あなたの形見のランプは、魂の姿に似て
夜になると書斎の椅子に腰かける
僕の仕事を照らし出す

* * *

あの日
この世の時間と空間を離れ
自らのからだを脱いだあなた ...
今日死んだ蜉蝣の数 あなたしか知らない言葉の消えてゆく数 現実とはと彼が切り出したので、言葉の続きを待った。
現実とは道だ。それも廃線だ。草が茂り、傍らにゴミが散乱し、どこからかガソリンの匂いがする。吐瀉物や廃棄物のシミが至る所に散らばっている。線路は錆び ...
何処にも行き着くことはなく
そっと明かりを灯すように
静かに確かに歩んでいる
過程にのみ意味が開き
繋ぐ意味に花が咲く
そんなひたむきな息継ぎを
ただただうつくしく晒している
(目眩くよ ...
世の中で一番の悪は
デブの女ではないかという説がある
和歌山のヒ素カレー事件も
練炭自殺装った連続保険金詐欺事件も
尼崎のドラム缶殺人も
今度の5歳児餓死事件の共犯も
みんなデブの女の仕業 ...
夕暮れは虹色の未来を映し、曇天な過去を模造する
どこへ向かうのかその視界をのせて、
なにを泣いているのか、何故に枯れ葉散るのか

ひとつの木に漂着した夢を見た、気がする

靄の中を奔り続け ...
役立たずの大根の種、それを見極める方法を知っておられるだろうか。
それは、水に浸してみることだ。
しばらくするとプカプカと浮いてくるやつがある。それが、たぶん高確率で芽の出ない種だ。中身がスカスカ ...
千の自由が地面を覆い尽くす
千の不自由がさらにその上を覆い尽くす
魚群を追う影が一筋
誰にも渡すまいとして
うず高く積もれるか?
もっと自由になりたくて
空はどうだ?
あそこまで積もれる ...
耳から咲いたうつくしい花の声たち
眠っているときだけ、咲く花がある
あなたはそれを観る事はないだろう

生きた証し、誰かの
言葉に耳を傾けた証し
母さんの声は咲いているか
愛しいあの娘の ...
青空のように真っ青だった空



すごろくをすごくつくってすごす図工



どこかの地層に残っていた涙



ただひとつだけ言えることずっと言う
猫はバンドネオン
彼女の腕に抱かれ
残像の融解と拮抗する
毛皮のレジスタンス


霧の池に耳を沈める
跳ねる魚
飛び立つ水鳥

昨夜の夢から浮かび上がる
白い死体
隠れた月が手 ...
生まれつき
泥じゃなく砂をかためたふたりのからだは穏やかな波にさらわれ
いつしか跡形もなく
消えて
しまって
から

さらさらふたりきりで 小さな
肌のかけら
となり

青い ...
古代はひがないちにち風を吹かせて
日捲りはやがて春を忘れてしまうだろう

肩甲骨のあたりの憂いは上等な娯楽あるいは
ながれついた憎しみをも拭い去ってしまうのかもしれない

あの娘はときどき ...
思い出は遠のくのでもなく

色褪せるのでもなく

失われるのでもなく

ただ軽やかになっていくのだ

綿毛のようにフワフワと

この世界を風に乗って飛び回り

ふとした拍子に舞 ...
二〇一五年九月一日 「明日」


 ドボンッて音がして、つづけて、ドボンッドボンッって音がしたので振り返ったら、さっきまでたくさんいた明日たちが、プールの水のなかにつぎつぎと滑り落ちていくのが見 ...
流れ星、甘い小川の橋のさき 暗い平地で高まくらかな

うつぜえな、詩集を刺した箱庭は石を周って夜作れって

ゲンゾウはFrankensteinの夢を見る 愛しさ倍増 生物兵器の
表情が見えないマスクに慣れたら
言葉だけでニュアンスが
分かるような気がしてきて
真実が見えないSNSでも
文字だけでニュアンスが
分かるような気がしてきた
錯覚かもしれないけどね

...
真夜中の台所で 小さく座っている
仄暗い灯りの下で湯を沸かし続けている人
今日は私で 昔は母、だったもの、

秒針の動きが響くその中央で
テーブルに集う家族たちが夢見たものは
何であったの ...
防災行政無線が鳴る
振り込め詐欺にご注意くださいと
毎度、空襲警報みたいで嫌いだ

世の中にそんなおいしいものがあると
思っているからそんな目に遭うのだ

では世の中にそんなおいしい
...
思い出すことは出来ても
その過去に戻れない

セピア色した思い出の数々
その場所の匂いや雰囲気が
私に強く伝わってくる

撮った写真は時間が経てば
どうしても色褪せてしまう

嫌な ...
味噌ラーメンは北の食べ物だ。
キムチは韓国の漬け物だ。
これをたしたらうまいだろうな
そういう野心が好きだ
その野心が百杯のラーメンではなく
この一杯のラーメンになる
ところが好きだ
私 ...
昔友達と訪れた日のロンドンで
テムズ川を渡った そこで
目にしたのはトランポリンで飛ぶ子供の姿と
スケボーを滑らす子供の姿だった
ようやく晴れた。

長い長い曇り空に軽やかな風が吹き
あっという間に青空が現れた

ユーミンが言う中央フリーウェイに乗って
先週見かけた富士山をまた眺めた。

さぁ、次は何をしよう。
...
波間に
かき置きして
いつもの行動範囲から
少しはみだしたところを
回遊して来たら
ぼくんちでは
ぼくの
葬式を出していた

しょうがないから
ぼくは
ぼくんちのまわりを
グル ...
今日高曇りの空の下、
肉を引き摺り歩いていた
春という大切を
明るみながら覚えていく
妙に浮わついた魂を
押し留めながら、押し留めながら

離れていかないように
剥がれていかないように ...
どれだけの独自言語が死んだのでこうして笑いあえているのか まるで上のが落ちて来そう、
星も一緒にです。
それを{ルビ享=う}けるのは、
{ルビ蟋蟀=こおろぎ}のしょっかくに触れる惑星大のくさ。

いちめんの{ルビ叢=くさむら}は、
イカ釣り漁船の ...
追い駆けるのをやめた時
形が分からなくなるね

君の背中が
トンネルを抜ける前に
逆光の中で受け取った
さよならは
肌に纏わりついて
もうどんな願いも
叶えずに生きていく

君と ...
聞きとれない靴音がいくつも通り過ぎて
わたしを避けるように交差した
どこからかしるべの虫と
やわらかそうな短い影
君はやっとヘッドフォンを外して
そこまで寒くないことに気づくんだろう
朝い ...
この背中に
長くのしかかっていた
寒くて冷たい
暗黒の季節

幾つも幾つも
どれだけ夜明けを迎えても
春の兆しは
一向に見えなかった

だけどやっと
終わりの時が来たようだ

...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
風の吹く午後服部 剛自由詩421/3/6 22:47
_いる短歌121/3/6 22:38
廃線入間しゅか自由詩321/3/6 20:44
永遠ひだかたけし自由詩421/3/6 20:18
デブの女花形新次自由詩021/3/6 20:15
たそがれメセナあらい自由詩021/3/6 19:22
大根論文道草次郎散文(批評...4*21/3/6 17:48
ペリカン妻咲邦香自由詩121/3/6 17:00
たまゆら帆場蔵人自由詩12*21/3/6 15:04
ここは午後水宮うみ川柳4*21/3/6 14:16
三面鏡に挟む春ただのみきや自由詩4*21/3/6 12:46
ロングバケーション末下りょう自由詩4*21/3/6 12:28
誕生日のきみに梅昆布茶自由詩1021/3/6 12:05
思い出青井自由詩421/3/6 10:53
詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日田中宏輔自由詩15*21/3/6 10:50
現フォ短歌3首足立らどみ短歌021/3/6 10:23
マスクトレーニングイオン自由詩1*21/3/6 9:26
くりかえしの水為平 澪自由詩8*21/3/6 8:57
詩人の洞察りゅうさん自由詩121/3/6 6:09
セピア色夏川ゆう自由詩221/3/6 5:55
キムチ味噌ラーメン黒田康之自由詩021/3/6 2:10
思い出の風景番田 自由詩121/3/6 1:53
アフターダークラムネ自由詩121/3/6 0:16
やわらかな痕跡道草次郎自由詩3*21/3/5 23:24
今日この春日にひだかたけし自由詩421/3/5 23:01
_いる短歌321/3/5 22:05
幻想平原道草次郎自由詩3*21/3/5 21:11
行方ミナト 螢自由詩021/3/5 19:34
カバンの中でタンブラーこぼれたカマキリ自由詩221/3/5 19:20
雪どけYEWJI 自由詩021/3/5 18:00

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加筆訂正:
三面鏡に挟む春/ただのみきや[21/3/6 17:12]
数文字訂正
4.12sec.