其処は中庭
周囲がすっかり閉ざされて
何処から入ればいいのかわからない中庭
其処で
プロローグと
エピローグが
手をとりあってくるくると回っている
モノローグと
ダイアローグが
....
スープストックの安心を
幾つも並べ立てて
漸く応答する
眉の太い
少年漫画の強さで聞いてくる奴がいて
まだまだ一生無視するつもりでいる
誇りを二度と傷付けられはしない
夕陽が真っ赤に ....
背中に
正体不明の痒みがいる
赤くない
ぶつぶつもない
髪の毛も無い
突然の痒みがある
シャツをめくりあげて見てもらっている間
脇腹へ隠れていて
元通りになると戻ってくる
足 ....
禁断の果実を林檎と言い
魔女は白雪姫に売りつけた
毒を仕込んだら
反作用で呪いが無くなった
吐き出されて蒔かれた種から
立派な実を付け
ヴィルヘルムテルが次々と射って落とし
一つはニュー ....
悲しみの減少が喜びなら
大きな悲しみの減少は悲しみかな
だとしたら
喜びのような悲しみもあるということか
そう考えると
なんだかとんでもない所に生まれてきてしまったような気がする
詩を書くにはあまりにリアリストだった
この世を憂うなら
朝7時半の勤労前
誰かの仕事に文句を言ってた
知らない誰かを恨むなら
あきらめるんだ
損得勘定の感情で
切って捨てた知らな ....
つきたてだから今日食えと
新しいお米をもらった
せっかくだから
土鍋で炊いた
畑のオクラを刻んで
紫蘇の実と和えてお豆腐に添える
餅焼き網で焦がしたナスを
氷水にひたして ....
月に弓引く渚で
スライムつむりとぐんたいガニが
遊んでる
なにを話してるんだろ?
波に素足をさらすと
思っていたよりも水温が高かった
「これは、嵐になるかも」
それっぽく呟い ....
蝉がひっくり返り動かなくなっていた
マンションエレベータ前のコンクリート床の上で
僕は危うく踏みつけるところだった
何もこんな殺風景な所で死ななくても
僕はそう思いながら摘まみ上げようとした
....
絵日記に架空の過去の空を描く
その時は寺で侍を待っていた
寝たいんや 寝たいんやけど 熱帯夜
「正」の正しくない書き順制覇する
うかぶ言葉たちといっしょに歩いて ....
内臓を引っ掻き回されるような
そういう心地と戦っている
耳から入る情報は氾濫して
いつだって整理整頓の壁紙が剥けている
愛のことを
暴力と呼ぶような人間には
なりたくなかったよ
....
貴方が鍋に放り込んだものを
いつしか美味しいとは言えなくなった
貴方が穴に放り込んだものを
いつしか美しいとは言えなくなった
わたしが成長してしまったのかな
貴方はいつまでも変わらないのに
....
今日、先年の水害で何もかもが水浸しとなった地区に行ってきた。路肩に植えらていた筈のマリーゴールドは尽く引き抜かれ、その代わりに黒い農業用マルチがのっぺりと施されていた。
ちょうど一年 ....
どちらか
からの
黙らせる
{ルビ海嘯=かいしょう}
それがあり
その後に
ながい
沈黙がおりる
{ルビ匿=かくま}われる
月夜に
ひたひたと
寄せる
波
堪えきれず ....
母は、
なまえはつけないほうがいいよ
と冷蔵庫にむかって
言いつづけた
寝ているときは
ずっと怒っている
車をひっくり返し
おとこを犯し
ベランダに放火し
エレベータ ....
孤立
は
死病
だ
人は人と
繋がらなければ
生きていけない
のに
金を持って
いないと
キリストだけ
を信じて
いないと
健康で
いないと
胃ナイト
クエネェシ ....
遠くまで行く事にどんな意味があるのかは知らない
知る必要もないことがたぶん僕の人生を埋めていたって
愛の不毛に踏みだす為の飛翔でさえ
保障の無い冒険のはじまりだったり
誰もぼくのじゆう ....
・
コーデュロイと10回唱えれば秋となる。
デュの発音、決して油断なさらぬように。
・
古着屋のお兄さん、元気かな。
首筋に、五芒星の墨の入った。
・
MA―1を着た ....
{引用={ルビ韜晦=とうかい}でちらさないで
よく読み
分かろうとしますから
その訥々な心にあてがわれる
麦のような言葉で
{ルビ叩=はた}いて下さい}
一つも難しいことはない。 ....
書きたいことが山程あるのか
書きたいことなど全く無いのか
どっちなのかが分からない
どっちだっていいんだと思う
今こうして生きている自分を
少なくとも受け止めて
死 ....
自分て
自分が関わった誰かが悲しんだり泣いたりするのがとても耐えられないてだけの
そういう人間なんだ
だからこうなったんだし
現にこんな生き方しかできなくて
やむなく
詩も書くんだ ....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ浮かんでいる
死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表情に ....
とてつもなく深い闇がやってきそうな夜
私たちはたがいに嘆き悔やみ
とりもどせない時間を語った
テレビはあいかわらず五月蠅い番組だらけで
MCの甲高い声だけが鼻についた
声帯をナイフで ....
天使たちは陰口が大好き
馴れ合いだらけの花園で
互いに褒め合う仲良しごっこ
そして気が向けば誰かを貶める
あの人は私を傷つけたの
私は可哀想な被害者なの
だからみんなで取り囲み
羽根 ....
明けきらぬ午前四時半の空に星がきれいだからと行ってみれば、確かに、星は潤んだ涙。
昨晩降った豪雨は大気間に微細な汚れ一つ残さず空と雲とを清めた。あのかすみ雲を指さして「はやいら!」という ....
いままでもこれからもそしてこれらもみんな未詩シッピ
{引用=うそつきは}
ひとりはたのしい
ふたりはうれしい
さんにんはさびしい
よにんはおいしい
うそつきはだれみんな
....
もうおわりだと口に出して何度それを言ってそのたびに母の心をキリキリさせたか知らない
不登校だったとき
高校を3日で退学したとき
大学でうつになり死にそうだったとき
引きこもっていたとき
働き ....
自分は考えもせず
よくのうのうと生きてる
薄いレモン水にすら
ならないような
どうでもいいようなものを
せっせと捨てて
夜中目が覚めて眠れないでいると
聞こえる雨
見えないホワ ....
言わなかったことの中にあるものを
あなたは詩の中に忍ばせはしたけれど
それがあなたのほんとうの願いでないことは
こんなぼくでも少しは知っていたと思う
あなたはやさしくない
宇宙がやさしく ....
・
トンネルに入る瞬間、お前の瞳孔は開く。
嘗て獣だった頃、お前は俺を殺ったのさ。
・
僕の陰茎は暗闇に包まれすぎている。
なので、包み隠さずに打ち明けます。
・
夏 ....
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