ある朝わたしは鴎になり
中央区永代橋の橋桁から白い小さな翼をひろげとびたつ
(そのときわたしははじめて空の名前を知ることになる)
江東区東陽町一丁目三番地
古めかしいビルの窓から
...
おだやかな
初夏の朝
気持ちのイイ空気を吸って
ぢめんにコインを並べる人たちが話し合っている
地球のほうはどうですか?
ところで、さざなみ、という言葉はいいですな
もしもし
あ。 ...
目に見えないから恐ろしいと思ったり、素敵だと感じることがある。
目に見えないから捨てられなくて、手に入れることのできないものがある。
見えないものに心が動くのは、僕らが考えるからで、
想像をしな ...
その歳若い上司は、ぼくどころか妻よりもずっと若く、なんとその若さで現場のチーフを仰せつかっているとの事だった。
妻はつねづね、その上司が、制服の上から胸や腹のあたりを無造作にガリガリと掻きむしるのが ...
何か懐かしいこと
思い出しそうで
思い出せないまま
やさしい曇り空
包まれる
迫られるものはなく
小さな雑事たちだけ
転がっていて
待ってね、待ってね
と何回
さっきの ...
失ったモノはたくさんあるけど
落ちてくるイタミは数えきれないけど
降りかかる悪意は背中を刺すけど
愛は遠く遥か彼方に離れているけど
転がっている挫折にはまってばかりだけど
...
知らないふりを続けていれば
はじめから何もなかったことにならないかなぁなんて
街を見下ろすおおきなロボットのてのひらの上で
消えていくものに焦りながら
八つ当たりでも見当違いでも
振 ...
あゝ窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
一瞬わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく廻る星なんだ
それにし ...
物音と話し声を聞いたとき、ぼくは布団の中いた。
ぼくは、しばらくじっとして、できるだけ注意深く外に耳を済ませることにした。
空耳ではないはずだった。
たしかに、微かな話し声と、横たえられ ...
性欲に満ちたこの大地になんで、何の理由があってここにいるんだろう。
人との関係には礼儀がなくてはならない。
そして礼儀の根本は愛である。
あいがあるところには ...
言語は解体され、意識の破片となって、冷たい寝床で検死医を待っている、風が鳴くような音は、体内に残留した空気が逃げ場所を探す音、死後硬直のトーンは灰色、アルミニウムのような冷たさだけがそこにある、空 ...
彼にとってどうでもいいことが、
彼女にとっての切実。
彼女にとって取るに足らないことが、
彼にとっての切実。
ため息と共に空に消えた君の透明な青春は、
今夜誰かの青い夢になる。
...
岩に立つ木
わずかな土へ
根を張り巡らして
風が揺さぶっても
雨が叩きのめしても
根は岩まで食い込み
倒れまいと踏ん張っている
あの木だけではない
生きている限り
どの木も
...
来た道を帰っていくだけなのに
頭の悪い恋人たちはいつも迷子になる
まぼろしのように遠ざかる土砂降りのテールランプを
おぼつかない足取りで追いかけるゾンビたち
38口径で撃ち抜かれた頭蓋骨に ...
小学校の教科書だったろうか
あの坂をのぼれば
海が見える
あの坂をのぼれば
海が見える
と繰り返す文章が
40年近く経った今も
あのときの少年たちの声とともに
ここに聞こえている
あ ...
最初に狙ったのは豚野郎でした。次に手を汚したのは芋野郎です。鍋に蓋をしてお釜で煮込めば消えました。お粥はいいなあ。茶粥には甘藷の薩摩芋。甘い芥川塩!コンニャク芋ではござりませぬ。蝗の佃煮。味噌 ...
どうか
この手が
だれかを
たたいたり
せずに
ありますように
どうか
この脚が
届けものを
とどけ
続け
られますように
どうか
この瞳が
まっすぐで
逸らされ ...
言ってやろうか 聞かせてやろうか
俺を産んだ女は無学で
字もろくに書けねえ読めもしねえ女だった
昭和二十年
この国は戦争でぼろ負けになり
東京辺りは焦土と化してしまったけれど
嫁ぎ先は ...
ここにひと{ルビ欠片=かけら}の記憶が落ちていた
天候にもよるが
ふいにキラキラとうつくしく光りだすから
この一片には
よほどの幸せとそれに彩られた日々があるにちがいない
と思われた ...
拡大する意識に
思考が浮遊し始める
感情の奥底に根を張りながら
わたしは別にあなたでもよかった
あなたがわたしのうちに体験されてから
あなたは別にわたしでもよかった
わたしがあなた ...
優しさで出来てる星がひとつくらいあってもいいね。行けないけれど。
ふわふわでほんわかしててすべすべですうすうしながらしゅわしゅわなあさ
クローバー見渡すぼくらの遠くに町のような ...
法則
{引用=山で
イノシシとリスが
談笑している
団栗と
木の実は
こっそりと交換される}
航海
{引用=海は平面を
船乗りに諭しつづける
地球の丸み ...
日暮れ前
誰も彼もが瞑り合掌し
高く掲げた花
賜りものか捧げものか
《2020年7月26日》
今日も僕は詩を書く
抱えているイタミを
癒すために
詩を書くということは
祈ることと似ている
読んだ人が
少しだけでも
元気になればいいと
読んだ人が
少しだけでも
勇気を ...
死ぬ前の最期の夜に食う飯はエースコックのワンタンメンだ
春はあけぼの
夏は夜
と謳った人が昔居るけれど
確かに
そうやって
自分の好きなものを
実際に
真剣に
数え ...
この部屋にも窓はある
背丈より少し高い壁にひとつ
開けるとカラカラと風
視界の遥か上を通過する
気持ちいいでしょ と声が聞こえ
ると 口、
涎が落ち、水脈になり、
萎れた花に
手が伸び ...
誰も家にいない
ファンタグレープを一人で飲む
日記なんて書かない
太陽
汚れたレースのカーテン
台所の床で裸
扇風機
団地の正午
その子は、誰も想 ...
振り返ると 脚本家は匂い無しのセリフ並べ
うわの空で現実を見る 格好だけする
ほくろの白い 白狐 稲荷のしたたかさ
楽になる秘訣 何もしないこと
戸籍上ケセラセラは 松尾芭蕉だったか ...
毎度毎度 サボって生きる 問題なし
少年の 心失くした エロおいら
じゃんけん 隣りあわせの 3すくみ
さんま高い 開き直って 缶詰か
金無し 地位無しで しがらみ有り
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
白い鴎
青色銀河団
自由詩
3*
20/7/27 23:39
虚無の腕
道草次郎
自由詩
1
20/7/27 22:35
目に見えないから
水宮うみ
自由詩
2*
20/7/27 22:30
夜に捧げる何か
道草次郎
散文(批評...
2*
20/7/27 20:37
回復
木葉 揺
自由詩
4*
20/7/27 20:04
失ったモノはたくさんあるけど
ジム・プリマ...
自由詩
1*
20/7/27 19:41
おおきなロボットのてのひらの上で
カマキリ
自由詩
0
20/7/27 19:25
地球に座る(改訂)
ひだかたけし
自由詩
4
20/7/27 19:09
夜に覚める
道草次郎
散文(批評...
3*
20/7/27 17:30
何で私は存在してるんだろう。
viraj
自由詩
0
20/7/27 17:11
乱反射する生の所在地
ホロウ・シカ...
自由詩
2*
20/7/27 17:03
透明な青春
福原冠
自由詩
2
20/7/27 16:47
岩に立つ木
もちはる
自由詩
0*
20/7/27 16:18
帰り道
大覚アキラ
自由詩
1
20/7/27 15:04
あの坂をのぼれば
七尾きよし
自由詩
3
20/7/27 2:23
火性の足跡が凹地に広がって
アラガイs
自由詩
2*
20/7/27 1:21
どうか
道草次郎
自由詩
4
20/7/26 21:37
言ってやろうか。聞かせてやろうか。
こたきひろし
自由詩
10
20/7/26 20:50
すなはま
「ま」の字
自由詩
3*
20/7/26 20:25
意識夜愛
ひだかたけし
自由詩
3
20/7/26 20:11
風がはじまる場所
青色銀河団
短歌
5*
20/7/26 19:07
労働者
道草次郎
自由詩
3*
20/7/26 18:43
ねむの木
ただのみきや
自由詩
2*
20/7/26 17:48
僕は少し、精神を許してゆく
ジム・プリマ...
自由詩
3*
20/7/26 17:11
死ぬ前の最期の夜
TAT
短歌
1*
20/7/26 16:47
蕎麦殻の枕
〃
自由詩
3*
20/7/26 16:18
L.S.D
れつら
自由詩
2*
20/7/26 16:06
summer, nothing
墨晶
自由詩
4*
20/7/26 12:00
滅茶苦茶①
あい うえお
自由詩
1
20/7/26 9:48
狂句⑱
〃
川柳
0
20/7/26 9:24
698
699
700
701
702
703
704
705
706
707
708
709
710
711
712
713
714
715
716
717
718
719
720
721
722
723
724
725
726
727
728
729
730
731
732
733
734
735
736
737
738
加筆訂正:
火性の足跡が凹地に広がって
/
アラガイs
[20/7/27 11:41]
最後オチ足しました。
4.32sec.