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家を出て 当てもなしに歩いた
道を渡り 林を抜けただ独りで
ふるさとを 遠く離れて来てしまった
戻ろうにも 路半ばを過ぎてしまった
柔らかな陽光は悴んだ掌を宥めた
のどかな南風は凍っ ....
僕 は
僕 僕 僕 は
季節外れの海浜で
生成色の薄ら湿った砂を
ざんざん と蹴りながら
ただ独り言ちた
午前10時の 日立の海
青白く続く空の果ては
限りなく力ない空虚
こ ....
誰も僕のことなんて考えていない
誰も僕のことなんて気にも掛けない
20には20なりの
青白い燐光立つ
必死に衰弱した世界があって
胸一杯に影を溜め
東京から国道6号線を
北へと向かった
....
風のすっかり止んだ朝
あなたと僕とは
公園のベンチの見える辺りで
昨日の雨の激しさを思い出した
いつのまにか あなたがポケットに忍ばせた
淡色の宝石が 太陽を透かす
哀しい石鹸の香 ....
遠い汀に
戯れる鴎の姿
記憶は遥か遠く
思惟も体も
遠く 遠く
言葉は硬質な一条の
紙片に書かれた
淡くても強い直線
のようだ
彼岸を渡り
わたしの幻を
確かにあそこに
作 ....
驟雨が街を過ぎ
それから爽やかな風
陽の光が差し
窓の外から深く青い空
この大地で
たくさんの戦いがあって
たくさんの人が消えた
ああ 思い出したくても
決して思い出せない
....
無言のまま
田舎へ
無言のまま
夜の新幹線
無言のまま
神は
地へと失神する
もう
言葉はないのです
日々の中にも
秋津島の昔語りにも
それなのに
....
言葉が空を切るばかりだ
のどやかな空の下
芝生がさらさらと
白銀の歌 うたう
静かな公園で
確かに僕は
あなたの名を
呼んだのだが
言葉はなかった
あれは ....
うたのように
長い夏が来た
暑い国際通りで
私は泥のように
ラーメンの汁を啜る
うたのように
軽やかな夏が来た
蘇鉄の葉が
鼓動する
果ても知らない夜だ
ジェーン・バーキン ....
もういいよ
帰ろうよ
私たちは
あまりにも それぞれが
理由を愛しすぎて
変わらないものを
予定調和の規則を
もうもたれないのだ
もういいよ
帰ろうよ
私が あまりに速 ....
澄ました正装のように
白い波は悠々とした
砂浜は遥か彼方まで
カーキに揺れた
私は独り
この海辺に座り
あわれ と ああ
の
間にある
汚れた虹のような
渋味のある断崖を
....
夏の花巻
駅を降りたち
しばらく歩くと
緑の草地の中に
北上川はあった
イギリス海岸に
たどり着いて
小高いところにある
一つのベンチに腰掛けたとき
思うこと考えることの相違が
....
彼女は 指を噛んだ
ががりり と 噛んだ
男は痛がった
彼女は哄笑した
グラスが弾けた
男は顔を赤くした
彼女は 指を噛んだ
ががりり と 噛んだ
彼女は歯を見せて笑った
冷たい ....
こたきひろしさんのGiovanniさんおすすめリスト
(13)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
春に賦す
-
Giovanni
自由詩
8
21-2-28
6号線を下って-日立の海で砂を蹴りながら
-
Giovanni
自由詩
5*
21-2-23
6号線を下って-磯原の海
-
Giovanni
自由詩
4*
21-2-1
恋愛詩
-
Giovanni
自由詩
10*
19-11-5
別れ
-
Giovanni
自由詩
6
19-11-4
赤壁の風
-
Giovanni
自由詩
4*
19-8-21
言葉なき夜
-
Giovanni
自由詩
5*
19-7-15
夢の中では
-
Giovanni
自由詩
3*
19-7-15
うたのように
-
Giovanni
自由詩
4
19-6-16
むなしさ
-
Giovanni
自由詩
11*
19-6-8
海を見た
-
Giovanni
自由詩
9*
19-5-9
北上川
-
Giovanni
自由詩
12*
19-2-12
悲喜劇
-
Giovanni
自由詩
4*
18-11-7
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