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さよなら ´
入り口も出口もなく 近さも遠さもない声の内にあなたの裸体は張りついている
通り雨のような服のなかをあなたは歩いて帰り 、わたしは通り雨のような服の袖口であなたを見失う
....
てんじょうから染め物を垂らし ろうそくと鏡が揺れる小屋の もうとっくに知っている怪談に 肩をよせて聞き入った作法が
いとおしい
夜店のカラーひよこに触れた鮮やかな記憶 金魚を入れた袋の向こ ....
隠れ家のような住み処から生まれるものたちの
軽やかなでんぐりがえし
ひんやりとした土間をころがり 野原に消えていくものたち
わたしの貧しさが豊かさにてらされたものではなく 煤けた壁やゴザ ....
崖地から火葬場を見おろす2階建てアパートに生息した 夕焼けのもらい火が6月の風を駆り立てて死んだ
そんな風の噂
あくまでそんな 何処にも届かない声を追い立てた喉を 震わせて
6月から身を ....
アスファルトに落ちている犬のフンを蹴とばして 追いかけて
夏の薄暗がりに溶けてしみる厚化粧
わたしがわたしのものならさいしょから わたしはわたしのことなど考えはじめてない のかな
....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた
突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた
夏 ....
で、あずかったトモダチのカレシのイヌがしっぽを揺らすたびに部屋の椅子が倒れて コップが割れて床が濡れて
じょじょに狭いベッドに追い込まれてる
開け放した窓の外は暗いすごく
読み書きを ....
六月の夜の街で 通りすぎるはずの弾き語りに足をとめて
どうするべきか戸惑いつつ 疎らな聴衆の背後に加わり耳を傾けた
酔っていたせいかもしれない
気持ちのいい風が吹いていたからかもしれない ....
たしかに電車を乗り継いで、よくわからないうちにお墓の前に立ってた
お花もお供え物も、お線香もない
たよりないトトロのリコーダーが裏の通学路から聴こえてくる
このご時世しあわせであることは地獄 ....
お金を使いはたして 黄金がわたしより大切に扱われていくあたりまえさにみとれていた
マーケットの片隅で
多すぎるか少なすぎるかしかない
という
取り分を
数えきるまでに使いはたして ....
終電にゆられて、風の強い歩道橋を渡り、またビールを買って帰る
テレビ通販の明かりだけの部屋で、あしの爪を切りそろえて
膝を眼窩にうずめた
いつになく緊張してた官房長官がその昼なん ....
音楽は子供組が舐める風邪シロップみたいなものなんだって
遠い昔にいた偉い人がそう言ったんだって
いつかのあなたがぶっきらぼうに教えてくれた
わたしは中古の楽器を担ぐあなたについてまわ ....
開け放した玄関はその年の夏そのものだった
わたしはサンダルをつっかけて座り
水羊羹をのせた小皿を手に女をみていた
わたしを産んだ女は真剣な表情で
庭の手入れをいそいそとこなし
と ....
はる地球の回転が速まるせいか
わたしは立ちくらみして
光は速さをなくしたみたいになる
だからかはる 風が軽くなりすぎて
わたしの姿は光をうまく受けれなくなり
わたしの影はどこかへい ....
ししいろの鉱物の腹のなかで
わたしは花を摘んだ
夜が瞬きをして
世界が縮小した
額にくる雫
遠くで鳴る花火
人混みのなかで掴まれた腕
こわばる肩と影が重なる先にみた
追いつ ....
おそらくそこは岩がちでやや閉鎖的な地形をしていて
そこに人物が配置されている
周囲には緑豊かな扇状の低地がひろがりその先には森が形成されていて、遠くに暗青色の山が連なり、冷たい尾根には白い ....
お友達のお家じゃダイソンのSF的扇風機がクールに風を発生させてるのに
昭和な扇風機を昭和なわたしは
ぐるぐる回してアーアー言って
うちわで首に風をあて
カップメン片手に名古屋場所み ....
ねえ 誰にもいわずに
ここを出ていこうよ
Fast carを聴きながら
物憂げに首をかたむけて
なにも持ち出さずに
風に髪をなびかせて
煙草をたまにくわえたりもして
あなたからは ....
人数合わせで呼ばれたコンパだった
見計らうように薄着になる女の子たちの肌がまぶしかった
そのときだけのLINE交換
誰が注文したのか分からない烏賊のお刺身が手をつけられずに乾いていった
....
こたきひろしさんのDFW さんおすすめリスト
(20)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
さよならとひきわらい
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DFW
自由詩
10*
19-8-19
多く産まれる
-
DFW
自由詩
11*
19-8-8
古民家見学
-
DFW
自由詩
7*
19-8-3
さよなら、ジューン_アニマルズ
-
DFW
自由詩
11*
19-7-20
フーリガン
-
DFW
自由詩
2*
19-7-20
馬鹿にしてた
-
DFW
自由詩
13*
19-7-4
夏の夢
-
DFW
自由詩
20*
19-6-22
トモダチのカレシのイヌ
-
DFW
自由詩
4*
19-6-18
スペクトル
-
DFW
自由詩
9*
19-6-12
おじいちゃん
-
DFW
自由詩
5*
19-6-8
つぎの朝の紙くず
-
DFW
自由詩
4*
19-4-20
新たに
-
DFW
自由詩
6*
19-4-4
音楽
-
DFW
自由詩
12*
17-3-13
糸巻き
-
DFW
自由詩
10*
17-3-5
はるに
-
DFW
自由詩
17*
17-2-28
カーセックス
-
DFW
自由詩
4*
16-7-31
ランドスケープ
-
DFW
自由詩
4*
16-7-24
ちょうどいい愛情なんだろう
-
DFW
自由詩
2*
16-7-17
遠くまで
-
DFW
自由詩
3*
16-6-29
サープラス
-
DFW
自由詩
6*
16-6-27
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