まじょが
カレーの皿を割っている。
いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。
もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
....
さようなら
静かに落下してゆく
少し前までのわたし
頑張りましたの
はんこを押されもせず
1日が終わってしまう
ねむたいと
感じることを忘れてから
そんな儀式を繰り返して ....
ふと思い出すことがある
夕日に染まる街も
カモメと一緒に帰る船も
羽衣のようなひこうき雲も
誰もいなかった遥か昔
僕ら二人はあの
夏椿だったんだと
僕は枝 君は花
白く美し ....
私とあなたがもし仮に恋愛をしたら、
どうなるだろう。
私はわがままで、あなたは寛容で、
未来は海のように目の前に拡がるのではないか。
私の肩の荷は降りて、
花はいよいよ輝いて
鳥は歌を歌う ....
抗っているのだ
耳障りなMP3と私の言葉の反射線に
何もない虚空に何も変わらない存在を
その夕暮れの赤を
あなたの口癖を
ブラックアウトするコックピットで燃え盛る大地を見た兵士は
さよ ....
イーゼルの端から
あなたの目を見つめる
すれ違いの視線が嬉しくて
わずか8号のキャンバスに
尽きることのない思いを重ねる
窓から入る黄昏の風に
鼓動が乗って赤く染まる
もう少しま ....
蝉の声が空に重なる
秋が匂う古い和紙を広げ
朝顔の種に夏の風を置く
水無月の氷室
竹林が滝のように響き
氷が波音から運ばれる
笹の葉を一枚
逢えないあなたを想い
墨を乗せて ....
君の笑顔に星が住んでる
それからずっと星と暮らした
すべての星に神さまが居る
星のあなたが空に手をふる
甘い
パンのために踊り
朝がきて眠る
恋のためには
すべてがじゃまだね
うすむらさきの白い壁
鉄柱 花占いも
そう言ってわらうと
輪郭は迸り
崩れながら溶けあって
甘い ....
悲しい心の雨宿り
黄昏の半分は
行き場の無い気持ちの
荷物置き場
長い石段が
飽和状態まで濡れて
もう涙はたくさんと言う
眼の前で紫色した光が腰を下ろす
見上げると手が ....
長い坂道を夕日が
駆け下りてくる
木々を草花を燃やしながら
並んで歩くあなたの目も
ルビーのように揺れている
強く光るのは涙のせいなの
それとも私が泣いてるから
赤い目で ....
病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵のように残り
自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ
病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の ....
寂しいと
口に出すのがくやしくて
ぜんぜん寂しくないふりをする
吹かれ堕ち
桜の花の無残たる
汚れた悲しみなんかが好きだし
憎みたい
人ならいっぱいいる夜に
憎むきもち ....
疲れても疲れても、上乗せされる日々に
欲しても欲しても、満たされない願望に
憤りを感じる。
重荷だ。毎日の全てが。
谷底だ。マンションの階段を掃除していた日々。
信じられないくらい可愛い子ど ....
母の花鋏を持って庭に下りる
背の高いグラジオラスが
白い雲を背にして並び
赤い花が足元から空まで咲き
さあどうぞと言っている
一緒に埋めた球根が花になり
私の手を握ろうとす ....
重く湿った風が流れる
雨の子が風の中で泣いている
黒く長い葬列
蟻の足元で降りて
葬列に参加する
あのとき雨が降っていれば
この蝶は飛ばなかったのに
あのとき雨が降っ ....
俺の背中の生霊は
眼が合ったと因縁をつけ
そのまま俺に取り憑いた
男子学生だ
あれから肩が重いし
口もちゃんと開かない
吐き気もする
妖怪高校の職員室
俺は怒鳴り込んだ
教師 ....
どうでもいいぢやないか
それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた
ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
不毛なワンピース劇場に埋もれて
免除!免除!免除してしてしてして
それでも、しきれない、されきれない
私の恨みよどこまでも
ああ
レモン柄が!
きわめて明るいレモン柄が!
敗者となって横 ....
一つの生をたずさえて
一つの死をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く
)今は何もせずぼうとして
)うねる夏の光を夢見ながら
)美しく深まっていく世界を信じ
....
パチプロを自認するヤスくんはこのごろずっとパチスロに文字通りハマってるという
ちゃぶ台をひっくり返して戻ってきたキラキラの振り出しでヤスくんは煙草をふかして貧乏揺すりして早速フリーズしてる
....
やっと
太陽をつかまえた
つかまえた腕のなかで
少しだけふるえていた
唇をかさねると
少しだけ悲しそうな顔をして
それから
眠るように目をつむった
抱きしめた腕のなかに
太陽のに ....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
トイレに入ってブリブリうんこを出しておしりの穴をトイレットペーパーで拭くとうんこがずっとついてくる
うんことじぶんがしろい紙のうらとおもてでひと繋がりになってずっとおしりの穴を拭きつづける
ウォシ ....
特別なことがなかった一日の終わりに
薄く張った汗を引き剥がす
それに刻まれた一日の疲労を
しばらく眺めて排水口に流す
のたくった髪の毛にすがるように
なかなか ....
骨のない詩が畳まれて
送られてゆく
あかるい音とともに
チャージされるなにかたち
何度も水をくぐった
おもたい皿をもちよって
その晩、ぼくたちは
詩の骨でスープを取った
....
潮風が吹き抜けていく
春と夏が混じっているような
残業して街路樹を見ていたら
すっかり薄暗く
黄昏は西の国へ帰り
妖精が街灯を点けていく
帰りのバスを待ちながら
さっきまでい ....
しとしと
詩と死が降って来る
意味と響きの言葉の間(あわい)
貴女の声が木霊して
深い深い沈黙のなか
詩と死が現に孕まれる
)そのとき空が落ちてきて
)そのとき宇宙が爆発して
....
雨宿りの二人
息は白いけど
寒くなかった
定休日の喫茶店
赤いテントの下で
空を見るあなたの横で
私は横顔を見つめる
このまま
雨が止まなければ
いいと願った
沈み ....
母なる暖気
父なる寒気
そのはざ間で生まれる
梅雨前線
まるで
僕のようだ
やさしくて
あたたかい母
厳しくて
つめたい父 ....
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