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切り取られた野菜の端ばかり集め
冷蔵庫中腹で開かれる品評会で
腐りかけの指先で絶命した人参を転がす
朝は降ってこない
あるのは催促の声と模範囚ゴーレムの動かす
さえ箸の音である
...
初めて食べた妻の肉じゃがは
ジャガイモが溶けてドロドロしてた
味付けが良かったので
ぼくはこれなら食べられる と…
妻の表情は複雑で
泣きそうな眼がしらを湛えていた
最近の肉じゃがは大 ...
風の言葉に誘われながら
月日をかぞえ春を待つ
呪文が解ける若葉の季節
水はぬるくなり
汚れた手のひらを洗い
ソフトクリーム舐めながら
木々の木漏れ日に歌おう
日々の些細な幸せ ...
行き着くところは
決まっているので
どこに転んでも大丈夫
苦しむだけ苦しんで
楽しむだけ楽しんで
自分のなかの
おまえとの
秘密には
傷もあり
宝もあり
鳥の声もなく
ほおづきの花だけ白く小さく
風もなく 空に色はなく
ひたすら降りこめる小さな庭に
女である事も、忘れて居る
きみどりどろろ
ながれしたたりおちる
さきにあるもの
ばけものしろろ
しずまるたましいの
もえたつしえんのしかい
したいおきざりばけものしろろ
しんでしえんれいこんのかたち
どろろなが ...
犬は臭い
お隣の犬は知らないけど
少なくてもうちの犬は臭い
フランス製のシャンプーを買ってきて
風呂場で洗うが
ひと月もたつと臭い
犬は臭くて当たり前だけど
どうしても我慢できないのは
...
バスターミナルで
ステップ降りるパンプスに
纏いついてくる
外気の 重み
耳の端 掠める
年明けの駅前で戯れている人達の談笑は
夜陰に白いレース開いた
烏瓜の花
...
七回忌を過ぎた夜
寝入る微睡に
だれかの 手が触れてきて
髪を撫でるのです
幼い頃 してもらった様な
手のひらの温もりは貴女なのだ
と 気付き
うっすら 消 ...
詩がいなくなったのに僕がいる
ぽっかりとあいてしまった朝の空
仏陀もこんな気持だったのか
ついに死んでしまうまでの数ヶ月間
詩のために僕がいたとしても
僕のために詩はいないのだ
詩がい ...
健康生活は
早起きから始まる
早起きすれば
早く寝る
しかもぐっすり寝る
朝五時に起きて十時に寝るパターンであったが
この頃はだらけていた
また元のように早起きして
健康生活取り戻そう ...
眠ると夢の世界が開く
僕たちは現実の世界と夢の世界を生きている
眠ると
ワイフがまた何かにうなされている
亡くなった父が暴れている
亡くなった母が何か言っている
ここはどこだろう? ...
内蔵が結晶化する
ラピスラズリの夜
膵臓に付随する
未発達の器官は
白鳥の飛来を予感する
湖を遠く離れ
過去世から持ってきた水色の宝石
泣いたって
聞いたって
わからないこ ...
印度の行者が呟いた
ヒマラヤの少年が木立の上で聞いた鬼の歌
{ルビ諸行無常=しょぎょうむじょう} {ルビ是生滅法=ぜしょうめっぽう}…
少年はその続きが聞きたくて
鬼に言った
そ ...
命をかけた病魔を打ち破り
遥かなる壁を越えて
やっと此処までやって来た
秘密の呪文を唱えながら
また明日の壁を打ち破る
決して辛くはないのだ
生老病死は当たり前
毎日が楽しくて ...
きみの瞳は
水晶のように透明で
その頬は少女の面影を残している
ぼくのあやまちで
きみがガラスでぼくを傷つけた夜は遠く
彼方に飛んでいった
愛と憎しみは表裏一体で
その苦しみは理 ...
僕の住む街に雪が降る
まつ毛の上で休む間もなく
空から落ちて来るものは
どうして冷たいのか
答えが欲しい訳じゃないのに
掴めなかった手が
いま僕の体温を奪って
消えていく雪のように
...
よし!黒白くしよ!
よし くろしろくしよ
舞う。マジでシマウマ。
まう まじでしまうま
余分を減らそう。空へおんぶよ。
よぶんをへらそう そらへおんぶよ
良くて今朝 ...
銃をとれ 武器をもて 世界は君の味方
そこは天井のない牢獄と 呼ばれ続けてる
百年以上敵国に 囲まれ蹂躙され
今や子供たちまでも 無惨に殺される
立ち上がった君が 誰かを殺しても
それが ...
濃密に暗まる碧天に
久保田くんの顔、
巨大に貼り付き
びっくりする僕に
久保田くんから
十年ぶりに
電話掛かって来て、
オマエの顔 空に貼り付いてるぞ!
と叫んだら、
だ ...
大寒の朝
フロントガラスにいくつもの
小さな雨粒たちが
縦に並んでいる
球体の接地面で
ふるふると
ふるえてる
ああ、ここにあったのだ
糸から外れても
ばらばらにならないで
ここに ...
ノーベル経済学賞のアルビン・ロスが
結婚生活で守るべき法則として
「配偶者より幸せになってはいけない」
と言っていたという記事を読んだ
結婚当初家内は
私を幸せにしてあげたいと言った
...
大雪の日
山間の住宅地を車で抜けてゆく
止まったら動かなくなりそうな上り坂
アクセルを踏みこむ
対向車が来ないことを願いながら
暗い空 黒い樹々
水墨画の中に迷い込んだような──
その時 ...
半年ぶりにOさんに会った
50歳の彼女だが相変わらずかわいい声である
癒し声である
若い頃は顔に興味があったが
この頃は声に興味がある
かわいい声 やさしい声 トゲのある声 暗い声
明る ...
百年残る普遍性……
三日前の投稿も
覚えていない
鮮度が命
刺身か
新しくなくても
いいと思うんです
井戸があったら
言っても詮無い
事だったが
一番は
一番責任が重い
...
このところ何も
ほんとうに 話す事が無く
彼の微笑に
「はい。変わりなく過ごしています。」
とだけ
困っている事も
迷っている事も
どうにかしたいと希むことも
彼 ...
{ルビ一滴=ひとしずく}の涙が
{ルビ渓流=たに}となり
やがて河となって海に溶けてゆく
若かったあの頃はとても純粋で
年が経つほどに灰色になって
ぼくには些細なことが当たり前になった
...
他人には
私が幸せかどうか
なんて決められない。
私自身がどう思うかだ
私は幸せです
・
不幸な時もあるでしょうけど
ある意味、幸せはなるもんじゃない
幸せに気付けるかどうかだ ...
ぺしゃんこ だね
人はいつだって
ぺしゃんこなんだ
なんどもなんども
生きて死んで
また生きて
少しずつ
少しずつ
立ち上がりながら も
やっぱりまだぺしゃんこ だな
うん そ ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
さいはて に至るまで02
ゆるこ
自由詩
3
24/1/21 23:22
糟糠の妻
レタス
自由詩
2*
24/1/21 23:21
皐月
〃
自由詩
5*
24/1/21 22:56
※五行歌「行き着くところは 決まっているので」
こしごえ
自由詩
4*
24/1/21 22:05
※五行歌「おまえとの 秘密には」
〃
自由詩
6*
24/1/21 22:05
五行歌 Oblivion
リリー
自由詩
3*
24/1/21 18:44
境界にて(改訂)
ひだかたけし
自由詩
3
24/1/21 17:08
犬を洗う
たま
自由詩
5
24/1/21 16:47
回送バス
リリー
自由詩
5*
24/1/21 15:21
リインカネーション
〃
自由詩
8*
24/1/21 12:57
詩がいなくなったのに僕がいる
かち
自由詩
2
24/1/21 10:46
健康生活
ホカチャン
自由詩
2*
24/1/21 5:48
夢の世界
〃
自由詩
1*
24/1/21 5:38
空白
トビラ
自由詩
3*
24/1/21 0:22
輪廻の果て
レタス
自由詩
3*
24/1/20 23:16
明日へ
〃
自由詩
4*
24/1/20 22:32
純愛
〃
自由詩
3*
24/1/20 21:55
空のあいだ
ミナト 螢
自由詩
2
24/1/20 20:17
白黒詩(回文)
水宮うみ
自由詩
1*
24/1/20 19:13
銃をとれ
紀ノ川つかさ
自由詩
0
24/1/20 18:02
久保田の穴
ひだかたけし
自由詩
5*
24/1/20 17:27
邂逅
そらの珊瑚
自由詩
8*
24/1/20 11:00
配偶者より幸せになってはいけない
イオン
自由詩
3*
24/1/20 10:43
うさぎとカケス
ただのみきや
自由詩
3*
24/1/20 9:21
声
ホカチャン
自由詩
4*
24/1/20 9:11
曇天に思うこと
りゅうさん
自由詩
5*
24/1/20 7:39
診察室
リリー
自由詩
5*
24/1/20 7:00
セフィニ
レタス
自由詩
6*
24/1/19 22:06
※五行歌 二首「幸せに気付けるかどうかだ」
こしごえ
自由詩
5*
24/1/19 16:55
ぺしゃんこのうた
ひだかたけし
自由詩
6*
24/1/19 15:31
130
131
132
133
134
135
136
137
138
139
140
141
142
143
144
145
146
147
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150
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152
153
154
155
156
157
158
159
160
161
162
163
164
165
166
167
168
169
170
加筆訂正:
邂逅
/
そらの珊瑚
[24/1/20 12:27]
行替え、その他少し手直ししました
セフィニ
/
レタス
[24/1/20 6:40]
田中宏輔さん 少し手をいれました。申し訳ありません。
4.87sec.