大きくなった君のおなかに
毎晩クリームを塗って
赤ん坊に声をかける
人間の果実は君のおなかに実る
この果実の中では赤ん坊が
手足を動かし呼吸していて
少しずつ人の形として熟していく
...
ここは、森であることを、許されてはいない。
しかし、森でなかったことはない。

森について、何も知らない。
しかし、森のすべては、予め知らされている。

森を、思いだすことは、できない。
...
近所の婆さんから焼き芋をもらう
紅はるかって種類を初めて作ったとか
太い焼き芋だ
齢八十余年の初めてをいま喰っている
時々忘れていく でも
時々 思い出すのは あの日
街灯の下で僕の見ていた橋の光景
自転車で 長い通りでペダルを踏んだ
曲がって駅の 駐輪場を 僕は目指した
二〇一五年五月一日 「HとI」


 アルファベットの順番に感心する。Hの横にIがあるのだ。90度回転させただけじゃないか。エッチの横に愛があるとも読める。もちろん、Iの横にHがあるとも、愛の横 ...
剥いた蜜柑の爪跡が地球の裏側に勃っている
朝と見間違うかのような崩落
焔は零れる砂となり
紐を抱くとも数式の最後尾に綴じられる

消えそうな会釈で靴を脱ぐ
前室は輪郭に満たず、水没した鏡に ...
街は震える。
街は震える、僕を揺り落とすほどに。
寂しく、恐ろしく
震える。
真っ黒に濡りつぶされた窓が
少し開いて、
赤い針が何本か投射される。
その骨ばった手指。
不揃いな歯。
...
見ろよとうとう列車がやってきた
あれは取り残された者だけが
最後に乗り込める列車なんだ

何も請け負ったつもりはないが
この国に生まれたからには責任をとれと
指を突きつけてくる連中がいる
...
昨年、父が庭に植えたハナモモの樹(桜の時期に前後して紅白のにぎやかな花を咲かせる)がはからずも倒木の憂き目に遭った。特別、大風が吹いたわけでもないが、黒々としたその幹は人知れず根元からボキリと折れてし ... 刺すような寒さとは
まだ刺されていないのに
おかしい

なぜ皆知ってるんだ
刺されたときの痛さを
何か私に隠してるのか

もしかして
刺すような痛さは
刺した時の痛さだろうか
胸 ...
{引用=内から喰われる}
くちびるから離れる熱い器
つかもうとして膨らんだ白い手は光にとけ
網膜にしみる青さをかもめが掻っ切った
上澄みだけ日差しに毛羽だった 
時のよどみ底なしの 泥夢―― ...
昔馴染みの店長がいる
地元の古書店へ行った
店長とはたぶん15年以上の付き合い
ひさしぶりにみた店長の声は
若い頃のままだったが
見事な白髪へと変貌していた
梯子を昇り
15年前と配置の ...
マスクに隠れた病

ai

親愛なる友よ、君と10年前、出会ってから、人生は大きくガラリと変わってしまった。君が、安らかに眠れることを祈る。私があまりの重苦に耐えられなくら死んだ時は、よろしく ...
人の噂も七十五日
ひとつの季節が過ぎる頃には
噂も忘れら去られるから
それまでの辛抱だった
ことわざは人を救ってくれた

それがネット社会になって
検索候補一覧に
サジェストキーワード ...
自分は次の世、どこで存在しているのだろうか?
また、同じ人格を保ったままなのであろうか?
でも幸運であったのは、ウルトラマンと出会えたことだった。
ソクラテスを知るまえに、「正義」を知り ...
職場でお寺の話になって
昔あなたと行ったお寺のことを思い出した
名前も場所も憶えていなくて
ネットで調べていたら
手が滑ってあなたの家を見てしまった
恐ろしいことに十数年の移り変わり写真 ...
私はカフカの変身を読んだ記憶はありません
小林多喜二の蟹工船も倉橋由美子のパルタイも読んでません
ただ書店で何度か本を手に取った記憶はあります

私は芥川龍之介の芋粥は完読しています
太宰治 ...
{引用=ふしあわせという名の猫がいる  寺山修司}


印象という名の椅子


音楽という名のハンモック


概念という名の少年


恐怖という名のカクテル


経済学と ...
たくさんの記憶がある

嫌な記憶が邪魔して
前に進めないこともある

気持ちは前を向いていても
何故か途中で進めなくなる

嫌な記憶が
徐々に薄まっていく
夢を観ていた

良い ...
プールの底からみえる
陽にゆれる水面
一篇の詩さえ
書けないってどういう事だろう
浮上とは何です、この場合
ミューズよ
捨てられないもの増え過ぎて
ひっくり返したバックギャモン
雨降って固まった理想
もう崩せない砂の城
鼾五月蝿いの何とかしてよ
部屋着代わりのジャージのラインと
並べて焼いた目玉焼き
ハン ...
荒野に一つ
かがやくそれは
ぼくの悩み事をぶちやぶって
窓に張り付く次の夜から
マカロニはしるしになる

やってきては不幸をなげき
とばりの隅に隠れている

宇宙にひとつ
かがやく ...
けだるい夏のサンセット
若いヘルパーがカミングホーム
お前のママの素敵なディナーを
作ってくれるぜナウイッツタイム
その時を狙ってさらいに行くぜ
その時ママが元気だといいな
それならお前も ...
段ボール、衣類、びん、缶、ペットボトル
段ボール、衣類、びん、缶、ペットボトル
月曜の夜に呪文のように唱える
明日は段ボールの日だから
古新聞と雑誌とチラシは来週ね
そう決まってるの残念なが ...
冬の道に蛾が落ちてきた
大きな桑子だ
冬をやり過ごし
羽を朽ちさせた太い蛾は
冷たいアスファルトに震えていた
二月
妙に暖かい日に
それでも凍てた道路に腹と羽を震わせた蛾の
末路は知ら ...
正十二面体たちの綺麗な街

水星に彗星おちる 修正を




物語の上を流れていった紙




作品のように夕陽は固まった


空が茜に染まってる方が西
今ってところで宇宙のどの{ルビ辺=あたり}
ハシバミ弾けて心臓が痛い

いみなく死んでうまれて散って
いつとはなしに猫ばかし

時それは非生物だ
ああ
深海魚コーナーになりたい
さて前回予告したとおり「俺、モザイクキラーを手に入れるの巻」である。あれは二十三の頃だ。しがない日払いの派遣バイトで食いつなぎながらプアーな一人暮らしをエンジョイしていたロスジェネ丸出しの俺はある日、 ... ねぇ、帰らないでよ
君の自転車の反射板の光、
今すごく良い感じなんだよ
青と黄色が溶け合ってて美しいんだよ
だから帰らないでよ
僕とここにいてよ
こんな、しがない夕方だけれども、
コ ...







血痕

日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
果実と花葉leaf自由詩121/2/7 5:25
生物かとり自由詩5*21/2/7 3:58
黒田康之自由詩221/2/7 2:31
2005年頃の厚木で番田 自由詩121/2/7 2:07
詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日田中宏輔自由詩17*21/2/7 1:08
カーネーション妻咲邦香自由詩321/2/6 23:42
デキストリン由比良 倖自由詩121/2/6 23:28
夢のファンキートレイン紀ノ川つかさ自由詩121/2/6 23:06
映画『赤ひげ』と父の思い出道草次郎散文(批評...3*21/2/6 22:30
刺すような寒さ木葉 揺自由詩3*21/2/6 19:53
眼のない光ただのみきや自由詩4*21/2/6 18:58
馬齢店長道草次郎自由詩2*21/2/6 17:06
マスクに隠れた病a i散文(批評...1*21/2/6 16:18
人の噂も七十五年イオン自由詩021/2/6 15:32
生まれてよかったことナンモナイデ...自由詩2*21/2/6 13:35
運命の分岐mizuno...自由詩721/2/6 7:47
私は私以外の何者にもなれませんこたきひろし自由詩321/2/6 6:51
Die Alone墨晶自由詩6*21/2/6 6:06
記憶夏川ゆう自由詩421/2/6 6:01
問い道草次郎自由詩6*21/2/6 1:27
ブラックジョーク妻咲邦香自由詩021/2/5 23:17
まかろにカマキリ自由詩321/2/5 22:40
One Hour Dream紀ノ川つかさ自由詩1*21/2/5 21:22
火曜日ひかわゆきお自由詩1*21/2/5 21:09
黒田康之自由詩321/2/5 20:57
かたい水宮うみ川柳2*21/2/5 20:19
水族たちに囲まれて道草次郎自由詩1*21/2/5 20:09
喜多川歌麿 肉筆画 「女達磨図」TAT散文(批評...3*21/2/5 18:56
帰らないでよクーヘン自由詩2*21/2/5 16:05
ヨロシク自由詩021/2/5 8:12

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加筆訂正:
立春歓談/道草次郎[21/2/6 23:45]
一部仮名遣いを修正しました
眼のない光/ただのみきや[21/2/6 21:18]
誤字修正
3.68sec.