員やったら幕の内弁当とちゃうんか
ほんま個人には冷たい国や
れんこんは
穴があるからサクサクと
音たてて
食べられるんだと思うんだ
わたしなら
すぐ暗くなるのに表情筋を
鍛えてない
手抜きがダメだと思うんだ
サーカスは
いちばんじょう ....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ
浮かんでいる
死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表 ....
夕闇迫る川沿いの道、
君と並んで歩いた道、
一人は一人を置き去りにして
一人は一人で立ち去って
今頃裏庭に降り積もる
雪を静かに眺めている
)孤独なのはわかっていたさ
)どんなに身を ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の辺りに蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
苺ジャムは煮沸したヘモグロ瓶に詰められ出荷される。
生き物どもの血の色は、本日もストロベリイの真っ赤っ赤。
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた
)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
....
進行速度の遅い
乱気流は鈴鹿山脈を越え
大阪平野にフェーン現象を招き
一月の最高気温レコードとなった
毘盧遮那仏よ
立ち出でよ
吐息一風
悪政を焼き払え
....
1
毎年この日の夜には
上原君の星が話しかけてくるはずなのに
今年は何も聞こえてこなくて
見上げても光が揺れることもなく
なあ、もう忘れちゃうよ
と、小さく嘘をついてみた ....
「背側側頭窓」からチーズケーキがみえる。
その表面にはいくつものき孔があいている。
が、たべてもおいしいだけで、孔の味は発見できない。
どれだけ着込んでも
どれだけ暖房を強くしても
寒さを凌ぐ方法をぼくはまだ知らない
寒いのは冬だからじゃない
寒いのは一人だからじゃない
氷点下を感じているのは
身体ではなくぼくの心
....
通販番組のトマトは未だ切られたことに気付いていない。
事件は既に発生しているのに、この国の警察はまだ動かない。
う つになった
つ まづいてしまった
く つがぬげた
し にたくなった
い きることになった
おそらく
この自然には同じといえる
事象はありません
天国と極楽が違うように
希望のシャロンに
輝く未来は到来しないように
さっぱりわからない
まま
死んだひとがいた
けっこう
にくまれていたのかな?
こっちは嫌いじゃなかったよ
けつえんなんだから
法事には行ってたでしょ?
なにかにやぶ ....
パンはもうすぐ焼けると思う
夜が来たり
雨が降ったりする
人間の気持ちを傷つけたくて仕方がないときがあり
着替えて
街を廻る
そんなふうに
蓋をして
砂みたいになっていく
....
悲しみを癒してくれるのは
時の流れなのかもしれない
悲しみを救ってくれるのは
寄り添ってくれる愛なのかもしれない
しかし
ぼくらはただ知らないだけなのかもしれない
もしかしたら
....
1
コミケの意味さえも知らずに、そこでは生身
のラムちゃんが見れると聞いたのもので。中
味も知らない冊子を所定の場所にドンと置く
と、待ってましたとばかりに、とは言え、一
言 ....
また夜になり
静けさ、
部屋に充満して
私は一人横たわる
人差し指より先に薬指が
ディスプレイに触れ
誤字が打たれていくのを
眺めながら
)アトランダムな文字列から
)生傷の如く ....
言葉というのは
光の反射のよう
どこでどう突き刺さるのか
わからない
まるで迷子の心細さなど
味わったことない顔をして
いつか母になったとき
むかし言った言葉に
埋め殺されそうにな ....
五本の石柱がたっていた
ねっとりしたモスグリーンの海水に浸され
洪水の街を泳ぐ人達
徘徊していた裸の老女は何処へ行ったのだろう?
目覚めて闇が迫って来る
自分という感覚が死んでいく
....
出題例:パンはパンでももう二度と食べられないパンは?
解答例:あの子がトングで配膳してくれた給食の揚げパン。
391
桜
咲くな
まだ散るな
392
そうしたら今でもって
僕らは僕らに戻って
月はまた月になる
393
えん っていうのかな
すぐに ....
空っぽのパーティーの肉料理
こんもりとぶ厚い太腿
276,000回のキッスと
体裁のよいオードブル
雑誌のポケットにしまわれたゴシップ記事
インデントされたままの挨拶文みたいなラブレ ....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの子供らの激しい絡み合いか
展開され焼き付けられるその光景
草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包帯の ....
お寿司のネタは常にネタバレをしている。
シャリの上にて堂々とネタバレをしている。
忘れられない最終の恋を
たいせつな思い出にするなんて
自己愛が強すぎる女みたいで
ちょっと引いてしまう
陽はまた昇るから
新しいまっさらな真っ白な心で
前を向いて恋をしたって、いいんだ ....
お腹と背中がくっついて薄い紙切れとなった僕。
北風に天国へ飛ばされ、祖母のぼた餅が食べたいな。
わだかまりが
嫌で
夜を歩くのです
わかってもらえない
プライドを捨てて
夜を歩くのです
すべてを終わらせるために
生きてきたわけではない
夜を歩いて
たどり着いたコンビ ....
24個の光が
鼓動する
キャンバスの上でまわる
それは時間だ
キャンバスの中では
今日と夕陽が混ざり
遊び疲れた赤い河が流れる
そして娘の声が空気遠 ....
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