どしゃぶりな気持ちで、家まで走る
うんと重い病気にでもなって
みんなを心配させてやるんだ・・・
みんなが僕をへっちゃらだとか言うから
本当に悔しい
短いスカートを穿くはしたない女に思われ ....
お帰りなさい、あたし、うれしいよ。
って、いいたいよ。
あたし、あなたに、会いたいよ。
あまいドーナツを食べたいな。
あまさの上にあまさを重ねた、
ほっぺとろけるお菓子が食 ....
あなたも
想像してみて
ください。
卒寿を越してから
独り暮しとなった
....
眠れぬ夜だ
さぁ、始めようか
まぁ、おかけなさい
喉が渇いた
夜を飲めば
余計に渇く
笑える。
薬は飲んだか?
完全なる前向きとは
死を否定して生きる事だ
疑ってはならない
....
魔法はいつか醒めるもの
それも残酷なタイミングで
少女時代の楽しいお茶会
永遠に続くはずだったのに
甘いお菓子たちの余韻が
不意に舌先から消え失せて
一緒に王子様の噂をしていた
乙女 ....
日常を薄めた森の中
ようこそ、新しい日常へ
ピクニックへ行きましょう
ここには迷いも悩みも無く
静けさの譜面に鳥が歌をのせる
そおいう所ですから
森の奥へ出かけまし ....
いつもの二階への階段をのぼっていたら
いつしか階段が森になっていた
のぼってゆけばゆくほど
森が深まる
樹々が茂り
鳥の声も聞こえてくる
のぼってものぼっても
いつもの二階にはなぜかいっ ....
街は、あなたが必要です。
かたあしで立つと、揺れる街
みあげればみえる
幾千幾万の銀河系の白い糸の模様たち
星座となのる用意があるものたちです。
街の灯が深く味わいもされず ....
暗く清い女の子だった
こんなに、水のように柔らかい裸足では
どこへも逃げだせないだろうと思っていた
彼女は星の連なりを蹴飛ばし
夜の幕を裂いて、去った
綺麗な笑顔の残像は流れ星のよう ....
父はとても厳格な人で
私達姉弟が幼い頃は
「男が泣いてもいいのは
親を天に見送る時だけだ」
と言って泣く弟を叱っていた
今、泣いている弟と母に
挟まれる形で立つ
その父親の頬に
涙 ....
ばかやろう。
掛けていた布団を蹴っ飛ばす。
揺れるカーテンに隠れた化けネコ。
4月の昆虫くさい風は
命の匂いなのか。
新しい命。と
握り潰された命。
乾燥 ....
もう、いやなんだ。
いやでたまらないんだ。
本当に、いやなんだ。
約束。忘れないで。
あなたが死んで、
私が苦しみから、
哀しみから、
死んだような毎 ....
左半分、灰桜。
花散らしの雨。
軽くひねり出される、膿。
つまみ出された、愚か者。
さみしがり屋だから火を灯す。
ぼくは
もう
独りじゃない。
火をつけてくれた ....
雨が近づくと
植物の匂いが強くなる
それはまるで
隠す気のない事後のようで
私は好きになれない
(きっと
罪悪感の裏返しね)
彼の車に乗って
高速を使い海へ向かう
やがて雨が降り ....
屍たちが満ちる春に
シは色鮮やかに咲き乱れ
空っぽの青空の上からは
目隠しをしたまま立ち去った
半透明な人々の名を呼ぶ
少女たちの清らかな声が
弧を描きながら降ってくる
(世界の秘密 ....
大人として
子供に教えなきゃいけないことが
「人は、いいひと、だけじゃない」
力弱い、無垢な子供は、あらゆる標的になりうる
守りたい、だから、覚えてほしい
....
永年勤続 祝い旅行に 花疲れ
ハムスター わたしのツレだよ 麗らかに
インコちゃん ハムスターとも 春来たる
息子がね 結婚しようかって 春の風
そうなんだ 見れたらいいね あれやこれ
....
才能や
理想や
思想や
理念なんかを
本棚にしまう今日
虚しさが部屋を包み込む
ネットワークという名の職場へ
放たれよ!
さすれば、世界の何億分の一さえ ....
むかし
死んだ人たちのことを思う
うっすらとした
哀しみのにおい
病院の夕暮れ
ピンクのカーテンが
淡くて、淡くて
おかえり
行ってらっしゃい
気をつけるんだよ
絵の具 ....
煙草の匂いが季節によって変わることは知っている
換気扇の下で走らせていた激昂の卵を抱きながら
燻らせていた頃が懐かしい
雨の知らせも感知しながら忙しい細胞たちと共に
煙にしか見えない守護霊 ....
締め切りが二日ズレただけでも
対応しづらいし首も痛む
そんな2017年12月27日だった
なごみすぎたのが原因なのか
血が充満しすぎたのが原因なのか
分からないながらも
天も迂回して行く中 ....
名前はひろゆき 漢字は知らない聞いたかもしれない
けれど 忘れた 苗字も知らない
スポーティなマフラーをいつもしていた
身長178センチくらいでAB型
煙草はマルメンだったかマルキンだ ....
誰かに優しくできないのを時代のせいにしないでよ
誰かに優しくできないのを社会のせいにしないでよ
みんなが幸せになれる世界が一番いいに決まっている
正しいとか間違いとかそんなのは関係なくて
....
あなたは何かに似ているんです
いつかどこかで
それともいつも見かけているような気がします
物置からストーブを出したんです
灯油を買いに行ったかえりに
大きなあくびは空に吸い込 ....
なんでもあるのに
なんでも失ってしまった
過去よ、届けて
未来よ、授けて
心に従うなんて
大きく揺れてるときは
混乱を招くだけ
ただ信じて待つ
たとえ信じることが
見 ....
命日に入院 成功祈願 墓参り
開頭術 縫合ホチキスって わたし文集?
もう出来ないね 畑返還 支度に出掛け
{ルビ十歳=ととせ}越え 冬バラ萩を 掘りあげて
故郷の庭 移植するのさ 生命よ続け ....
姉がトイレに降りて来たので
私は台所を離れて
パソコンの前に戻り
ピクチャーライブラリーの続きで
日付をスライドさして居たら
歯の生えた扉が
ものすごいスピードで
やって来て
十三歳の ....
シルバーカーと一緒にね
まだ51歳なのに色気ないけど
それがすっぴんのわたし
シルバーカーと一緒にね
会いに行くよ
冥土の土産に
もう、余生だよね
ナイフとフォーク使えなくて ....
叶わない夢があった
叶わない愛があった
雲間に射す月明かりに
旅を終えた道化師は
何を見たのだろう
年老いた深い皺には
いくつもの物語が刻まれ
ともし火はかすれ行く
月明か ....
昏い水の底で物言わず
新緑の葉の中で光を浴びず
紅の空に鳥は飛ばず
左翼を失った飛行機が大気圏を超えた日の話
毒入りの林檎を食べてしまった少女は
想定内の死を受け入れて
夕立の中美しく ....
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