食パンの耳に独り言を聞かれてしまった。
どうしよう、はずかしい、あああー、ぱくっ。
ゆーくんが演技を終えて高得点を出して
馴染みのくまのプーさんのティッシュカバーにポンポンする姿カッコイイ。
昨日と同じゆーくんでほっとした。
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心
青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で
世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く
ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その ....
ふりかぶって捨て去った
そんな、あやまちだらけの過去
時間に少しずつ
ゆるされてゆく
ああ、淡い残像
脱気して漂白した
形骸だけ
眺める
あまりに
諦めすぎたのかもしれな ....
水掻きは退化していった。
恋人繋ぎがしやすいように。
君といる日々は永遠のなかの芥子粒程の幸福と思うけど
金木犀のちいさな花のように慎ましいかおりかもしれない
風に聴き耳を立ててごらん
すこしぐらいつまづくのはかまわないんだから
部屋のか ....
瓦が白く光っている
烏が一羽とまっている
広がる朝の光の中を
烏と瓦が交わっている
互いの輪郭守りながら
光の海を泳いでいる
)秋の蒼穹は何処まても高く
)光 ....
海馬という大海原を泳ぐイルカの群れ。
彼らが空へ跳ねる度、僕は自由を思い出す。
しろい砂浜の、
土のしたによこたわって、
あら、私はいつから死んでいたのでしょう……?
波の音がちかくに聴こえる。
器の中に様々な言葉が投げ入れられる
器はその度にかたちを変えていく
選んで選んで投げ入れられる言葉もあれば
一気呵成に投げ入れられる言葉もある
思った通りのかたちになることもあれば
思った通 ....
山道の石の沈黙を見たことがあるだろうか
ぎらついた欲もなく、うたう術も持たず
息を吐くこともない
おそろしいほどの年月を沈黙で費やしてきたのだ
いっとき降りやんだ雨と
鈍痛のような、 ....
生まれた木々はSORAに向かい広がり続ける
SORAは青く深くどこまでも透明で流れていく
幼子が両親に殺されるときにも
幼い風は歩きだした僕の心をなでて
葉っぱ達を目覚めさせ
遠くきみの ....
跳ねた足音が聞こえる
あの子が走っているんだ
自分の背丈以上に伸びた草っぱらを
毎日同じ時間
雑草だらけの道とも呼べない道は
いつの間にか踏み慣らされて
立派な道になっていた
そ ....
舞などまったくできない私だが
一つだけ舞いたい作品がある
織田信長が桶狭間の戦いの出陣前に
舞ったとされる幸若舞「敦盛」だ
「人間五十年 下天の内をくらぶれば
夢幻の如くなり
一度生を ....
買った古本に挟まっていた褪せたレシート。
97―8―3、1:28PM、遠い夏のかけら。
鷹女(たかおんな)、胸板を刺し冬を剪(き)り
ピーシーを終わらせ冬陽を昇らせる
春なのに月輪(がちりん)光り降るは銀。
桜酔い、ピーチジュースで酔い醒まし
....
じてんしゃのペダルを
1かいてんさせたら、
はんどるをクルっとまわすの。
かてぽんとおとをたてて、
すたんどをけったら、
みなとにむかってこぎだして。
強い強い風に額が切れた
あっという間に滲んでいく中で
あの横顔だけはっきり見えた
強く強く押されて柔らかいものが出ていった
あれがハートというのなら
今ぼくを動かしているものはな ....
都市のすきまかぜ
吹きこんだはざまから
顔をだすのは、
あなたと小鳥。
君のあくびを僕にうつしてください。
その可愛いウイルスに感染したいのです。
また、一つのことが終わり
また、一つのことが始まる
終わらない人生のように、それは終わらない
また、くりかえす……
命をつなぐ糸のように
私のつかんでいる一本の想い。
そこから ....
星になれるのなら、死んで
星になってしまおうと、ささやくのは
誰? 私という、古びた、下葉の上へ
雨粒がきれいに虹になって降りる。
崩れていた古城の壁、
流れていた、{ルビ街中=まちなか}の ....
(オペラ全幕を観なくとも
この3分足らずの間奏曲を聴けば
一つの物語を創作できる)
哀愁に満ちたフルートの音色が
どこからか聞こえてくる
波乱万丈の生き様の中で
訪れた束の間の休息
....
夜明けに除光液の匂い、どこからか。
夜がせっせと濃紺のマニキュア落としてる。
知っている
世界で一番きれいな
この街の
うす青いそら
庭の金木犀が咲いている
この春
大きくなりすぎてしまって
邪魔になってしまった
枝を切ってしまったのだけど
私 ....
樹間から
覗く秋晴れの青、
ふるふる震え
金木犀の香が舞う夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶を辿りいく
)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ
....
イチゴ、大好き!!!
みなとちゃんは、まだ2歳の女の子
小さな体で、パクパクパクパク
イチゴ1パックを食べ尽くしそう
お父さん、お母さんが
『1つ、ちょうだい!』
といくらお願いしても ....
本当に心底悲しい時
ひとは涙を流さない
雨がやっと止んだ
久し振りの晴れ間に何をしよう?
映画「雨あがる」にあったように
足止めを喰っていた旅を
再開するのが良いかも知れない
まず気鬱をすべて取り除いて
心も晴れやかにしたい ....
日々、瞬きのシャッターを切り続ける。
現像の出来ないネガ、心底に降り積もる。
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