ぶっ壊れたのが
ほうられて
くさりながらも
笑ってる
わるいこころが
湧きだして
よごれくすんで
何もかも
消えたくなって
でも
きえず
んなこといや
おこられる
い ....
風鈴の音が朝から鳴っていて、それがすごく五月蝿く感じられる。だいぶ焦っているようだ。
自分の人生を台無しにしてしまうことを今までたくさんしてきた。いい大人なのに嫁や母親に頼んで会社に ....
小さなポシェットひとつで、あなたは何処へだって行けるんですよ。
もちろんポシェットふたつでも、おそらくポシェットなど持たずとも。
夜明けとともに
星座から手紙が漂着する
卍が印された切手を剥がして
ガスコンロの火でそれを焼く
それから二度寝をしたら
ウラン鉱脈の至る所から水滴を集めてきた子供が雪原で蹲り耳を塞ぎながらア ....
星の刻
ぼくは砂漠のトカゲで
歩き疲れたラクダは銀河を見ていた
水溜まりにはジュラ紀の鬱蒼が
ネアンデルタール人の女の子とも恋をして
{引用=弄ぶ時流のうねり
倦むことなき鍾 ....
そらの光が、しろいのは
せかいの悲しみが、混ざっているから。
夜になれば、小雨が降り
ほおりだされた悲しみが、忘れられている。
陸にうちあげられるつめたい海水よ、
あらそい ....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている
)右足の親指が急につり
)反り返ったまま動かない
無音無言の部屋のなか
時は流砂のように流れていき
私が上げる ....
すべてのものに歴史が有り
呼応しあって一編の詩を編む
すべてのひとに歴史と生命誌がありときには
愛情の経歴書を携えて空に放たれる
すべての空虚に名前はない
風や雲や雨のようにあかるい ....
そらをとぶ骸骨か、煙かわからない
死んだあとを焼き場でみた
昼なのに、傷のある音を出す
濡れた髪を切りたい
たち止まり雲を見る、ひとは歩いている
....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
{引用=善光寺の庭を散策した折に浮かんだ句}
救われず{ルビ兜虫=かぶとむし}獲る午前二時
「害虫を捕獲してます」さよかいな
つんのめる先に大蟻おっとっと
....
たくさん詩を書いて
たくさん詩を消した
推敲などろくにせず
縋るように投稿した
作品と呼べるものなどなく
とても人様にお届けできるものではなかった
それでも悪くないねと誰かが言ってくれると ....
{引用=コオロギ
ぼくという
幼子がいなくなっても
コオロギたち
しばらくは まだ
地球に
いるのですか
音たち
しずかと思われても
時計 ....
目をつむると
疲れた子のように 眠ってしまった
コオロギの子守唄が
じつは 守ってくれていた
目を開けると まだ生きていて
うれしくって
だから 全部
水に流せる 気が ....
余白があるうちに死んでしまいたい
真新しい僕が、毎夜作り直される
アクリルの積み木の影に
いろとりどりの言霊を併せて魅せて
音を便りに遺せないように
戦ぐことしかできやしないと
口走ったも ....
心が鈍く疼いてどうしようもない時は
コオロギが鳴いている叢に身を投げ出して湿っぽいその草の青臭さにまみれていたい
夜露や植物が生み出す甘い匂いなんかが必要なのだ
五月雨よりも胸を打つ語句なん ....
今日、知り合いのお姉さんとセックスした。
精神薬と緊張のせいで射精はしなかった。
お姉さんは少し、馬鹿にしたような笑いを浮かべてた。
でも、経験人数がまた一人増えてよかった。
東の国の光が
樹々のさやさやに濾過されて
薄いカーテンにまるく形作られる
あれらは宇宙から帰ってきた魂
風が吹くたび
わずらいから放たれて踊ってみせる
おばあちゃんのことで覚えてい ....
我家のせせこましい厠(INAX,2017製)で用を足しながら考えた。今まで一体どれ位のオシッコを流してきたのかと。何トン、いや何十トン?詳細は無論不明だが、まあ、それはとにかく凄いことに相違 ....
雨に
濡れる
緑の丘を
白馬たちが
次から次へと
走り去っていく
その響き また その響き
凄まじく獰猛で限りなく繊細で
全ての白馬達が視界から消えた後
深く異様な沈黙が この界 ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く
二度と取り戻せない時間の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不 ....
滅菌室に芽吹いた
一本の葦
畳、開け放たれた窓、ほほをなでる風
庭に咲くキンモクセイ
高校の制服
ボールを蹴るときの足の反動と
ふくらはぎからふとももの筋肉の
機微
酸素と ....
新しい風は窓辺を抜けてこの部屋に一枚の若葉を寄こした。
柔らかな音楽に私の心がハミングしている。
描きかけのキャンバスはひっそりとそこに佇み、
次の一筆を黙って待っている。
....
いちまいの余生に見まがう、あの頬の
夜のふるいにかけられた白き無題よ
こめかみに走る雛鳥、点描にひかりが染みこんだ
その一つひとつはめもりのない朝
捨てられないものを増やした膝を
い ....
彼女は持つ
花を 花に似た見目姿を
その花が育ってゆく時間を
温かい自嘲を 揺れるブランコを
隠している本当の名前を
潮の満ち引きを
握り拳の中にあるものを
下降と上昇と停滞を繰り返す ....
ぼくたちはいつも何処かに落ち着こうと
ぼくたちはいつも誰かに愛される為に
莫大なエネルギーをつかいながらも
それでも
せめて自分だけでも保持しようとしている
腸内フローラと循 ....
銅、リチウム、カリウム
これらの金属は
ある種の状態で
炎に炙れば燃え盛るが
緑、紅色、薄紫という風に
それぞれが、違った色合いの
火を吐き出す
情熱が
その上昇気流が
人の ....
みんなみんな去っていった
私の前で順番に
見事に舞ったあと去っていった
もう二度舞わない
時折、舞ったふりをして
ときめかす、みんなみんな
ばらばらに
舞わなくてもいいから
目の前 ....
自由律?
イエ〜スッ!
むろん山頭火さんの句に惹かれて。
ただの、マネ?
NOよ。
心からの、オマージュ!
その、第二弾ッ!
ウシガエルめの鳴き声やまない夜
....
自由律?
むろん山頭火さんの句に惹かれて。
ただの、マネ?
NOよ。心からの、オマージュ!
あの猿求めて風の中あるく
撫でたひたいが狭い猫か
まちが紫陽花ばかり自転 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69