夜風がすぅすぅ網戸から
入って来ては肌を撫でる
その微妙な心地よさに
うっとりしている午前三時、
電車は大通りを走り雪山へ
凍り付くよな身震いを
誘いぐんぐん進んで行く

鈍色空を背景 ....
生きれば生きるほど
恥を重ねることになるから
早いうちに
けりをつけた方が良い
とずっと思って来たが
年を取るほど感じなくなって
何とも思わなくなるのも
どうやら本当らしい
恥をかきま ....
本のなか文字のひろがる風景で存在しない曲を弾く人。



きみの黒い髪が宇宙みたいだった 青い景色に浮かんで見えた。



火のように月日はもえて土になり金いろの木に水をやってる。
 ....
二〇一六年五月一日 「叛逆航路」


 お昼から夕方まで、『The Wasteless Land.』の決定版の編集を大谷良太くんとしていて、そして、大谷くんと韓国料理店に行って、居酒屋に行って、 ....
きみの背後にはたくさんのごみの山がみえる
そのごみの山について
ぼくはいくらか考えてもいいだろうか
すずめが初夏のこずえにとまって
世界が軽やかにバウンドする
そんな果てなき午後の池のほとり ....
高い夜空が澄み渡り
晴れてはいても、なんともさみしい
きらびやかなネオンサイン
きれいだけれど、中身はからっぽ

あゝどうしたらたどり着けるのか
あゝどうしたら充たされるのか

途方も ....
誰もいない町に佇んでいる言葉


つめたさに目覚めた朝の冷めた夢


有限の湯気が光になっていく


ここにない声を再生している風


何もないただ大切な季節だった
夕焼けが寝転んでいるニ年前


何も知らないから知らない場所にいる


俯くと五臓六腑も俯いた


夕暮れが立ち上がるまで影と待つ
校庭の日かげで涼しい風浴びた


いつまでも響く十七音だった


雪解けのように時間が解いた問い


読んだ人それぞれにうまれるフィクション


その週に周囲の鯛を調べたい
 ....
君があまりにも優しく笑うから
あまったプリン譲ってしまう


君があまりにも優しく笑うから
あまりにも、優しく笑うから


君があまりにも優しく笑うから
割り切れなくていいと思った
 ....
二〇一六年四月一日 「愛のある生」


愛のある生

それが、ぼくのテーマだ。

「生」とは
いのちの輝きのことだ。

しかし、嘘は、すばらしい。
人生を生き生きとしたもの ....
夫が「コロナ感染者濃厚接触者」になって帰宅した

お相手とお互いマスクはしていたけれど
数時間対面で事情を聞いていたので
後からわかったのだけれど
「コロナ感染者」との濃厚接触者と認定された ....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている

その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでいく

 ....
二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」


いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ~
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ~
ってなこと ....


生きていることを楽しもうと、生きてみる。
すると呼吸がよそ行きの顔をする。夕飯が腸のなかで踊りをおどる。心臓がメトロノームになる。
段々、生きているだけで満たされていく自分が浮き彫りにな ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く

二度と取り戻せない時の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不意 ....
春が来ると
君が心臓に飼っている星座が
かぼそい声ですすり泣く
それを夜ごと聞きながら
どうすることもできない
ただ ほら
ルビー色のチューリップが咲いたよと
君の記憶の窓のむこうの
 ....
雨、水、魚。……一本の糸でつながれて、
ぴたん、ぴしゃん、しゃらん。
わたしたちにはわからない音楽を奏で合っている。
それを聞いてごらん?

言葉はどこから来て、どこへ行くのでしょうね。
 ....
あなたは優しさに何と話しかけるのですか?
「ありがとう」? それとも「愛しい」?
地球という球体が回って、わたしたち{ルビ人間=ひと}もそれにつられる。
生きていることとは、つねに奇跡なのですね ....
二〇一六年二月一日 「アルファベットの形しかないんかいな、笑。」


 何日かまえに、FBフレンドの映像を見て、いつも画像で、ストップ画像だから、ああ、素朴な感じでいいなあと思っていたら、映像で ....
座るな、と
椅子が言う
お前の未来を知ってんだ

引きこもって
座りすぎて
腰痛になやんで
手術がいまいちで

歩けなくなる

だから座るな
と椅子が念を押す

頼ってくれ ....
二〇一六年一月一日 「20世紀アメリカ短篇選」


『20世紀アメリカ短篇選』は、むかし上下巻読んだんだった。でも、ひとつも憶えていない。きのう、スピンラッドの短篇集だと思っていた『星々からの歌 ....
石垣に小さな花が咲いていました。
幼いわたしは傘を差し伸べて、可憐な花を守るのでした。
子供心は純粋で、
哀れという気持ちで、ただその花を見守りたく、

そして、傘の上に不意に見つけた蝸牛を ....
このごろは病臥しているので、
戸外の風景を見つめることができません。
買い物に出かける時も、目に入るのはアスファルトだけで、
鋪石が足元を圧迫しているのでした。

それでも今日は白い色の桜を ....
坂道に
水の流れ
大量に 
夜の透明
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人

君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地で
 ....
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る

「寂しいのか」と尋ねると

鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる

と、

足許でカタ ....
こんな寒い夜だから
いつまでもここにいよう

(非常の際は、ここを破って
 隣戸へ避難してください)

自分の不本意を私にぶつけて
ここに閉じ込めた母

あの時見た一等星は
今日も ....
市井の凡人でそれが理想です
理想の人生で
たまに挫けますが

時々休んではまた
歩いてみようと思うばかりで

宇多田ヒカルの
僕はくまが大好きで

この詩の結論を
煙草一本だけ吸 ....
追い求めた末に手に入れたのは
後悔だけで
似たような形状の夢たちは
いびつに微笑んでいる

見知らぬ道の桜吹雪

励ましのつもりでも
わたしには冷やかしである

咳払い一つで世界が ....
 
 20数年も前になるだろうか。たまたま帰り道に寄った駅ビルの居酒屋で、長い木目調のカウンターに腰掛け、惣菜のつまみをちびちびと頬張りながら熱燗を吞んでいた初老の男性と話したことがある。最初は遠慮 ....
こたきひろしさんのおすすめリスト(2119)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夢と夜風と雪山と- ひだかた ...自由詩15*21-5-17
マイソング- 花形新次自由詩621-5-17
雲のような存在- 水宮うみ短歌6*21-5-17
詩の日めくり_二〇一六年五月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-5-17
池のほとり- 道草次郎自由詩7*21-5-13
不在通知- ひだかた ...自由詩1121-5-12
バス停の透明- 水宮うみ川柳3*21-5-11
夕焼けのタイトル- 水宮うみ川柳5*21-5-11
うまれる- 水宮うみ川柳2*21-5-11
あまい- 水宮うみ短歌3*21-5-11
詩の日めくり_二〇一六年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-5-10
「コロナ感染者濃厚接触者」ですって- 鵜飼千代 ...自由詩20*21-5-10
春の青大将- ひだかた ...自由詩921-5-10
詩の日めくり_二〇一六年三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-4-24
4.23メモ- 道草次郎散文(批評 ...8*21-4-23
掬う言葉- ひだかた ...自由詩821-4-19
記憶花壇- 塔野夏子自由詩6*21-4-19
sonnet- 朧月夜自由詩4*21-4-17
sonnet- 朧月夜自由詩3*21-4-17
詩の日めくり_二〇一六年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-4-17
椅子- 木葉 揺自由詩8*21-4-11
詩の日めくり_二〇一六年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-4-10
sonnet- 朧月夜自由詩5*21-4-9
sonnet- 朧月夜自由詩5*21-4-9
水色の街(改訂)- ひだかた ...自由詩721-4-7
無音の夜- ひだかた ...自由詩821-4-6
ベランダ- TwoRivers自由詩7*21-4-5
ぼくはクマ- 梅昆布茶自由詩721-4-5
春霞- TwoRivers自由詩8*21-4-4
表現と表現者の領域_-詩人たちの末裔_Ⅳ- アラガイ ...自由詩9*21-4-4

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