お星さま
聞いてくれるかな

祝福を受けながら
全ての人は生まれてくると
どこかで聞いたけど
そんなのは嘘っぱちだ

誰もが知っているのに
口に出さない
出せないだけ

だから ....
「何が一番楽しかった?」

夕暮れの帰り道で
君が尋ねてくる

「そうだな……
公園からの海がきれいだったし
カフェの中が涼しかった」

「カラオケはどうだったの?」
「あっ! も ....
この服を脱ぎたい
そうしたら
気のいい単語と
すこしの助詞や助動詞たちを連れ
ピクニックにいくんだ

パラソルの下で
サンドイッチを食べる
貝殻を覗いて
蟹を見つけたり
珊瑚や不思 ....
誰も僕のことなんて考えていない
誰も僕のことなんて気にも掛けない
20には20なりの
青白い燐光立つ
必死に衰弱した世界があって
胸一杯に影を溜め
東京から国道6号線を
北へと向かった
 ....
二〇一五年四月一日 「少年はハーモニカの音が好きだと言った。」

 これは、『ゲイ・ポエムズ』に収録した『陽の埋葬』の一つに書いた少年の言葉だった。ぼくがまだ20代だったころの話だ。なんで思い出し ....
空から釘が降って来ます
かなしい月夜の破片のように

眼のない森に歯形を付けて
ひとり眠りにつくとしよう
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている

私は寝床を整える
不眠の夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らされ ....
あるとき彼は巨人になりました
大きくて温厚な男でした
巨人になった彼は街のビルディングに鎖で縛られました
ビルディングの下を通る人たちは
彼を見上げながらも早足で駆け抜けました
ビルディング ....
ああつらいと叫ぶ。そうすると、どうした!と駆けつける。一回や二回なら駆けつける。それがずうっとつづくとする。その場合、駆けつけないこともある。叫んだ人間はその事で相手をなじるかも知れない。そしてなじら .... 打ち震え他山の石となりてあり{ルビ銀漢=ぎんかん}闇に渦巻くさなかに

撃ち砕く{ルビ蒼空=そら}の独房ふるさとの{ルビ浅葱色=あさぎいろ}なる{ルビ苫屋=とまや}にありて

この詩をば貶むま ....
鳥はなんでとぶか
この謎をしるものはいない
人がなんでとべないか
これも誰もしらない

仮説を枕にみる夢は
打ち続く杭となり
惑星の地平線を覆い尽くす

繋ぎ止める物語が無ければ
 ....
一つの生をたずさえて
一つの詩をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く

)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ

 ....
すごく素敵なリアクションの持ち主
フライドチキンは譲りたいからいつも三本買った

どこにも行けない場所なんて無い
それを確かめる為だけに深夜の国道をぶっ飛ばしたね

んでプレヴェールが少し ....
二〇一五年三月一日 「へしこ」


 日知庵で、大谷良太くんと飲みながらくっちゃべりしてた。くっちゃべりながら飲んでたのかな。ケルアック、サルトル、カミュの話とかしてた。へしこ、初体験だった。大 ....
ふゆのみず一枚ものの山の{ルビ膚=はだ}

日向ぼこ先客ありや梅の花

冬禽のほおばる橋や信濃川

かざはなとともに踊りの孤軍なり

冬帽子かぶるもぬぐも父めけり

とつぷりと{ル ....
ツンドラに三日月墜ちて小半日そろゝ窓も童話帯びしか


鍵盤に凭れし少年老いやすき高音探しに暮るゝ聖堂


魂は濡らさぬようにふところに忍ばせて来る冬の男ら


おもいでは至る所に散 ....
鮮やかな轍を残しつつ
決して姿を現さぬもの

底に沈んだ泥団を
清められた手で掬い上げ
透過する心の底
遥か彼方の源頭に
耳鳴り繁く接続する

見えないものと見えるもの
貫き生きる ....
{引用=鳶}
暮れかけの空
トンビたちは思い思いの弧を描く
風に乗り
風を切り
風を起こし
また受けて
狩りの照準を
時折水平に起こし
淡くたなびく雲の帯を
くぐるつもりか遠く巡っ ....
白く燃えている
白く
詩の言葉のなか
わたしはもはや
この世の物ではなく
白く燃えている
白く


純白の壁取り囲む
純白の壁走る
純白の耳鳴り
純白に総毛立ち

体が空だ ....
接触年……いくつめかの膜宇宙の寝返りの時、古い厠のような銀河の27週半した頃

種族分類……Aおおむね炭素、Bおおむねメタン、両者惑星間たった8パーセク

事後……A壊滅、Bに壊滅の意図なし及 ....
愛を1リットルをおくれ
もしお金で買えるならばね

ひもじさをもう一度おくれ
愛に満たされた後で

美しい言葉が降りてくる前に
本当の悲しみを教えてくれるかい

ストリートファイトで ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し曝さ ....
 耳朶の下に隠れていた子鬼がふいに現れPCをシャットダウンさせてしまう。ふり向くと堆く積まれた原稿用紙がある。どこからか蝿が飛んできて、用紙のマスの中に不器用に死んでいく。促されるようにCDの記録層に .... 目を瞑ると
さっと広がる
闇のなか
光の気の熱の子が
くらげのように
浮遊する
泡立つ
暗い意識のなか
触手を伸ばしたり
縮めたり
反発したり
共鳴したり
それは忙しい
流動 ....
二〇一五年二月一日 「樵」

 30年ほどむかし、毎週土曜の深夜に、京大関係の勉強会かな、京大の寮をカフェにしていて、関西のゲイやレズビアンの文学者や芸術家が集まって、楽しく時間を過ごしていたこと ....
どんよりとした
鉛の雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
わけの分からない宣伝カーが
ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりと動かない空気
傾きか ....
恋してるそっと掬って湯豆腐とタラと白菜 里は深雪 二〇一五年一月一日 「初夢はどっち?」


 ようやく解放された。わかい、ふつう体型の霊が、ぼくの横にいたのだ。おもしろいから、ぼくのチンポコさわって、というと、ほんとにさわってきたので、びっく ....
「漂流」

気が付くといつも善悪の島に流れ着く。



「地球動物園の《人間山》」

自分にどこか似ているが自分より脆そうな猿、そんな猿がいると、猿は安堵する。そういう猿の存在が猿山で ....
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった

静けさに沈む
 何もない
静けさに沈む
 足場を欠く

俺の肉体と意識は解離したまま、
冬陽の芳香を嗅いでいた
それは明る ....
こたきひろしさんのおすすめリスト(2119)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星に憂いを- YEWJI 自由詩2*21-2-4
一番の思い出- YEWJI 自由詩3*21-2-2
この服を脱ぎたい- 道草次郎自由詩8*21-2-1
6号線を下って-磯原の海- Giovanni自由詩4*21-2-1
詩の日めくり_二〇一五年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩17*21-1-31
釘降りの夜- 道草次郎自由詩8*21-1-31
静けさ、ちょこんと- ひだかた ...自由詩12*21-1-30
ある巨人の話- 由比良 ...自由詩4*21-1-30
善行についての疑問- 道草次郎散文(批評 ...421-1-30
彷徨短歌10首- 道草次郎短歌2*21-1-29
鳥はなんでとぶか- 道草次郎自由詩621-1-28
一つの生を、一つの詩を- ひだかた ...自由詩621-1-26
フライドチキンの季節- 道草次郎自由詩3*21-1-26
詩の日めくり_二〇一五年三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-1-24
冬の先客- 道草次郎俳句2*21-1-23
十二の落首- 道草次郎短歌3*21-1-23
- ひだかた ...自由詩521-1-23
視破線- ただのみ ...自由詩4*21-1-23
反転記憶〇赤チン小僧- ひだかた ...自由詩421-1-22
『銀河おもしろファーストコンタクトあれやこれや便覧』- 道草次郎自由詩4*21-1-22
ストレイキャットブルース- 梅昆布茶自由詩821-1-22
月下- ひだかた ...自由詩721-1-20
残響- 道草次郎自由詩4*21-1-18
幻視くらげ- ひだかた ...自由詩7*21-1-18
詩の日めくり_二〇一五年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-1-17
道草- ひだかた ...自由詩8*21-1-17
湯豆腐- 足立らど ...短歌421-1-17
詩の日めくり_二〇一五年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-1-11
漂流_- 道草次郎自由詩1*21-1-9
芳香- ひだかた ...自由詩721-1-8

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